パリ いちじくの季節『しょうがのブラン・マンジェ、いちじくとぶどうのソース』
おうちでパリの味 2012.07.23
マルシェに、いちじくが少しずつ出てきました。
やっと、楽しみにしていた季節の到来です。
いちじく・・・と思えば、Du pain et des idéesの"いちじくのタルト"が、いつも待ち遠しい!
季節ごとのタルトは、秋から冬、春へと続く、りんごの次は、アプリコット、そして、いちじく。これが大好物同士のパン職人、作ってる本人サミョンさんも「いちじくのタルトが出てくると、朝と帰りに、2度は食べないと気が済まない!」というくらいの美味しさなのです。
ヴェルサイユ宮殿の隣にあるLe potager du roi(王様の菜園)には、ルイ14世が大好きだった、いちじくの木が、十数種類、700本ほども有ったそう。
こうして、フランスの豊かな食文化は、食いしん坊な王様によって、創られてきたのですね。
普段、マルシェや八百屋さんで見かけるのは、3~4種類。ある時、南西部から来た、小ぶりなものを見つけて、切ってみると・・・完熟!
中身は、ジャムのようで、うっとりするほど、きれいな色でした。
今日は、これを使って、デザートを作ってみました。
◆"しょうがのブラン・マンジェ、いちじくとぶどうのソース"
材料4人分
豆乳 2カップ
砂糖(できれば、精製していないもの) 大さじ3
粉寒天(仏:アガアガ) 小さじ2
熱湯 大さじ2
しょうがの搾り汁 大さじ1
●ソース
いちじく 2個
ぶどう 40g
しょうがの薄切り、数枚(風味付けに)
ぶどうジュース 1カップ
片栗粉(仏:マイゼナ) 大さじ1
水 大さじ2
■作り方
鍋に豆乳と砂糖を入れて、中火で温めます。
小さなボウルに、粉寒天と熱湯を入れて、混ぜ溶かす。
これを、しょうがの搾り汁と一緒に豆乳に入れて、2分ほど煮てから冷まし、ガラス器に入れて、冷蔵庫へ。
●ソース
いちじくを、皮付きのまま薄切り。
鍋に、ぶどうジュースと、しょうがの薄切りを入れて、沸騰させる。
そこへ、大さじ2杯の水で溶いた片栗粉を注ぎ入れて、混ぜる。
とろみが付いたら、火を止めて、いちじくとぶどうを加えて冷ます。冷蔵庫へ。
冷えたら、しょうがのブランマンジェの上に注ぎ、シナモンと八角を飾る。
これから、10月の始めまで、いちじくの本格的なシーズン。
さらに、季節のものを楽しみたいと思います。
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo