鎌倉在住フランス人、ジェラルディンさんが選ぶ鎌倉のおいしいパン6選。
鎌倉ウイークエンダー 2022.06.21
長谷川真弓
フランス・パリ出身で、現在は鎌倉にお住まいの増井ジェラルディンさん。パンが大好きで、ほとんどご飯は炊かないというくらい、パンがいつも日常にあるのだそう。そんな彼女が普段パンを買いに行く、とっておきのお店を教えてくれた。
増井ジェラルディンさんのある朝の風景。(本人撮影)Instagram:@geraldineisaiamasui
鎌倉のご自宅にて。お茶会中に、お気に入りのお店をリストアップしてもらった。
まずは、ジェラルディンさんのパンへのこだわりについて聞いてみた。
1:買うパンによってお店を分ける。
「自分の好きな味に出合えるまで、とことん色んなお店をまわって試します。基本的には、毎朝手作りで焼く小さなブーランジェリーが好き。でも、パンの専門店だけではなく、パティスリーの隅っこに置いてあるようなパンもチェックしています。そうして見つけたお気に入りのパンを、このお店ではこれ、あのお店ではあれと、それぞれ指名買いしています」
2:バゲットはその日に食べる。
「できたら買ってすぐのタイミングで食べたい。でもそれができないときはカットして冷凍します。美味しいバゲットなら冷凍しても全然大丈夫!」
3:ヴィエノワズリーは余熱で温める。
「クロワッサンなどのヴィエノワズリーは必ず温めてから食べます。オーブントースターを3分ほど余熱し、温めた庫内にクロワッサンやパン・オ・ショコラを入れて2分ほど待つとちょうど良い。ここで焼かないのがポイント! 焼いてしまうと水分が飛んでおいしくなくなるし、すぐに焦げてしまうので」
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バゲットならここ! と決めている。
#01. ラフォレ・エ・ラターブルのバゲット
バゲット¥340/ラフォレ・エ・ラターブル
店名はフランス語で森とテーブルという意味。ウッディな外観のこぢんまりした店内には、ハード系のパンを中心に約20種類ほどが並ぶ。
ジェラルディンさんのいち押しはなんといってもバゲット。「外はカリッとしていて、中も空気が入りすぎていない、そのバランスが最高!」。バゲットのフォルムはシャープで、先端のとがった部分は端っこ好きのフランス人に好まれるカリカリの食感。
このお店のパンはすべて自家製酵母を使って発酵させ、焼き上げられている。そのため、どのパンも旨味が広がり、味わい豊か。また、この自家製酵母はドロッとした液体の状態で管理されているのが特徴。パサパサとしたバゲットはOUTと言うジェラルディンさん。バゲットのもっちりしっとりとした仕上がりの秘密も、この液体の自家製酵母にあるのだそう。
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#02. ラフォレ・エ・ラターブルのカンパーニュ
カンパーニュ¥1480(1/4¥370、1/2¥740)/ラフォレ・エ・ラターブル
小麦粉をベースにライ麦も配合されているため、香りが一段と豊かなカンパーニュ。
かみごたえもよく、かむほどに味わいが広がる。
「ここのカンパーニュも大好きで、よくお昼や夜ご飯用に買っています。外は硬くて中がもちもちしていて、美味しさが違う! 本場の味! 子どもの頃から食べているものだから言葉で説明するのが難しいのだけれど、とにかく美味しい。オーナー夫婦もとても優しいので大好きなお店です。ただ人気の商品はすぐに売り切れてしまうので早めに行くのがおすすめ」。
ウィリアムモリスの美しい壁紙の前に並ぶパン。どれもシンプルながら味わい深い。
神奈川県鎌倉市由比ヶ浜1-3-16
tel:0467-24-5422
営)10:00〜(売り切れ次第閉店)
休)月、火
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日本で出合った、食べ飽きない大好きな味。
#03. レガレヴのパン・ド・ミ レガレヴ
パン・ド・ミ レガレヴ¥550/レガレヴ
パリでシェフパティシエとして26年活躍した佐藤亮太郎氏が開いたお店。フランスの本格的なアシェット・デセール(お皿に盛りつけたデザート)を楽しめるサロンドテだが、ショーケースに並ぶパンを目当てに店を訪れる人も多い。
パリではいま、やわらかい食パンの人気が高まっており、今のパリのパン文化を表現するものとして、パン・ド・ミには力を入れているそう。
「鎌倉で一番美味しいパン・ド・ミ! 日本の高級食パンは甘すぎることも多くて……。でもレガレヴのパン・ド・ミはそのさじ加減がちょうど良い。シンプルなパンだからこそ、美味しさに違いがでます」と、ジェラルディンさん。
国産小麦を使用し、湯だねを使って作る、もっちりとした弾力のある生地がたまらないパン・ド・ミ。発酵バターミルクや生クリームが入っており、そのまま食べても風味豊か。
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#04. レガレヴのムッシュ・クロワッサン
ムッシュ・クロワッサン¥600/レガレヴ
モンテギューのAOP発酵バターをふんだんに使ったクロワッサンに、ベーコンとグリュエールチーズのほどよい塩気が見事に調和。
「フレンチっぽい惣菜パンで、食べ応えも抜群! タイムの香りが良いアクセントになっています」
tel:0467-81-3719
営)8:30〜18:30L.O.
休)不定休
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午後のコーヒーのお供にぴったり
#05. ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラのパンオショコラ
パン・オ・ショコラ¥450/ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ
和の素材を使ったマカロンなど、和洋折衷をテーマにした人気のパティスリー。ジェラルディンさんは、カラフルなスイーツが並んだショーケースの端に、わずか3〜4種類のパンが置いてあるのを見つけ、買ってみてその美味しさにびっくりしたと言う。
それがこのパン・オ・ショコラ。フランス産クーベルチュールで作られたバトンショコラをフランス産AOPバターで包み込み焼き上げた、リッチな味わい。ビターチョコレートも、苦すぎずクロワッサンの生地との相性を考えてつくられたほどよい甘さがたまらない。
「生地がとても繊細! 中のチョコレートもとっても美味しくて、うちの子たちも大好きな味。パティスリーだけどいつもパン目当てで通っています」
彼女のように、パンだけさっと買いに来るという地元のお客さんも多いそう。
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#06. ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラのクロワッサン
クロワッサン¥400/ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ
「とてもシンプルで繊細な味! このクロワッサンにコーヒーを合わせて、本を読みながらダラダラする朝の時間が大好き。家事を始める前の1時間がとても幸せな気分になります」。
フランス産AOPバターをたっぷり使った、香り豊かなクロワッサン。噛むほどに生地の香ばしさとバターの甘さを感じる逸品。毎朝店内の工房で焼き上げるクロワッサンの香りに、スタッフの方も幸せな気分になるのだそう。
ネイビーの壁のクラシカルな外観。店内のイートインスペースは和の趣きもあり、まさに和洋折衷といった雰囲気。
神奈川県鎌倉市小町2-12-25
tel:0467-53-9692
営)10:00〜18:00
休)不定休
text&photo: Mayumi Hasegawa
長谷川真弓
エディター兼ライター。鎌倉在住、3児の母。大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスとして雑誌やwebなどで活動中。