演技は「自己探求に近い」。俳優ロウンが語った、29歳の自分のこと。

インタビュー 2025.12.12

ロウン/俳優

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Rowoon/ロウン
1996年、韓国・ソウル特別市生まれ。2016年「SF9」のメンバーとしてデビュー。18年のドラマ「アバウトタイム〜止めたい時間〜」などの出演を経て、「偶然見つけたハル」(19年)で主演デビュー。MBC演技大賞で新人賞を受賞。ドラマ「恋慕」(21年)が大ヒット、「婚礼大捷」(23年)でKBS演技大賞最優秀男優賞を受賞した。

自分を信じ、自らを試す。俳優として自立することを楽しんでいる。

TVシリーズ「恋慕」などのヒット作で人気の韓国の実力派俳優ロウンが、日本の映画に初挑戦した。作品は、主演の福山雅治と大泉洋がバディを組みヒットした刑事ドラマの続編『映画ラストマン-FIRST LOVE-』だ。

「当初は心配でした。異なる文化や環境の中、新しい言葉を使う役を果たしてやりきれるのだろうか、と。でも結果的には挑戦してよかった。自分の中で、また新たな可能性が開けたと思っています」

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全盲のFBI特別捜査官、皆実広見役を演じる福山と孤高の刑事、護道心太朗役を演じる大泉のウィットに富んだ掛け合いが話題となったドラマだが、映画版で皆実をライバル視するFBI特別捜査官、クライド・ユンという新キャラクターを演じるのがロウンだ。

「移動中の機内で観たことがあり、おもしろいと思っていたドラマでした。映画出演のオファーをいただいて全話見直しましたが、さまざまな要素がギュッと凝縮されていて、テンポよく展開していくストーリーにあらためて魅了されました。映画版では、また別の魅力を伝えたいと思います。クライド・ユンは、積極的に行動する野心家で意識の高い人物。自分とは異なる部分もあるキャラクターで英語と日本語を使った台詞だったこともあり、簡単ではありませんでしたが、ありがたいことに福山さんや大泉さんが積極的に話しかけてくれ、緊張感を和らげてくださったので、楽しく撮影ができました」

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舞台となる北海道でのロケでは、共演者たちと土地の名産を楽しんだ。「ウニやカニ丼など、シーフードをたくさん食べました。共演した永瀬廉さんにお寿司屋さんに連れていっていただいたのですが、驚くほどおいしかったです。豚丼も記憶に残っていて。北海道は豚肉も有名と初めて知ったのですが、3杯くらい食べました(笑)。普段はそんなにたくさん食べるほうではないのですが、ロケ中は本当によく食べていましたね」

アイドルとしても人気を誇ったが、兵役を前に俳優業に本格的に舵を切った。「グループでの活動とは違い、俳優はひとりで活動するのが基本です。自分を信じ、時には自らを試す。それ自体が僕にとっては楽しいことなんです。もちろん、深く考え、主張することははっきり主張する。自分の言動に責任を持つことを以前にも増して認識するようになりました。より自分に厳しくなったと思います」

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演技は「自己探求に近い」。自分をさらに磨いて、パク・チャヌク監督の作品に出るのが夢だという。人間としてさまざまな経験を積める兵役後の活動にもおおいに期待したい。
(*「フィガロジャポン」2026年1月号より抜粋)

【ロウンを深掘りする3つの質問】

Q.ご自分はどんな性格だと思いますか?

ロウン:まず、僕は仕事が大好き。人が好き。そして自分自身のことも好きなんです。ただ、こう思えているのは、周りにいてくれる方々のおかげ。人というのはひとりでは存在し得ないので、いまの自分でいさせてくれるのは、周りにいる人たちあってこそだと思うんです。

Q.気分が落ち込んだ時、どのように解消しますか?

ロウン:僕は、「なぜそうなったのか?」と、原因を追求していくようにしています。常にクエスチョンで考えて、「なぜ自分はいまこういう気持ちになっているのか?」、「何がきっかけだったのか?」と、自分に正直になって「なぜ」を追求していく。その答えを探っていくと、必ず理由に辿り着くはず。それがわかれば、その理由を無くしたり、原因自体を解決するために動いていけるんです。

Q. 2025年で雑誌フィガロジャポンは35周年迎えました。ロウンさんは、35歳になった時にどんな人でいたいですか?

ロウン:いまよりさらに格好よくなっていると思います(笑)! そして、また何かにチャレンジしていると思います。魂だけは常に思春期で、いたずらっ子のまま。自分でも楽しみにしています。

『映画ラストマン-FIRST LOVE-』
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難事件を解決する切り札"ラストマン"の異名を持つ全盲のFBI捜査官、皆実そして刑事の護道。無敵のバディが挑むのは北の大地で起こった大事件。カギを握るのは、皆実の初恋の人だった。●『映画ラストマン-FIRST LOVE-』は12月24日から丸の内ピカデリーほか全国で公開。

©2025映画「ラストマン」製作委員会

 

photography: Takanori Okuwaki styling: Lee Mingyu(Fire Studio) hair: Park Mi Hyoung(glosss) makeup: Jung Bo Young(glosss) text: Atsuko Tatsuta

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