移住してわかった、鎌倉暮らしの魅力。
鎌倉ウイークエンダー 2022.12.27
長谷川真弓
ここ数年、コロナ禍の影響もあり、首都圏近郊から鎌倉を含む湘南エリアに移住する人や移住を検討する人が急増しているそう。2022年に鎌倉に引っ越したというインスタグラマーmidoriさんに、実際に移住してみてわかった魅力やデメリットについて聞いてみた。
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移住を考えたきっかけはリモートワーク
midoriさん。インスタグラム でインテリアなど暮らしまわりやファッションについて発信している。
移住前は横浜のマンションに、ご主人と小学生お子さん2人の家族4人で暮らしていたというmidoriさん。もともと夫婦共に海が好きで、いつか海のそばで暮らしたいという夢があったそう。それが漠然とした夢ではなくなったのは、ご主人のリモートワークがきっかけ。
「3LDKのマンション住まいでしたが、コロナ渦で夫のリモートワークが始まって。専用の仕事部屋はなかったので、子供たちの寝室にデスクを置いて仕事をしているような状況でした」
ある日の夜、リビングでうとうとしていたmidoriさん。ふと目が覚めると、ご主人が海外とのリモート会議を洗面所でしていたのだそう。
「子供も寝室で寝ていて、リビングも私が使っていて。洗濯機の上にパソコンを置いて会議をしているのを見た時に、これはもうダメだ! 引っ越さなきゃと思いました」
最初は藤沢や茅ヶ崎が気になり見てまわっていたものの、なかなかピンとくる物件と出合わない。グーグルマップで何気なく湘南エリアをみていると、鎌倉や逗子の方が山があり、緑が多いことに気づいたのだとか。そこで、相談に乗ってもらっていた横浜のハウスメーカーさん経由で不動産屋に鎌倉の土地をいくつか紹介してもらい、ここだ!と思えるところと出合えたのだそう。
「はじめはリノベーション物件も見ていましたがなかなかご縁がなくて。それで土地を探して家を建てる方向にシフトしたのですが、実際に動いてから決めるまでに半年くらいかかりました」
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少しの不便を楽しむ暮らし
新居のリビング
会社へ出勤するのは月数回程度のご主人と、インスタグラムやPRの仕事をするmidoriさんにとっては、アクセスの悪さはさほど気にならなかったそう。
「電車で1時間もあれば都内の色んなところへ行けるので便利です。電車では不便はあまり感じないですね。ただ、毎日通勤していないので言えることかもしれませんが。車での移動はちょっと不便で、遠出して鎌倉に帰ってきたときに道が混んでいてやっぱり大変だなと思いました。交通の便がいいところから引っ越すと、それを感じると思います」
実際に住んでみると、想像していたよりもすごく暮らしやすかったというmidoriさん。
「『塩害がある』『湿気がすごい』『道路が混む』など、噂ではいろいろと聞いて心配していましたけど、どれもそんなに気にならないレベル。海沿いのだと事情が違うと思いますが、うちは海まで歩いて20分くらいのエリアなので、塩害も感じません。以前のマンションが公園の中にあるような緑がたくさんあるところだったので、そこと比べて特に湿気がひどいということもなく。道が混むのはエリアによりますね。私が住んでいるエリアは駅までの道も混まないのでささっと行けます。ただ、道自体は狭いですね。子供の通学路もちょっと危ないなと。でも、信号のない横断歩道を渡ろうとすると止まってくれる車も多い気がして、狭い道が多いからこそ譲り合いの気持ちがあるのかなと感じています」
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古い街並みが落ち着く
Yチェアとリネンのカーテンが調和した、居心地のよい空間。
古都鎌倉は神社仏閣が点在し、歴史的建造物や古い商店なども残る街。実際に住んでみて、その魅力を実感したそう。
「個人的に古い街並み、個人商店がある景色が好きなんですよね。落ち着きます。前住んでいたところは新しい街だったので若い人も多くて、お店もたくさんあって便利だったのですが、便利すぎる生活に少し疲れていたこともあって。そうじゃない暮らし、不便だけど豊かな暮らしが鎌倉だとできる。ずっと変わらないものがあるって安心できるし、それが魅力だと思います」
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一点ものを大事にする暮らし
うつわ祥見KAMAKURAで購入した器やお皿。
雑貨好きのmidoriさん。鎌倉で雑貨屋を開拓する日々を送っている。お気に入りは西口の『INCENSE deuxieme2』というヨーロッパのアンティークを扱うセレクトショップ。
「オーナーさんがバイヤーとしてフランスなどに買い付けに行っているんですけど、そのセンスがすごく好き。小町通りを入ったすぐのところにある、『うつわ祥見KAMAKURA』も大好き! 入ったらすぐ買っちゃうので大変です。こういうお店で買う作家さんの器やアンティークの雑貨は一点ものなんですよね。少しずつ集めていって、一つ一つ大切にしたいと思っています。移住後に変わったことと言えばそれかな。思いがこもったものを持ちたいという気持ちが強くなりましたね」
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海へのお散歩が癒しの時間
家族4人で海へお散歩。
「海へは家族皆でお散歩に行ったり、夫と子供たちは自転車でサーフィンに行ったりしています。私は潜るのが好きなので、鎌倉から近い葉山の海へ行って、シュノーケリングしたり」
土日はお子さんたちのサッカーの練習があることが多いので、その間の時間は一人で鎌倉をブラブラすることも。
「長谷の路地裏を散策するだけで楽しいです。行ったことのない神社やお寺も沢山あるし、美味しそうなお店も本当にたくさんあって。行きたいお店をGoogle MAPに保存しているんですけど、もうピンだらけになっています(笑)」
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仕事や子育てで忙しく、なかなか趣味の時間が持てないが「これからやりたいことといえばお花を習うこと」というmidoriさん。
「鎌倉在住のインスタグラマーさんから『お花の先生が近所に住んでいて、すごくいいよ』って教えてもらって。鎌倉での暮らしが少し落ち着いてきたので、習いに行ってみたいですね」
instagram:miii1123
photography:miii1123, text:Mayumi Hasegawa
長谷川真弓
エディター兼ライター。鎌倉在住、3児の母。大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスとして雑誌やwebなどで活動中。