パリ いちじくの季節 その2『アーティチョークとイチジクのカルパッチョ』

春から夏にかけて、おいしいものに、Artichaud(アーティチョーク)があります。
これからが本番のいちじくと、"出会いもの"として、簡単な前菜をご紹介します。

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アーティチョークを生で? と、最初は意外に思いましたが、実は、クセになる味。 

これは、友人のイタリア人料理研究家Laura Zavinが作っていた、アーティチョークとパルメザンのシンプルなカルパッチョからヒントを得て。

彼女のは、食べる直前にスライスして水に晒さない、アクも味わいのひとつ。レモンをざっと搾り、塩こしょう、オリーブ油、荒く削ったパルメザンをのせた、ワイルドな味。イタリア料理のこういうところが、大好き。

「う~ん、なんていうセンスの人達。さすがは、メディチの末裔だわ!」なんて感心する。そういえば、モードの仕事の為に、パリで展示会をしていた頃、「世界中で、一番趣味が良いのは、イタリア人だ!」と断言していた私。

シンプルながら、素材の本質を感じるやり方は、「季節の山菜の苦みやえぐみが、体を若返らせる」と言って、それを大切にしていた祖母を思い出す。

ズッキーニや茄子など、新鮮な夏野菜は、薄切りにして生で楽しむのがいい。


◆アーティチョークとイチジクのカルパッチョ

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材料 4人分
いちじく 4個
アーティチョーク 2個
生ハム 4枚
オリーヴ油 少々
塩少々

1.いちじくを皮付きのまま、縦に4等分に切り分ける。生ハムも適当な大きさに。

2.アーティチョークの先端から、2cmくらいを切り落とし、外側の硬い皮を取り除いて、水に漬けておく。食べる直前に、スライサーで薄く切って、酢水(又は、レモン水)に晒して、アクを抜く。

3.皿に、水けを取ったアーティチョークを敷いて、塩を少々振っておく。その上に、生ハム、いちじくをのせていく。好みで、ハーブ(今日はシソ)や塩(マルドンのものをパラパラと)をかけて、オリーブ油を振りかけて、いただく。

アーティチョークは、鮮度が落ちると硬くなるので、新鮮なものを選ぶこと。
生が入手できないときは、ビン入りの加工済のもの(オイル漬けや水煮)をスライスしても、おいしい。

アーティチョークの効能を調べてみると、カルシウム、ミネラル、カリウムが豊富。血液を浄化、胃もたれを解消、肝臓を保護して、機能を高める。抗酸化、利尿作用、むくみをとる・・・などなど、エネルギーもいっぱいで、夏の疲れを取るのに良さそうです。

お皿の上で、イタリアへの旅。是非、お出かけください!

▶パリ、いちじくの季節 その1はこちらへ。

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo

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