パリ近郊農園の野菜で作るフランスのお惣菜。
おうちでパリの味 2023.10.13
そろそろ、りんごが実っているころではと気になってパリから郊外の農園に出かけてきました。
到着すると、先ずは今日収穫できる野菜やフルーツ、花が載っているパネルを見ながらスタート。
ここの人気者のヤギも元気です。
りんご狩りを目当てにパリから来ている人達が大勢。りんごの品種ごとに、よく手入れされた木々が並んでいます。
週末なので、古くから使われている圧搾機でりんごジュースを作るアトリエが開かれていました。参加している子供たちも楽しそう。
この夏、最後の露地物トマト。太陽を浴びて、ひときわ甘いところを沢山採ってきました。
これも今年最後のインゲン。サラダや肉料理の付け合わせにと、フランス人が大好きな野菜。
数日雨が続いたせいで、ホウレン草がぐんと伸びてみずみずしい。
この畑のお目当てのひとつ、数種類あるシャキシャキのレタス。
こんなに収穫した人もいて満足そう。家の地下にあるカーヴに入れておくと数か月は愉しめるそう。
まだ若いけれど、旬の始まったネギも収穫。
畑を廻ってひと通りの野菜が揃ったので、会計コーナーへ。すでに収穫されたものが並んでいます。
有機農法で栽培されている、ここのじゃがいもは特に美味しい。
自慢のりんごを搾って作ったピュアな自家製ジュースも。
今日は柔らかくて美味しそうなネギが手に入ったので、フランスのお総菜屋さんの定番、クラシックな“ポワロー・ヴィネグレット”をご紹介。
マルシェで大きなネギを5~6本抱えているおばあちゃん達は、たいがいこれを作っています。
ネギの白い部分だけを使って、緑の葉を捨ててしまう人も多いのですが、ジャガイモと合わせてポタージュスープにするのもまた始末の上手なおばあちゃんのレシピ。
そして、ポワロー・ヴィネグレットは、いつも大繁盛、パリの大衆食堂Bouillon Chartierブイヨン・シャルティエの定番メニューでもあるのです。週末は家族連れ、おじいちゃんおばあちゃんから、小さな孫まで揃って、どの人も笑顔で楽しそうに昔ながらのお惣菜をもりもり食べている姿は壮観。
ああ、フランス人は本当に、こういう料理が好きなんだなあと思います。
おばあちゃん達は、ネギをクタクタに柔らかく煮ていますが、これは少し歯ごたえを残したものに、ハムとクルトンを添えてRevisiter(トラディショナルな料理を新しくアレンジ)風にしてみました。
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『ネギのヴィネグレット』
Poireaux à la vinaigrette
長ネギ 4本
生ハム 4~8切れ(イベリコ豚のコッパを使用)
ハーブ 少々
【クルトン】
食パン 1枚
おろしにんにく 少々
塩 少々
オリーブオイル 大さじ1
【ヴィネグレット】
マスタード 小さじ2
へレスヴィネガー(又は穀物酢) 大さじ1
グレープシードオイル(又はサラダ油) 大さじ2
水 大さじ2
塩・コショウ 少々
<作り方>
1.ネギを10cmくらいの筒切りにして5分ほど茹でる。ナイフの先を刺してみて、スッと入るようになったら、冷水に晒してザルにあげて水切り。
2.【クルトンを作る】
食パンの耳を落として1cmくらいの角切りにして、ボールの中ににんにくと塩を入れて混ぜる。フライパンを温めてオリーブオイルを入れて、カリッとなるまで中火で炒める。
3.【ヴィネグレット】の材料を全てボールに入れて、泡だて器で良く混ぜて乳化させる。
4.皿にネギをのせてヴィネグレットをかけてから、ハム、ハーブ、クルトンを加えて出来上がり。
新鮮なネギは煮ると白いアスパラガスのような甘味。これから冬にかけてさらに美味しくなるネギを使って、是非作ってみてください。
ラ・クイエット・ドゥ・プレシ・ア・シャントゥルー
Rue de la Cueillette, 77600 Chanteloup-en-Brie
www.cueilletteduplessis.com
収穫農園の案内は、こちら。
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。近著に『LE B.A.-BA DE LA CUISINE “Ramen”』(Edition Marabout Hachette社 刊)がある。
Instagram : @haradasachiyoテキスト
*デモンストレーション開催 @Paris
左岸の老舗デパートBon marché ボン・マルシェのグランエピスリー創業100周年を祝うイベントの中で、Staubのココット鍋やZwillingの包丁を使いながら料理のデモンストレーションをします。そして試食も楽しんでいただけます。
みなさまのご来場をお待ちしております!
開催日: 2023年10月13日(金)、14日(土)の2日間
時間: 12時~18時
場所: Le Bon Marché – La Grande Epicerie 1階 Atelier cuisine
24 Rue de Sèvres, 75007 Paris
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo