名残のトマト。
おうちでパリの味 2012.09.27
パリは肌寒く秋雨が続いています。
そんな中「今年は、これが最後」という露地物のトマトを見つけました。
陰陽にしたがって季節のものだけを食すマクロビ的には、食べ納めとなります。

トマトをいただく時の、お約束は"絶対に冷蔵庫に入れないこと"。
私は、いつもテーブルに飾って、めでながら「おいしくなってね」なんて話しかけて、熟すのを待つ。そして、赤い色で目からも元気をもらう。
そういえば、還暦のお祝いに赤いものを身に着けるのは、"魔除け"や"赤ちゃんに還る"という意味の他に、"衰えてきた体に、赤い色の持つパワーを貰って元気になる"という作用もあるとか。
数年前から、Tomate ancienne(トマト・アンシアン)と呼ばれる古い品種のトマトも出回るようになってきました。色、形も様々で、眺めているだけで楽しい気分。
日本のものに比べると味が濃厚な感じです。

トマトを味わう一番シンプルで好きな食べ方は、ブルスケッタ。
カリッと焼いたパンに、にんにくを擦りつけ、もしくはそのままで、刻んだトマトとバジル、おろしたにんにく、上質な塩とオリーブで和えた物をのせただけ。これがあると、アペリティフが進む進む。

ボリュームが欲しい時は、バゲットを横半分に切って、軽くグリルすると香ばしく、中がもっちり。厚めに切ったモッツアレラに刻んだバジルをのせて、ハムを添えれば、簡単なランチに。

過ぎ行く季節を惜しみながらも、マルシェに出てきたキノコや栗など、秋の美味しいものにワクワクとしてきました。

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo



