奏でるのは「躍らせる」音楽......フレデリックのリズムはどこからやってくるのか?

インタビュー 2022.06.03

コロナ禍を受け音楽フェスやライブハウスでの公演に制限がかかった2020年からの2年間、活動の方向性を模索するミュージシャンが相次いだ中、逆に加速するかのように音楽を止めない姿勢を貫いたのが4人組バンド、フレデリックだ。6年前のメジャーデビュー曲「オドループ」が一昨年、突如Tiktokのチャートの1位を飾り、昨年はソウルシンガー、和田アキ子に楽曲提供した「YONA YONA DANCE」が大ブレイク。物理的に踊ることが困難な状況下、彼らの新旧のダンスミュージックは国を越えて、そのリズムが求められた。

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フレデリック/神戸にて結成された三原健司(Vo./Gt.)、三原康司(Ba.)の双子の兄弟と、赤頭隆児(Gt.)、高橋武(Dr.)で編成される4人組バンド。ライブならではの楽曲アレンジや多彩な演出でライブバンドとしても定評があり、2018年に神戸ワールド記念ホール、2020年に横浜アリーナ、2021年2月には日本武道館単独公演を開催。どのシーンにも属さない「オンリーワン」の楽曲とそのスタンスに注目が高まっている。

2022年3月には3rdアルバム「#フレデリズム3」を発表。来る6月には自身最大規模のアリーナ公演となる代々木第一体育館ワンマンライブ「FREDERHYTHM ARENA 2022~ミュージックジャンキー~」を控え、その模様はWOWOWプラスにてテレビ初独占生中継されることも決定した。急き立てるような電子音で「もう短命で単調なジャンキーは結構です」とオーディエンスを挑発する新曲「ジャンキー」から銘打ったタイトルを掲げ、彼らのリズムは代々木をどう揺らすのか。この2年、音楽の役割を考え続けたと語る三原健司(Vo./Gt.)、三原康司(Ba.)、赤頭隆児(Gt.)、高橋武(Dr)の4人に話を聞いた。

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ミュージックジャンキーとは「音楽愛」

――6月の「FREDERHYTHM ARENA 2022」にフレデリックは“ミュージックジャンキー”の表題を掲げています。ジャンキーという言葉は悪いニュアンスでとらえられることもありますが、この言葉をチョイスした理由は?

三原康司 ミュージックジャンキーと書いて「音楽愛」と捉える意識で名付けました。音楽っていうものが僕らの心を作ってくれている部分があり、人とのつながりでも救われたなって感じていて。人と人を繋ぎ止めている音楽というものの表現により一層向き合い、根本的な音楽の楽しみをみんなと共有する公演にできたらいいなと。「ジャンキー」という楽曲はこの3年、制作してきたフルアルバム「フレデリズム3」の1曲目ですが、このアルバム自体が音楽愛をちゃんと形にして、どう届けるかということに向き合った内容になっています。

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三原健司/フレデリックのボーカリスト、ギター担当。ベーシストの三原康司とは双子の兄弟。「20代にいろんな経験と失敗をし、自分の守り方、バンドの守り方、音楽シーンの守り方をいろいろ知ったので、30代はその上でずっと攻め続けたい」

――フレデリックは、デビュー当時は寓話性の高い曲が多くオルタナティブバンドと呼ばれたり、フェスに出始めた頃はロックバンドと紹介され、いまでは日本におけるダンスミュージックの急先鋒と紹介されます。自分たちの音楽の形容詞が時代とともに頻繁に変わる状況をどう見ていますか?

三原健司 元々自分たちの中では、音楽って聴くだけじゃなく、身体的にも踊って楽しむもの。さらに言うと、踊った時の気持ちや、初めて音楽を聴いた時の衝動を大切に心までちゃんと踊らせたいよね、みたいな意識が昔からあって、それを貫き通してきただけなんですよね。これまで神戸ワールド記念ホール、横浜アリーナ、日本武道館で、自分たちの音楽愛に対する一曲一曲をどう見せるか演出まで考えて積み重ねてきました。でも、コロナ禍でライブが難しくなった時、自分たちの大事にしているものがより剥き出しになった。だから、よりオーディエンスに直接的に伝わるようになったのかなっていう印象を持っています。

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三原康司/フレデリックの作詞作曲を担当するベーシスト。「コロナ禍では瞬時に答えが求められることが多かったけれど、その際、バンド内で決めたことにメンバーが向き合ってくれて乗り越えられた。30代はそこに対して返していきたい」

三原康司 バンドが成長していくにつれ、自分たちにとって大切にしているものって「踊る」って言葉なのかなっていうことが鮮明になってきて。歌詞にも「踊る」というフレーズがよく出てくるんですけど、それは意識的というより、もともとメンバーが持っていた「踊る」というワード自体に惹かれて、音楽を聴いていたことが大きいですね。

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メトロノームのリズムさえ、踊れる歌へと変える。

――コロナ禍で物理的に躍らせることができなくなったとき、宅録でのEPを発表したり、アコースティックでのオンラインライブをされたり、「心躍らせる」方向へシフトチェンジしたと感じていたのですが、シフトチェンジではなかった?

高橋武 何かを変えたって意識はないです。身体的に踊らせることって、そもそも心を踊らせていないと、そこまで辿り着かないですよね。

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高橋武/フレデリズムの中軸となるリズムを奏でるドラマー。「この先の未来で、バンドメンバーが“このグルーヴを出したい”と求めてきた時に、その瞬間応えられるような準備をいまからして行きたい」

――高橋さんに伺いますが、フレデリックの音楽は日本語の歌詞に関係なく、海外のオーディエンスからの評価が高く、たとえばYouTubeで新曲を出すたび英語のみならずラテン圏の感想がずらりと並ぶのですが、国境を越えるリズムの秘訣って何でしょうか?

高橋武 技術的なことを言えばいくらでもあるんですけど、でもそういう理論よりも、自然と自分たちから出てきて踊れる感じになっている。あと、最近、健司君とラジオに出て、ふたりでルーツとなる音楽や好きな音楽を話す時、健司君からやっぱりファンキーな曲がよく出てくるんですね。健司君自身は自覚していないかもしれませんが、たとえばドラムがなくて、メトロノームだけで健司君が歌ったとしても、メトロノームのリズムですら踊らせることができるボーカリストが健司君だと僕は思っています。

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目でも楽しめるライブの演出

――フレデリックはインディーズ時代、ライブで紙芝居をしていたことは有名なエピソードですが、2017年のイノフェスでクリエイティブ・ディビジョンINTと組んだことからアリーナ公演ではVJの演出が素晴らしくて……。ライブでは視覚的な演出を楽しみにしているオーディエンスも多いと聞いています。

三原健司 映像演出はフレデリックが大事にしている部分で、また進化した形でお届けができると思います。フレデリックというバンドは自分たちの発信だけじゃなく、いろんな人の手が入って、いろんな人の解釈したフレデリックの世界観が入りこむことで、広がっているんですよね。去年、2014年に発表したメジャーデビュー曲の「オドループ」がTikTokでチャートインしたのも、誰かが踊ってくれて、表現してくれたから。僕らの音楽って、本当に人と人のおかげで繋がっていってるバンドだと思うんです。そういう意味で、音楽をより進化させてくれる存在として映像は大事にしていて、代々木では「フレデリズム3」の曲がたくさん入る予定です。耳だけじゃなく、眼でも楽しんでもらえると思います。

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――私がフレデリックのライブでいつも感じるのは「自由」や「解放」という言葉なんですが、特に赤頭さんの奔放な動きがフレデリックの自由の象徴だと感じることが多いのですが。

赤頭隆児 よくライブの映像や写真がSNSで上がりますけど、人がいっぱいいて、みんなで手を挙げていて、あれを見ると、ライブに行ったことがない人からすると、「あれってしないといけないのかな」って不安に思うかもしれないと思うんです。僕自身もそうで、どちらかというと会場の隅っこでひっそりと楽しむタイプなんですけど、僕らのライブでは、後ろのエリアでテンション低そうに見えているかもしれない人に向けても演奏しているし、楽しめる構成になっています。だから、それこそ自由に楽しんでいただけたらと思います。

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赤頭隆児/ギター担当。「個人的には渋く、かっこよくなりたいですけど……(笑)。もちろんそれは目標ですけど、みんなで楽しめる音楽を作っていきたいなと思います」

WOWOWプラス 「FREDERHYTHM ARENA 2022」生中継記念!フレデリック特集
生中継!フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2022 ~ミュージックジャンキー~」
6月26日(日)19:30~
『生中継!フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2022 ~ミュージックジャンキー~」』ほか4人組ロックバンド「フレデリック」を大特集。彼らの自身最大規模となる代々木第一体育館ワンマンライブを6/29(水)19:00~テレビ初独占生中継!その記念に、2018年に開催された神戸での凱旋公演、2020年に開催された横浜アリーナでのワンマン公演の模様を一挙放送。
①生中継!フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2022 ~ミュージックジャンキー~」
6月29日(水)19:00~
②フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2018 ~KOKYOのTOGENKYO~」
6月26日(日)19:30~
③フレデリック「FREDERHYTHM ARENA 2020 ~終わらないMUSIC~」
2022年6月26日(日)21:25~

https://www.wowowplus.jp/feature/frederick-special/
3rd Full Album『フレデリズム3』好評発売中!
初回限定盤:CD+DVD/¥4,800
通常盤:CD/¥3,333
https://a-sketch-inc.lnk.to/frederic_Frederhythm3

text: Yuka Kimbara photography: Mirei Sakaki

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