元カレが花嫁を奪いに!? 三枚目を演じた岩田剛典の笑いのツボとは。

インタビュー 2022.03.07

人生最大のステージともいえる結婚式の披露宴を舞台にした群像劇『ウェディング・ハイ』は、マルチに活躍する笑いの鬼才・バカリズムのオリジナル脚本を、『勝手にふるえてろ』、『私をくいとめて』で知られる大九明子が監督した群像コメディだ。

人生最高の結婚式当日、流されやすい新郎と天真爛漫だけどしっかり者の花嫁、自己主張の激しい参列者や花嫁を奪おうとする元カレが現れて……! ウェディングプランナー役には篠原涼子、新郎新婦に中村倫也と関水渚、スピーチを依頼された上司役に高橋克実といった豪華なキャストが顔を揃える中、新婦の元カレ・八代裕也役として登場するのが、三代目J SOUL BROTHERSおよびEXILEのパフォーマーとして活躍する傍ら、俳優としても存在感を放つ岩田剛典。三枚目キャラに挑んだ新作へのモチベーションとは?

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岩田剛典 / 1989年、愛知県生まれ。高校3年の時に映画『RIZE』に影響を受けダンスを始める。2010年、三代目 J Soul Brothersのメンバーに選抜。14年にはEXILEに加入。21年、シングル「korekara」で歌手デビュー。また映画『去年の冬、きみと別れ』(18年)や『AI崩壊』(20年)『名もなき世界のエンドロール』(21年)など主演、助演問わず俳優としても活躍中。

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――結婚式で起こるさまざまな“あるある”をコミカルに描いた群像劇ですが、岩田さん演じる裕也は、元カノの結婚の知らせを聞いて、花嫁を奪おうと披露宴会場に駆けつける……という、いわば披露宴の“外側”で起こっているサブストーリーの語り手ですね。コミカルかつチャレンジングな役柄ですが、どこに惹かれてこの映画に出ることにしたのですか?

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岩田が演じるのは、「元カノが望まない結婚を迎えようとしている!」と勘違いして花嫁を強奪に来た元カレ・裕也役。ほかの作品ではあまり見られなったコミカルな演技に注目だ。

バカリズムさんの脚本で大九明子さんが監督、コメディと聞いただけで、絶対におもしろいことになりそうだという予感がしましたし、実際に脚本を読んだ段階で、それが確信になりました。そんな作品ってなかなか出合うことがないので、迷うことなく出演したいと思ったんです。

――脚本のどの辺りがおもしろいと思ったのですか?

最初から最後まで、全部ですね! ひとりひとりのキャラクターに見せ場があるし、テンポ感もいいし、映画館の中で観客が思わず笑っちゃうような、明るい映画。映画館にふらっと行って、何も考えずに笑って楽しめる作品ってそんなに多くないと思うんですけど、コロナ禍もあり、そういう作品っていいなとシンプルに思いました。

――岩田さん演じる裕也の、元カノの結婚式に乗り込んで奪いに行くという設定は、ダスティン・ホフマンが主演した『卒業』のパロディですよね。このシチュエーションは、個人的にはアリですか?

実は僕、『卒業』は観ていないんです。あくまでも映画の中の設定ならおもしろいですよね。その後の展開は、バカリズムさんならではのストーリーだと思います。たたみかける笑いの連続になっているあたりは、まさにオリジナリティがあふれていますよね。

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――役作りはどんなふうにしたのでしょうか?

今回は結構自由にやらせていただきました。具体的な役作りとかはしなかったのですが、ずっとテンションを保ち続けるのが難しかったですね。今回の役は“新しいチャレンジですね”とよく言われるんですが、自分としては毎回チャレンジしているので、特別という感じはないんですよね。確かにいままでやってきてないタイプの役なので、そういうふうに感じていただけるのかなと思いますが。でもどんな役でも、毎回それぞれ違う感情が生まれてきます。

――映画全体として、披露宴での“あるある”を上手く拾ってコメディにしていますよね? ゲストのスピーチとか余興とか……。

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岩田がいちばんツボに入ったというのが、新郎の上司役を演じた高橋克実。仕事や家庭で失敗し、名誉を挽回しようと結婚式のスピーチに命を懸ける姿に笑いが止まらない!

僕は初号試写で観たのですが、笑わせていただきました。完成度が高い! バカリズムさんは1を10にするというか、日常のなんでもないことをおもしろく見せる天才ですよね。(完成した映画は)役者のみなさんのコミカルなお芝居があり、音楽も入ったので、脚本で読んだ時よりもさらにおもしろかった。最初から最後までダレるところがなく、ずっと笑っていました。めっちゃおもしろかったです!

いろんな世代の方で笑いのツボが変わるとは思いますが、僕は、お祝いのスピーチする人たちの、そこにいたるまでの思いとかがツボでおもしろかったですね。(高橋)克実さん、最高です。思わず、吹き出してしまいました。

僕も何度か披露宴に参加したことがありますけれど、もちろん、現実にはこんなことは起こらず、どちらかというと、もっと堅苦しい印象があったのですが、こんな楽しそうな披露宴があれば、何度でも行きたいですね。

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――篠原さん演じるウェディングプランナーは、女性の憧れの職業のひとつといわれていますが、こういう職業自体はご存知でした? また、ご自身の結婚式もプランナーをつけて完璧にやりたいと思いますか?

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篠原涼子は、自由な参列者のせいで進行が滅茶苦茶になる式をなんとか成立させようとするウェディングプランナーを熱演。

こういう職業があることは知ってましたよ。でも僕に関していえば、そういうモチベーションはあんまりないですね。披露宴は女性のためにあるイベントかな、と思うので……。

――コロナ禍においての撮影ということで気を使ったことはありますか?

撮影自体は普段と変わったことはないのですが、本番直前まではフェイスシールドを着用しているし、動きには制限がありましたね。撮影自体は、感染者が少し減り始めた時期だったのですが、まず「撮影を始めることができた」ということ自体がうれしかったですね。企画自体がなくなってしまったり、延期になってしまう作品もある中で、クランクインにこぎつけられ、無事に撮影を終えたということがうれしかったんです。明日どうなるかわからない、世の中の情勢もどうなるかわからないという状況の中で、みんなで力を合わせて作った作品。それをみなさんに届けられる日が来たのが本当にうれしいんです。

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――ところで音楽だけでなく、俳優としても順調にキャリアを重ねていらっしゃいますが、映画はその中でもどういう位置づけの仕事ですか?

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インタビューには結婚式を思わせるダークスーツ姿で現れた。

映画は、映画館に行ってお金を払って観るわけで、自主的に“観る”もの。そういう意味では、映画が好きな方にちゃんと届く、というところが僕は好きなんです。

俳優をずっと続けているのは、そういう刺激とか緊張を求めているのかもしれないですね。お芝居を始めたばかりの頃の、最初の作品だったと思いますが、セリフを覚えてきたはずなのに、カメラが回り始めた瞬間に頭が真っ白になって、何も出てこなくなったりしたこともありました。でもそういう緊張感って、日常生活では決して味わえないこと。

いまだに、演じることは難しいと感じています。ある意味、自信が持てないというか。毎回、悩みながらやっています。でも、悩んでいいというか、悩むこと自体が必要というか、そういう仕事なんだと思います。正解がないし、点数がつけられない仕事です。僕自身がどう頑張ったかと、周囲の人の評価は別物でもあります。狙いにいったからといって、思い通りにならない。そういう意味でも難しいと思いますが、だからこそ、この仕事にみんな夢中になるんじゃないかとも思います。

――クリストファー・ノーラン監督のファンであることは有名ですが、普段はどんな映画を観るのですか?

ノーランは大好きですよ。脚本も撮影手法も神がかっていますよね。ノーランは自分で脚本も書きますが、自分の頭の中で描いた構想を映像として形にしてしまう、その高い能力は特殊だと思います。

――緻密な脚本や監督が好きなんですね?

好きですね。というか、緻密じゃない監督ってダメじゃないですか(笑)。他には2000年代の始めくらいの韓国映画も脚本が秀逸なものが多くて好きですね。『殺人の追憶』とか『新しき世界』、『映画は映画だ』なども大好きですね。

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――俳優としてのヴィジョンはありますか? ロールモデルにしている俳優は?

年齢とともに演じる役は変わっていくと思いますが、今回の(高橋)克実さんくらいに笑いがとれる俳優になりたいですね。ロールモデルというのは特にいなんですが、マーティン・スコセッシの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオナルド・ディカプリオは最高だし、『アメリカン・サイコ』のクリスチャン・ベールとかはすごいと思います。でも、それほど強い印象を持っている作品って、その俳優にとっての代表作なんですね。そういう作品に出合えることは、自分だけの力だけじゃなくて運もあると思います。この先、そういう作品に出合えたら、俳優として幸せですね。

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『ウェディング・ハイ』
●脚本/バカリズム
●監督/大九明子
●出演/篠原涼子、中村倫也、関水渚、岩田剛典、向井理、高橋克実ほか
●2022年、日本映画
●配給/松竹
●3/12(土)より全国ロードショー
©️2022「ウェディング・ハイ」製作委員会
https://movies.shochiku.co.jp/wedding-high-movie

text: Atsuko Tatsuta, photography: Mirei Sakaki

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