季節の移ろいを感じ、好きなものに囲まれる日々―鎌倉移住story

鎌倉ウイークエンダー 2024.12.28

長谷川真弓

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コロナ渦以降、鎌倉など湘南エリアへの移住を希望する人が増えている。自然が身近にある鎌倉に住んでみて、四季の変化を肌で感じたり、自分なりの心地よい暮らしに気づく人も多いよう。@tongarihouseで人気のインスタグラマーayumiさんもその1人。鎌倉暮らしの魅力について聞いてみた。

お気に入りのものに囲まれた空間

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福岡県の広松木工のフレックスソファがリビングの主役。

鎌倉の中でも静かで落ち着いた雰囲気が漂う山側のエリアに居を構えるayumiさん。美容師であり、人気のインスタグラマー@tongarihouseとしても活動している。

9年前、夫婦と猫で暮らすために建てたというご自宅は、猫が自由に動き回れるようにと、広々とした1LDKのつくりにした。吹き抜けが気持ちよいリビングには、ものを極力置かず、本当に気に入ったものだけ厳選したミニマルな空間だ。

「もともとは都内で物件を探していたけれど、なかなかピンとこなくて。家を建てることも考え始めました。設計事務所さんが土地探しから一緒にしてくれて、そこで鎌倉を提案されたのが、移住のきっかけ。鎌倉だったら、自分たちのライフスタイル的に、海より山の方がいいかなと思って。候補の土地を見にいったら夫も私も気に入って、すぐに決めました」

リビングにはテレビや時計を置かずに、ゆっくりとくつろげるスペースに。
家具や雑貨は、海外のものもあるが、なるべく日本のプロダクトを中心にそろえているそう。
「メイドインジャパンにはこだわりがあって、壁に飾るアートも日本人の作家さんのものが多いです」

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1日の中でキッチンにいることが多いというayumiさん。

「キッチンの背面には収納棚をつけず、天板だけにしています。収納がない分、物が増えないし、掃除も楽!」

オープンキッチンになっているので、来客時にも使い勝手がいいそう。

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友人たちと料理を囲む、幸せな時間

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友人を招いてごはん会やおやつ会を開くことも。
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お料理や盛り付けのお手本は、料理研究家でフードケータリングを行うMOMOEさん。配色のバランスの良いお料理の数々は、インスタグラムでも大人気。

「定期的に自宅に招いたり、あとはお店を貸し切って集まったりして、よく呑みよく食べています(笑)。そうやってつながっていくところも鎌倉の良さ」

お料理はもともと好きで、友達の飲食店を手伝ったりすることもあるそう。
「移住してきてから、いくつか料理教室にも通いました。茶会席とか、外国のスパイスを使ったお料理などいろいろ。うちは外食も多いので、今はそこで勉強している感じです。
お店の方たちが親切で、みんないろいろと教えてくれるんですよ」

食材はスーパーで買ったり、専門店や個人商店で買うなど使い分けている。
「野菜はレンバイ(鎌倉市農協連即売所)の盛田ファームさんが大好き! 本当に美味しくて、お客さんに出せないものは市場に持ってこないという、嘘をつかない姿勢が信頼できます。ドレッシングもつくっていて、ここの玉ねぎドレッシングは絶品。冷奴とか冷しゃぶにも使っています」

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季節の変化を感じられる暮らし

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天園ハイキングコースの途中にある、獅子舞の紅葉。
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鎌倉の材木座海岸の夕日。

お散歩は夫婦共通の趣味。近所をお散歩しているだけで、ダイレクトに四季を感じることができる。

20代のころは仕事があまりに忙しく、生活にまで目を向けることができなかったという。
「都会も好きですが、30代で思い切って鎌倉に移住したことで自然が身近になり、地に足のついた生活ができるようになったことがうれしいですね。もともと地元は田舎なので、この環境が私には合っていると思います」

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木漏れ日の入り方によって、部屋の表情も変化する。

「うちはカーテンがないので、朝は太陽の光が入って起き、夜は寝室が月の光に照らされるんです」

裏山が紅葉したり、木漏れ日の入る角度が少しずつ変化したりと、家の中にいても四季の移ろいを感じられるのだそう。

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衣食住、暮らしの全てが鎌倉でそろうのが魅力

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一つ一つ大切に使っているという、アセビマコトさんの器。

作家さんの器を集めるのが好きで少しずつ増やしていっているというayumiさん。

「20代の頃は作家さんものには手が届かなくて。たまたま雑誌で見た陶芸家さんの作品にすごく惹かれて。移住するタイミングだったのもあって、そのときに持っていた器を思い切って処分しました」

そこから、本当に気に入った器を徐々に集めるようになったのだという。
愛用しているのは、鎌倉の陶芸家、アセビマコトさんの器。

「とにかく使いやすいし、本人のお人柄と同じく優しい雰囲気の器が大好きです。カフェボウルとかスープボウルとか、手にしたときの感じがすごく好きで、冬に使いたくなります」

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夫婦でお気に入りのanemoscopeのレザージャケット。

洋服を買うのは、由比ヶ浜にあるanemoscope

「同年代の方がやっているお店で、革にすごくこだわりがあって、ここのレザージャケットは友達も沢山着ています。鎌倉でアパレルというとアウトドアとか西海岸っぽいお店が多い中、ここは街っぽいカッコいいお洋服を作られていて、男性でも女性でも着られるところが好き」

もう一軒、洋服好きの人にぜひおすすめというのが、完全予約制のmomi

「大好きでよく行きます。ヨーロッパのビンテージの古着とか、オリジナルのものあってどれも魅力的なんです」

「美味しいお店、食材、コーヒー、洋服やインテリアと、暮らしの全部が鎌倉とその界隈で完結できる。観光客向けのお店ばかりと思われがちですが、地域密着型の小さくて魅力的なお店も多くて、ここでしか手に入らないないものばかり。そういうところは、鎌倉に移住してきて本当によかったと思います」。

夫婦で過ごす休日は、朝から色々なお店をまわるのが楽しいそう。「外を歩いていると誰かしらに会うので、気づくとドラクエみたいに人が増えていって、『このあと、夕飯どうするの?』『じゃああとで合流するね』なんてことも。友達や知り合いがどんどん増えていって、そういう人との関わりが自分の人生を魅力的にしてくれているなぁと思います」

photography: tongarihouse, text: Mayumi Hasegawa

長谷川真弓

エディター兼ライター。鎌倉在住、3児の母。大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスとして雑誌やwebなどで活動中。

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