クリエイターの言葉 クロムハーツ共同創始者の娘、音楽で才能を開花!?

インタビュー 2024.07.31

音楽で才能を開花、クロムハーツの遺伝子。

ジェシー・ジョー・スターク/ミュージシャン、デザイナー

クロムハーツ共同創始者の娘として生まれたジェシー・ジョー・スターク。名付け親は、1960年代より数多くのヒット曲を放つシンガーで女優のシェール。さらに、元セックス・ピストルズのスティーヴ・ジョーンズのプロデュースでデビューEPを発表するなど、恵まれた環境を駆使しながら、音楽やファッションの分野で才能を発揮する。誰に対しても、笑顔で謙虚に接する姿が印象的だ。

「振り返ると、とても素晴らしい人々とこれまで出会ってきたと思います。幼い頃は、そのすごさに気付かず、ただの年上の友人という感覚で接していましたけどね(笑)。みんな、自分らしくいることを大切にしている人でした。特にシェールは、自分らしさを追求するためには、誰にどんなコミュニケーションをとればいいのか教えてくれました」

そんな彼女にとって、音楽活動は人生に欠かせない存在だ。

「ファッションに関しては、自分の家業を引き継いでいるという感覚が強い。でも音楽は、自分らしくいるために必要なツールです」

完成した初のアルバムは、自身の現在をありのままに表現した。

「いまの自分を通して、日常の出来事から過去や未来の風景を創造した作品になっています。ロックからディスコまで、さまざまな音楽要素といろんな感情を収めることができました」

多彩なサウンド構成にしたのは、自分をひとつの側面だけで判断されたくないという強い思いから。

「人間は、誰もがいろんな表情を内包している。でも周囲は、わかりやすい一部分だけを切り取って判断してしまうことが多い。だからアルバム全体でも、ひとつひとつの楽曲においても、さまざまな感情を含むことで、人それぞれが持つ多面的な魅力に気付いてもらえるような作品にしたいと思いました」

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父親のリチャード・スターク(クロムハーツ)やスティーヴ・ジョーンズ(セックス・ピストルズ)が出演する、ミュージックビデオが話題を呼んだ「so bad」などを収録した全11曲。天使と悪魔を連想させる、ふたりのジェシーが登場するアルバムジャケット同様、ホラー映画のようなダークでスリリングな部分とポップでキュートな雰囲気が融合されたサウンド構成。人生の光と影、そして壮大な愛を表現している。●『DOOMED』13ドル(編集部調べ、9/21発売)

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枠にとらわれない自由さで、これから音楽もファッションも自分らしく追求したいと語る。

「私は常にクリエイティブでいるために、子どもの頃の感情を忘れないようにしています。あの頃は、とても素晴らしい才能に刺激を受けていて、それは私にとって大きなことでした。また、純粋に自分の好きなことに没頭できた時期。そんな純粋さを保つために、ひとりでいる時間を大切にしたい。自分自身に集中できる環境で、思いもよらなかったアイデアが浮かぶことも多いんです」

素晴らしい才能から刺激を受けてきたジェシー。音楽やファッションを問わず、多彩な分野で才能を発揮する可能性を秘めている。

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 JESSE JO STARK/ジェシー・ジョー・スターク
ロサンゼルス生まれ。7歳の頃から楽曲制作を開始、2017年に初のソロEPをリリース。音楽活動のほかに、クロムハーツのクリエイティブディレクターを務め、ポスト・マローンなどのグッズデザインも担当している。

*「フィガロジャポン」2022年11月号より抜粋

photography: Daehyun Im text: Takahisa Matsunaga

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