鎌倉で小旅行気分。非日常空間を味わえる店へ
鎌倉ウイークエンダー 2024.09.21
長谷川真弓
小鳥のさえずりが楽しめる、デッキテラスで旅行気分を味わう。
忙しない日常から少し離れて旅行気分にひたれる、とっておきの店が鎌倉にニューオープン。この夏どこにも旅行に行けなかったという人も、次の休みにちょっと足を伸ばして、いつもと違うゆっくりとした時間を過ごしてみては。
高原リゾートのような森の中の一軒家カフェ
#01+h café kamakura
古い木造住宅を、半年かけてリノベーション。季節によって中と外を使いわけするのも良さそう。
歴史あるお寺や古い民家も多く残る、のどかな雰囲気の大町エリア。
静かな住宅街から、ハイキング気分で山へと続く階段を上っていくと、待っているのは森の中にぽつんとあるような隠れ家カフェ。鎌倉駅の喧騒とは別の世界のように静かな時間が流れている。
広い庭を見渡せるテラス席に座ると、鳥のさえずりに包まれ、揺れる木の葉を眺めながら、何とも穏やかな時間が過ごせるのだ。
このカフェを開いたのは、建築家の浅見和宏さんと博子さんご夫妻。家族でフランスに住み、博子さんはフランス人パティシエの元で修行をしたそう。7年間のパリ生活を経た後、帰国後に東京・荒川区に+h café arakawaをオープンし、人気店に。
そして今年の6月、2号店となる+h café kamakuraが誕生した。コンセプトは、フランス文化をベースに、オリエンタルのエスプリを掛け合わせた「オリエンタルカフェ」。
バンコクやチェンマイで直接買いつけてきたという、タイやヨーロッパのアンティーク家具やアートが散りばめられた異国情緒あふれる空間で、外国に旅行に来たような気分にひたれる。
3種類のプレートから選べるランチは、タイ料理にフレンチのエッセンスを加えた創作オリエンタル料理。
オーダーしたキッシュプレートは、そのときどきによって具材が異なる。この日のエビとレンコンのキッシュは、ココナッツミルクを使い、ハーブやスパイスが見事に調和した、ここでしか出会えない味。
唐辛子とレモンが香るイチジクのサラダや、エスニック風味のスープなども、上質な食材を惜しみなく使い、一品一品ていねいにつくられているのがわかる。
ケーキやアイスなどのスイーツも評判なので、カフェタイムに訪れるのもおすすめ。
アジアの風を感じる空間と食をトータルで味わえる、大人の休日にぴったりの店だ。
神奈川県鎌倉市大町4-8-29
0467-37-6736
営)11:30〜18:00(LO17:30)
休)火曜
※詳しい営業日時はインスタグラムでご確認を。
Instagram:@_hcafe_kamakura
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名建築を堪能しながら、打ち立ての蕎麦を
#02鎌倉 北橋
鎌倉の中でも、由緒ある邸宅や歴史的建造物が多く残る、鎌倉の長谷エリア。甘縄神社の目の前にある「旧加賀谷邸」は、約100年前に建てられた和洋折衷の館で、鎌倉市の景観重要建築物に指定されている。
そんな「旧加賀谷邸」を引継ぎ6月にオープンしたのが、蕎麦とコーヒーを楽しめる店、「鎌倉 北橋」。
直接農家から買い付けた蕎麦の実の殻をむく作業から店内で行い、毎朝3種類の蕎麦を手打ちしているというのは、蕎麦職人で店主である北橋悠人さん。
「自分の好きなタイミングで製粉でき、粒の大きさも微調整できる。細かいことですが、それが味わいにつながると思っています」と、北橋さん。
昼の蕎麦会席は4種類で、ほかにも蕎麦の単品や一品料理なども豊富に用意されている。
季節によって移り変わる産地の味の違いを楽しんでほしいと、蕎麦は3つの産地から選べる。
殻ごと臼でひいた「玄挽き」、つなぎなしのそば粉だけの味をダイレクトに感じられる「生粉うち」など、食べ比べできるのも楽しい。
食後は、中でつながった洋館エリアへ。ここではシングルオリジンを専門とした原宿「NOZY COFFEE」の豆を使用したコーヒーが味わえる。
平屋建てだが天井が高く、ダンスホールとして活用されていたというこの場所。クラシカルなたたずまいながら開放感も感じられ、ゆっくりとくつろげる空間だ。
このお屋敷には作家の山口瞳が住んでいた時期があり、すぐご近所に住んでいた川端康成とは家族ぐるみの仲で行き来していたそう。コーヒーを飲みながら、そんな鎌倉の文士たちに思いを馳せてみるのも楽しい。
神奈川県鎌倉市長谷1-11-32
0467-84-9662
営)11:00〜20:30(蕎麦)、9:00〜17:00(カフェ・9月30日まで〜18:00)
休)火曜
※詳しい営業日時はインスタグラムでご確認を。
Instagram: @kmkr_kitahashi
text&photography: Mayumi Hasegawa
長谷川真弓
エディター兼ライター。鎌倉在住、3児の母。大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスとして雑誌やwebなどで活動中。