濃厚な旨味を楽しむ、ホタテの焦がしバターソテー。

秋になり、ボルドーでは殻付きホタテが出始めました。魚介が大好きな私は、頻繁にホタテを食べています。日本で食べるものより甘味や旨味がギュッとしている気がします。

フランスのポワソニエ(お魚屋さん)にホタテの殻開けをお願いすると、ウロ(貝の閉じる部分の上部にある黒い部分)だけでなく、ヒモ、貝殻も全て捨てて、冷凍ホタテのような貝柱だけがポツンと戻ってきます。

ホタテのヒモに旨味や栄養(タンパク質・葉酸・亜鉛など)がたっぷりなのに、捨ててしまうのはもったいない......。

「ヒモは残しておいてください」といいたいけれど、フランス語で「ヒモ」という単語がわからないし、面倒なお客だと思われても嫌なので、殻付きホタテを購入する際は「殻を開けたら、ホタテの中身は自分で処理するから、そのまま袋に入れといてください。殻もデコレーションに使うから戻してください」と、毎回お願いしています。

というわけで、今回は、私が大好きなホタテの食べ方をご紹介です。

冷たいフライパンにバターとクルミを入れ、じっくり弱火にかけてクルミのエキスをバターに引き出していきます。カリカリになったクルミを取り出したら、クルミ風味の焦がしバターでホタテをサッと焼き、ミキュイ(中を半生)に仕上げ、軽く煮詰めたソース(バルサミコ・醤油・蜂蜜)とカリカリにしたクルミやピンクペッパーを散らして完成。

クルミのコクや香ばしさが、ホタテの旨味をより引き立ててくれます。

お料理レッスンでもご紹介していた人気レシピ。先日も友人が遊びに来てくれた際、このホタテ料理をお出ししたところ「おいしかった! どうやって作るの?」と質問してもらえました。
よかったらぜひ。

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★ホタテの焦がしバターソテー・クルミ風味★

【材料】4人分
ホタテの貝柱 4粒
クルミ 12g
バター 15g
ピンクペッパー 3粒×4皿分
葉野菜 適量
マルドンの塩 適量(普通の塩での代用可)

A
バルサミコ酢 小さじ2
醤油  小さじ1
蜂蜜  小さじ1

【作り方】
1. Aを小皿にまとめておく。
2. 火にかける:冷たいフライパンにバターを入れる。クルミを手で割りながら入れる。火を入れ、弱火にする。バターが溶け、クルミがプツプツしてきたら30〜60秒で火を止める(クルミを焦がさないこと)。クルミを小皿に取り出す。
3. 焼く:2のフライパンを中火にし、バターが軽く焦げてきたらホタテを入れ、表面の色が変わる程度に両面に火を入れる(中を半生に仕上げたいので火を入れ過ぎないこと)。火を止め、ホタテを小皿に取り出す。
4. 煮詰める:3のフライパンが熱いうちにAを注ぎ、余熱でとろみをつけていく。
5. 盛り付ける:お皿にホタテをのせ、葉野菜を添える。4のソースをかけ、2で取り出したクルミを散らす。ピンクペッパーを指で押し潰しながらホタテにかける。マルドンの塩をほんの少々散らす。

【ポイント】
・クルミは細かく崩しすぎると焦げやすくなるのでざっくりと手で崩すサイズで大丈夫です。
・マルドンの塩について:海水を煮詰め、美しいピラミット型の結晶に仕上げたイギリスのお塩です。通常の塩のジャリっとした食感とは異なり、マルドンの薄い塩の結晶は、口の中でサッと溶け、お料理との相性が抜群です。天ぷらやお刺身をいただく際にも是非。

Nao Aoumi
パーティ料理研究家
フランス独立記念日と同じ7月14日生まれ。「きっとフランスに縁があるのよ」と両親にいわれ続け、大学では仏語を専攻。フランス留学、仏系証券会社勤務、南仏でのレストラン研修‥と、フランスと関わる人生を歩む。2019よりボルドーを拠点に活動。各メディアにレシピを提供する傍ら、マルシェやワイナリー巡りなど、食の探求を欠かさない。ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル資格取得。
BRUNCH : https://naoaoumi.wixsite.com/website-5

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