美しい投資術 Vol.10 新興国にも目を向けて、 外国株は長期保有が私のセオリー。

フィガロジャポン2021年7月号から連載「美しい投資術」をスタートした、個人投資家/資産運用アドバイザーの廣田里那さん。今回は海外のETF(上場投資信託)や株について話を聞きました。

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photo: iStock

これまで投資信託や株についてお話ししてきましたが、私は海外のETF(上場投資信託)や株にも投資しています。

「日本で海外のETFや株をどうやって購入できるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はすごく簡単。私は銀行の預金から楽天証券の口座にお金を移して、円貨決済で購入しています。ちなみに楽天証券なら楽天銀行と、SBI証券なら住信SBIネット銀行と連携すれば、お金を移動させずに購入できますよ。

外国株は円で購入すると手数料が割安です。証券口座の中で外貨に替えてから購入することも可能で、円高の時に外貨を購入して円安の時に売却すれば為替の差による利益を狙うこともできます。ただ私の場合、為替の差はあまり気にせず、手数料を重視しています。というのも、日本株は信用取引で短期売買するのに対して、海外のETFや株は長期保有するつもりでいるからなんです。

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外国株は米国企業を中心に購入。アップルやアマゾンなど、いま勢いのある企業から、航空機メーカーのボーイングのような手堅い企業まで幅広く投資しています。全世界の株式時価総額の上位を米国企業が占めていて、イノベーションを起こしているのもほとんど米国企業。インフレの懸念はありますが、人口も多くて国民の消費額も大きいから規模感が圧倒的に違う。これからも成長する、と期待をしています。

とはいえ、投資先が先進国に偏らないよう、成長率が高そうな新興国の銘柄の割合を増やしていきたいと思っていて、最近ではインドとベトナムのETFを購入しました。種類が少なく手数料も高いのですが、お買い得なものも。新興国は米国に比べて分析しづらいので、個別株よりETFのほうが購入しやすいように思います。

JPモルガンの超長期市場予測のレポートによると、今後10年から15年の期待リターンは米国よりも新興国のほうが高い。個人的に注目しているのは、GDP予測成長率平均が日本の約7倍以上のフィリピンなど。時間をかけて吟味してみます。

ETFと投資信託の違い。
ETFは投資信託と同様、複数の投資家から集めた資金をもとに専門家が銘柄を選び運用する投資商品だが、大きな違いは、証券取引所に上場していること。証券取引所で売買されるため、投資家は証券会社を通じて株と同じように買付や売却の注文を出すことになる。信用取引も可能だ。ETFのタイプは株価指数連動のインデックス、株価指数を上回る運用を目指すアクティブの2種で、投資信託と同じ。一般的に投資信託よりもETFのほうが購入時や保有期間中の手数料が比較的安い。

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*「フィガロジャポン」2022年4月号より抜粋

text: Yoko Sueyoshi

個人投資家/資産運用アドバイザー。1990年、パリ生まれ。現地高校卒業後、お茶の水女子大学に進学し、東京に移住。日系商社に勤めた後、通訳、金融会社を経て、個人投資家に。

instagram:@lina_saint.germain

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