時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、ピアジェのジュエリーの話をお届けします。
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PIAGET
Possession
バングル「ポセション」右¥1,434,400、左¥682,000(ともに18KYG×ダイヤモンド)/ともにピアジェ(ピアジェ コンタクトセンター)
1874年に創業したピアジェは、スイスでも屈指の格式を誇る老舗ウォッチ&ジュエリーメゾン。ジャクリーン・ケネディ・オナシスがこのメゾンのジュエリーウォッチを愛用していたのは有名な話で、ナタリー・ポートマンが主演した映画『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』にもその品が登場した。
ウォッチだけでなく、ピアジェは1950年代から豪奢なジュエリーも作り始め、たちまち社交界のトレンドセッターに。往年のトップ女優、ジーナ・ロロブリジーダはピアジェが作った輝くイブニングバッグを愛用して注目を一身に集めた。そのバッグはゴールドの金糸を編み込んだジュエリーのような仕立てだったからだ。
人気の「ポセション」は、そんなピアジェの最もアイコニックなジュエリーのひとつ。くるくると回転するリングのパーツが特徴的なこのコレクションは、90年に誕生。今年で30周年を迎え、人々に愛され続けている。
ホリデーシーズンに向けて発表された新作は、ダイヤモンドをあしらったミディアムサイズのブレスレット。ボール状のパーツを取り巻く小さなリングが、光を受けてキラキラと輝きながら回転する仕掛けだ。飽きのこないごくシンプルなシルエットでいながらも、この部分のディテールですぐにピアジェとわかるのだからさすが。
30年前にファーストモデルのリングが誕生した時、コンセプトは「輝かしい未来を切り拓くリング」だったという。時を経てもピアジェの想いはその頃と変わらない。心を込めて仕上げる美しい「ポセション」が、よりよい明日へのきっかけになればと願っているのだ。
photo : SHINMEI (SEPT), stylisme : YUUKA MARUYAMA (MAKIURA OFFICE), text : KEIKO HOMMA