パリでアペリティフ
おうちでパリの味 2008.09.22
9月が新学期のフランス。La rentréeと言い、新しい年度の始まり。
ヴァカンスも終わり、この時期は友人達と「久しぶりにApéroでもどう?」
ということになる。飲みながら、つまみながら、ヴァカンスの思い出や近況を話して盛り上がる。
こんな風に家に友達を呼んでアペリティフに作るものは、簡単なタパス風いろいろ。
夏の名残りのトマト。でも、温暖な南フランスで採れる真っ赤なトマトがまだまだ美味しい。
友達からリクエストが多いのは、こんな和風ヌードル。
とても簡単だけれど、食べる直前にみんなの前で熱々のガーリック・オイルを
「ジュワ~~!」っとかけると「わ~~!おいしそう!」と歓声が上がって楽しい。
15年ほど前に行った台湾の屋台での事。
どんぶりに刻んだ生のにんにくをピシャ!と叩き付け醤油だれを注ぎ、
茹でたての熱いそばを放り込み、湯気と供に勢いよく鮮やかに出てきた
シンプルな麺の美味しかったこと!
その後、どんどんオリジナルからかけ離れつつ私なりに変化しながら何年も作っている。
夏は冷たい稲庭うどんにワカメときゅうりを入れ、ごま油を効かせて。
冬は熱い讃岐うどん。そして、ここパリでは極細カッペリーニと極上オリーヴオイルで。
私も友人達も大好きな味!料理教室でも好評です。
フランス人のお箸使いも最近の日本食ブームのお蔭で、にわかに向上しております。
こちらでは、音を立てて食べるのは厳禁なので「つるつる」ならぬ「そろそろ・・・」と。
■トマト・ヌードル
材料(4人分)
完熟トマト・・・2個
カッペリーニ(極細パスタまたは素麺)・・・100g
めんつゆ(うちのは、鰹・昆布で自家製)・・・大さじ4
オリーヴ油(ごま油でも)・・・大さじ3
にんにく・・・1片
細ネギ・・・少々
- 麺を茹でるお湯を沸かしている間に、トマトを賽の目にカット。細ネギはみじん切り。
- にんにくをみじん切りにしてオリーヴ油と一緒に小鍋か小フライパンに入れておく。
- 麺が茹で上がったら洗い、よく水を切ってグラスに入れる。にんにくの鍋を弱火にかけておく。
- トマトを麺の上にのせ、めんつゆをかけ、直ぐに熱したにんにく油をかけ、細ネギを散らす。

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo