カリフォルニアのワインに合わせたいひと皿。《Heitz編》
「牛モモステーキ にんじんグラッセ添え」
ホームパーティレシピ 2015.10.23
前回に引き続き、カリフォルニアのワイナリーレポートと、そこでいただいたワインからインスパイアされたレシピを紹介します。
数年前に読破したワインマンガ『神の雫』で"幻の名酒"とした紹介されたワインのあるワイナリー「Heitz Wine Cellars」にいってきました。マーサズ・ヴィンヤード(ワイン畑の名称)のぶどうから作られたワインが、その幻の名酒と呼ばれるもので生産量が非常に少ないワインだそうです。そんなマンガの予備知識があったのでとても楽しみにしておりました。
こちらのワイナリーの創業は1961年。ロバート・モンダヴィよりも古いワイナリーです。家族経営の落ち着いた雰囲気のワイナリーで、私たちが訪れた際には、Heitz家のおばあさまがお花の溢れるワイナリーの庭をゆったりお散歩してらしゃいました。
取材中、1974年のワインが凄く良いと聞きました。その年のマーサズ・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニョンは、世界的に有名なワイン評論家、ロバート・パーカー氏が100点満点中98点を付けたことで、今でも1,500ドル以上の価格で取引されているそうです。Heitzの皆さんも、自分たちのワインがまさかここまで人気になるとは思っていなかったので、昔のワインをセラーにストックしておらず、未だにオークションで買い戻しているとお話してくださいました。
せっかくなので2009年のマーサズ・ヴィンヤードを記念に購入してみました。はっきりとした購入価格を忘れてしまったけれど、確か1万円ちょっとくらいだったような......。高い買い物ですが、我が家に初めて家宝ができました。40年後どんな値段になっているかなー? 楽しみ、楽しみ。
Heitzといえば、前述の通りカベルネ・ソーヴィニョンが有名です。テイスティングでは、ヴィンテージ違い、畑違いで様々なカベルネ・ソーヴィニョンをいただきましたが、どれも上品。熟したブラックベリーなどの黒系果実に加え、バニラ、トーストなどの香りも複雑に混ざり合っています。シルキーな舌触りのタンニンは優美さを感じさせ"ナパ・ヴァレーの逸品"といわれるのも納得。とても余韻の長いワインです。しっかりとしたフルボディの赤ワインには、がっつりと牛ステーキに合わせてみたいと思い立ちました。このワインの特徴であるエレガントさと、上質な牛肉ならではの素材の旨みを引き出した味付けが素敵なマリアージュになると思います。
そこで、今回のカリフォルニアワイナリー巡りの旅で伺ったレストラン「Press」で教えていたただいたステーキ料理を簡単にアレンジしてみました。華やかで風味豊かなHeitzのカベルネ・ソーヴィニョンが、お肉の旨み甘みを優しく包み、タンニンが口の中の脂っぽさをリセットしてくれます。
★牛モモステーキ にんじんグラッセ添え★
【材料】(2人分)
にんじん 1/2本(約100g)
バター 10g
砂糖 大さじ1
オレンジジュース 適量(約250g)
クミンシード 少々
塩 ふたつまみ
アーモンド 大さじ1 ※フライパンで軽く煎っておく
牛モモステーキ 150gを2枚(厚み:1,8cm程度)
【作り方】
●にんじんグラッセ:
1. 皮をむいて長さ5cmに切る。縦4〜6等分に切り、角を落とすように削り面取りをする。
2. にんじんを鍋に入れ、かぶるくらいのオレンジジュースを入れて火にかけ、沸騰したらコトコトと優しい火加減にし、砂糖、クミンシード、塩を加え柔らかくなるまで蓋をせずに煮る。煮汁が1/4くらいになってきたらバターを入れ、煮汁を蒸発させながらにんじんに照りを出していく。砕いたアーモンドをからませ、お皿に盛る。
●ステーキ:
1. 肉を室温に戻し、しっかり塩こしょうをする。
2. 煙が出るくらい熱々に熱したフライパンに1を入れ片面を強火で約1分半火入れをする。
3. 肉を裏返して、強火で1分ほど焼く。
4. 弱火にして約1分焼く。
5. 肉をアルミで包み3分ほど放置しておく。
6. 肉をお皿に盛りつけて完成。
【ポイント】
•肉は室温に戻すことでぐっとおいしくなります。
•焼き上げた肉をアルミで包み余熱で火入れすることで、肉汁が流れ出るのを防ぎ、柔らかくてジューシーなステーキに仕上げることができます。
Heitz Wine Cellars
www.heitzcellar.com/winery
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追記!
madame FIGARO.jp での特集が公開されました。
ぜひ、チェックしてみてください。
とっておきのワイン&フードが待っている!
「カリフォルニアで過ごす、おいしいワイン時間。」
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Nao Aoumi
パーティ料理研究家
フランス独立記念日と同じ7月14日生まれ。「きっとフランスに縁があるのよ」と両親にいわれ続け、大学では仏語を専攻。フランス留学、仏系証券会社勤務、南仏でのレストラン研修‥と、フランスと関わる人生を歩む。2019よりボルドーを拠点に活動。各メディアにレシピを提供する傍ら、マルシェやワイナリー巡りなど、食の探求を欠かさない。ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル資格取得。
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