NYアポロ・シアターのヒップホップエンターテインメントコンテストで9大会連続優勝、昨年のマドンナのワールドツアー『Sticky & Sweet Tour』に正式メンバーとして参加――その独創的なダンス表現を世界が認め、『ニューズウィーク日本版』が選出する「世界が尊敬する100人の日本人」にも選ばれたダンサー、上野隆博(TAKAHIRO)さん。彼がこの夏、東京で凱旋公演を行う。
公演タイトルは『SIX DOORS』。TAKAHIROさん率いる5人のダンサーたちが、NYの"いま"を感じさせる、まったく新しいダンスパフォーマンスを繰り広げるという。待望の日本公演を控えたTAKAHIROさんに、作品に込めた思いを聞いた。さらに、madamefigaro.jp読者のために、今回の公演のイメージで披露してくれたダンスを、本番に先駆けて独占公開!
――この公演を企画したいきさつは?
「今年は、ダンスを始めて10年、NYに住んで5年という節目の年。これまでダンサーとしていろいろな立ち位置を経験してきたから、今年は自己発信の年にしようと思ったんです。自分がいままで見てきた世界を、自分自身で演出・プロデュースする。春にはアメリカで、今回も共演するダンサー、蛯名健一さんと『Super Duper!』を上演しました。そして今度は、日本の人にも観てもらいたい。僕のなかのテーマは、「世界に日本を、日本に世界を」。だから日本でやるときは、NYの"いま"を見せたい。NYらしいダンスといえば、僕のやっているストリート的なものだけではなくて、バレエやコンテンポラリーもある。NYのダンス機関、PERIダンスセンターの芸術監督、Igal Perryさんとコラボレートして、一緒に作品をつくっています」
――『SIX DOORS』というタイトルの由来は?
「舞台で実際にドアを使おうと思ったんです。そしてひとつだけ開かずの扉をつくろうと思った(笑)。その向こうには何があるんだろう?と見る人の想像力をかきたてられるように。開かずの扉は象徴であって、作品自体をそういうドキドキ感が味わえるものにしたい。観てもらい、思ってもらう――そんなお客さんとの会話ができるような。こちらが表現するだけではなくて、お互いに考えあう、そんなふうに楽しめる舞台にしたいと思い、『SIX DOORS』にしました。第6感のようなニュアンスもありますね」
――公演について、可能な範囲で教えてください。
「ヒップホップでもバレエでもない、ダンス・エンターテインメント。ジャンルの垣根をすべて取り払い、身体で何が表現できるか、どう楽しめるかを追究しています。ダンサーはすべてオーディションで選びました。バレエからコンテンポラリーまで、みんなアメリカでプロとして活動している。そんなダンサーたちと、NYらしいエンターテインメント的な、びっくり箱のような公演をつくりたい。いま僕がNYで踊っているヒップホップやストリートダンスもあるし、例えば坂本九さんの曲でクラシックを踊ってみたり(笑)、スタジオジブリの曲で踊ったり、みんなが知っている民謡をめちゃめちゃ難しいステップでやってみたり、実験室のような感じ(笑)。アーティスティックな部分と、僕たちが共感できる"if=もしかしたら"。もし、これをプロのダンサーがこの曲で踊ったらどうなるんだろう?――それを現実にして見せたいと思っています」
――ダンスのインスピレーションを得るのはどんなとき?
「日常生活のなかで何を見て、聞いて、考えるかがダンスに表れてくると思う。神が降りてきて、無我の境地になったらまた違うけれど(笑)。基本的には、自分の想像できる範囲のものを具現化させていく。だから、何を想像できるかがポイントなんです。ダンスのテクニックを学んだり、鍛えることは、手紙に例えると、文字を上手に書いたりうまい言い回しを覚えることだと思う。でも手紙で大事なのが、どんなにきれいな文字を書くかより、何を言うかであるのと同じように、ダンスで大事なのはテクニックではなく、自分自身の内面的な部分から出てくる何かを伝えること。それが何から生まれるかというと、普段見ている景色とか、空の色、食べ物の匂い、友達とけんかした悲しい気分――そういうものが全部合わさって、ぐちゃぐちゃに混ざって、ぽたっと1滴、濃縮されて落ちてくるものが振付になる。それにテクニックが混ざることで、ダンスになる。それを観てくれるお客さんに伝えたい。特別なことをしなくても、日常のなかに知らないことがいっぱいある。小さい頃には誰でもそうしていたように、何でこうなってるの? どうして?っていまでも問い続けるように心がけています」
――madamefigaro.jp読者へメッセージをお願いします。
「インタビューを読んでくださってありがとうございます。この公演は、自分自身の最高傑作であり、日本でも、世界的にも、いままでになかったような公演になると思います。ダンスを知らない方にも楽しんでもらえて、"ダンスってこういうもの"と思っていたイメージが、少し変わると思います。楽しくて、びっくりすることもいっぱいお見せしますので、ぜひ観にいらしてください。劇場でお待ちしています!」
劇場版アニメーション作品『ブリーチ』の挿入曲に合わせて、目の前でダンスを披露してくれたTAKAHIROさんは、空間を切り裂くような鋭さと、まるで重力がなくなったような錯覚を覚える軽やかさが同居して、観る者を惹きつける。そしてインタビューでは、身体表現と同じくらい、言葉が豊かにあふれてくる。
そんな彼は、8月に初のフォトエッセイも出版する。ダンスを始めてからいまにいたる約10年を綴り、自身がワールドツアー先やNYで撮影した写真も多数掲載。「ダンサーの目線で世界を見る楽しさを感じてもらえたら。そして、これから夢をもってダンスを始めるひとたちにも読んでほしい」。この夏、TAKAHIROさんの多彩な魅力に出会える。
公演タイトルは『SIX DOORS』。TAKAHIROさん率いる5人のダンサーたちが、NYの"いま"を感じさせる、まったく新しいダンスパフォーマンスを繰り広げるという。待望の日本公演を控えたTAKAHIROさんに、作品に込めた思いを聞いた。さらに、madamefigaro.jp読者のために、今回の公演のイメージで披露してくれたダンスを、本番に先駆けて独占公開!
――この公演を企画したいきさつは?
「今年は、ダンスを始めて10年、NYに住んで5年という節目の年。これまでダンサーとしていろいろな立ち位置を経験してきたから、今年は自己発信の年にしようと思ったんです。自分がいままで見てきた世界を、自分自身で演出・プロデュースする。春にはアメリカで、今回も共演するダンサー、蛯名健一さんと『Super Duper!』を上演しました。そして今度は、日本の人にも観てもらいたい。僕のなかのテーマは、「世界に日本を、日本に世界を」。だから日本でやるときは、NYの"いま"を見せたい。NYらしいダンスといえば、僕のやっているストリート的なものだけではなくて、バレエやコンテンポラリーもある。NYのダンス機関、PERIダンスセンターの芸術監督、Igal Perryさんとコラボレートして、一緒に作品をつくっています」
――『SIX DOORS』というタイトルの由来は?
「舞台で実際にドアを使おうと思ったんです。そしてひとつだけ開かずの扉をつくろうと思った(笑)。その向こうには何があるんだろう?と見る人の想像力をかきたてられるように。開かずの扉は象徴であって、作品自体をそういうドキドキ感が味わえるものにしたい。観てもらい、思ってもらう――そんなお客さんとの会話ができるような。こちらが表現するだけではなくて、お互いに考えあう、そんなふうに楽しめる舞台にしたいと思い、『SIX DOORS』にしました。第6感のようなニュアンスもありますね」
――公演について、可能な範囲で教えてください。
「ヒップホップでもバレエでもない、ダンス・エンターテインメント。ジャンルの垣根をすべて取り払い、身体で何が表現できるか、どう楽しめるかを追究しています。ダンサーはすべてオーディションで選びました。バレエからコンテンポラリーまで、みんなアメリカでプロとして活動している。そんなダンサーたちと、NYらしいエンターテインメント的な、びっくり箱のような公演をつくりたい。いま僕がNYで踊っているヒップホップやストリートダンスもあるし、例えば坂本九さんの曲でクラシックを踊ってみたり(笑)、スタジオジブリの曲で踊ったり、みんなが知っている民謡をめちゃめちゃ難しいステップでやってみたり、実験室のような感じ(笑)。アーティスティックな部分と、僕たちが共感できる"if=もしかしたら"。もし、これをプロのダンサーがこの曲で踊ったらどうなるんだろう?――それを現実にして見せたいと思っています」
――ダンスのインスピレーションを得るのはどんなとき?
「日常生活のなかで何を見て、聞いて、考えるかがダンスに表れてくると思う。神が降りてきて、無我の境地になったらまた違うけれど(笑)。基本的には、自分の想像できる範囲のものを具現化させていく。だから、何を想像できるかがポイントなんです。ダンスのテクニックを学んだり、鍛えることは、手紙に例えると、文字を上手に書いたりうまい言い回しを覚えることだと思う。でも手紙で大事なのが、どんなにきれいな文字を書くかより、何を言うかであるのと同じように、ダンスで大事なのはテクニックではなく、自分自身の内面的な部分から出てくる何かを伝えること。それが何から生まれるかというと、普段見ている景色とか、空の色、食べ物の匂い、友達とけんかした悲しい気分――そういうものが全部合わさって、ぐちゃぐちゃに混ざって、ぽたっと1滴、濃縮されて落ちてくるものが振付になる。それにテクニックが混ざることで、ダンスになる。それを観てくれるお客さんに伝えたい。特別なことをしなくても、日常のなかに知らないことがいっぱいある。小さい頃には誰でもそうしていたように、何でこうなってるの? どうして?っていまでも問い続けるように心がけています」
――madamefigaro.jp読者へメッセージをお願いします。
「インタビューを読んでくださってありがとうございます。この公演は、自分自身の最高傑作であり、日本でも、世界的にも、いままでになかったような公演になると思います。ダンスを知らない方にも楽しんでもらえて、"ダンスってこういうもの"と思っていたイメージが、少し変わると思います。楽しくて、びっくりすることもいっぱいお見せしますので、ぜひ観にいらしてください。劇場でお待ちしています!」
劇場版アニメーション作品『ブリーチ』の挿入曲に合わせて、目の前でダンスを披露してくれたTAKAHIROさんは、空間を切り裂くような鋭さと、まるで重力がなくなったような錯覚を覚える軽やかさが同居して、観る者を惹きつける。そしてインタビューでは、身体表現と同じくらい、言葉が豊かにあふれてくる。
そんな彼は、8月に初のフォトエッセイも出版する。ダンスを始めてからいまにいたる約10年を綴り、自身がワールドツアー先やNYで撮影した写真も多数掲載。「ダンサーの目線で世界を見る楽しさを感じてもらえたら。そして、これから夢をもってダンスを始めるひとたちにも読んでほしい」。この夏、TAKAHIROさんの多彩な魅力に出会える。
『SIX DOORS』
●8/14、15
●赤坂BLITZ(東京・赤坂)
●全席指定¥5,800
問い合わせ先:ザックコーポレーション Tel 03-5474-9999
http://ameblo.jp/takahiroueno
『TAKAHIRO DANCE in the world』
上野隆博著
ダイヤモンド社刊
¥1,890
●8/14、15
●赤坂BLITZ(東京・赤坂)
●全席指定¥5,800
問い合わせ先:ザックコーポレーション Tel 03-5474-9999
http://ameblo.jp/takahiroueno
『TAKAHIRO DANCE in the world』
上野隆博著
ダイヤモンド社刊
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