ラドーの白い時計が示す、これからの時間の過ごし方。

いいモノ語り 2021.12.24

時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、ラドーの時計の話をお届けします。

file : 046 
RADO
True Thinline Stillness

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デザインだけでなく、環境にもこだわったラドーの時計。旅行に使えるリサイクルプラスチック製のパッケージで、紙の取扱説明書は廃止し、QR コードで読み取るオンラインの説明書を採用している。「トゥルー シンライン スティルネス」(ハイテクセラミックス、クオーツ、φ39.0mm)¥231,000/ラドー(スウォッチ グループ ジャパン)

ときにはスローダウンしてみることを、 白い時間が思い出させてくれる。

タイムレスとは、「永遠の」とか「果てしない」といった意味。流行に左右されない、という意味合いでも使われる。ラドーの新作ウォッチ「トゥルー シンライン スティルネス」は、その意味でタイムレスであり、外見も実際にタイムレス。白い霞のような特殊な効果を持ったサファイアガラスは、時計の針をぼんやりと隠してしまっていて、現在時刻がはっきりとわからないのだから。

何やら意味深なこのモデルを作ったのは、スイスのラドー。ハイテクセラミックスを駆使したデザイン性の高い時計で世界的に名高いウォッチメゾンだ。アーティストたちとのコラボレーションも多々行ってきたけれど、このモデルではトレンドリサーチのスペシャリスト、リドヴィッジ・エデルコートと手をたずさえている。

「人生や仕事の意義を問うため、ひとりになることやシンプルであることのため、共同体や複雑性について考えるために、人々はより多くの時間をとるようになっています」と語るリドヴィッジ。いま彼女が感じ取っているのは、あえてペースをスローダウンさせようとする世の中のニーズの高まり。時間に急かされてせわしなく生きるのではなく、自分にとって時間の価値とは何だろう?と一歩立ち止まって考える。そんな時代の足音が聞こえ始めたというのだ。「みなさん自分たちの行動をあらため、ショッピングに夢中になりすぎるのを断ち切る心持ちができ始めたようですね」とリドヴィッジ。いえいえ、まだそこまでではないですけれど。

でも急がず焦らず、じっと文字盤を見つめていると、薄いミルク色のサファイアガラスの向こうに、いまの時刻が見えてくる。針までもが真っ白なごくシンプルなデザインは、建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの「レス・イズ・モア(少ないほどより豊か)」という有名なデザイン哲学を思い出させてくれる。

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ハイテクセラミックス製ブレスレットの製造工程。金属を使わないのでアレルギーフリー。

温かみのあるホワイトが美しいこの時計は、ラドーが誇る特殊なハイテクセラミックス製。とても軽くて傷つきにくい。生体適合性を持つので金属アレルギーを起こしにくく、敏感肌でも着けられる。驚いたことに、釘よりも硬いといわれるほどスクラッチに強く、安心してアクティブに日常使いできるのがうれしい。

高機能で高品質、スタイリッシュで、しかも……タイムレス。この個性豊かなウォッチを身に着けて、ゆっくりと丁寧に、自分らしい一日を過ごしてみるのも悪くない。

*「フィガロジャポン」2021年7月号より抜粋

●問い合わせ先:
スウォッチ グループ ジャパン
tel:03-62547330
www.swatchgroup.jp

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photography: Shinmei (Sept) styling: Yuuka Maruyama (Makiura Office) text: Keiko Homma

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