京都の日本料理は若手に注目! 新進気鋭の料理人の店3選。 祖父の思いを継ぐ京都の料理人が、新たな天ぷら懐石を追求。

京都上ル下ル 2022.02.27

小長谷奈都子

日本料理の老舗や名店がひしめく京都。京都を代表する名店で伝統と技を学び、新時代の日本料理を追求する若手料理人のお店に注目を。

天若

3歳の頃から祖父が営む京料理店、天若を継ぐと決めていたという西岡瞭。大学卒業後、3年間は祖父の元で学び、その後、高台寺和久傳やおたぎでの修業を経て、2021年末に同店名で新装オープン。3フロア全80席だった店の1階が、ゆったりとしたカウンター席と個室に生まれ変わった。コースは、若手には珍しい細やかな仕事と季節を盛り込んだ八寸から始まり、お椀、お造り、そして一品一品目の前で揚げられる天ぷらへ。新鮮な車海老や農家を訪ねて厳選した野菜、そして祖父考案の豆腐の天ぷらまで、さくっと軽やかな揚げたてをほおばる口福が続く。「祖父は妥協せず細かいところまで仕事をし、お客様の顔を見てから味付けをしていました。私もひとりひとりのお客様に寄り添うような仕事をしたいです」

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場所は高級絹織物の産地、西陣。空間の主役は祖父の店から受け継いだ長さ7m弱、厚さ14cmという立派なヒノキのカウンター。網代天井や名栗の扉といった数寄屋建築をモダンなデザインで仕上げている。

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新しく造られたL字型のカウンター。欅のカウンター、清好堂中島にオーダーした柿渋の障子、むくませた六角形の特注タイルの床、西陣織の絵付師が手がけた原画の額装など、西岡のこだわりが詰まった空間。接待や家族での貸し切りにぴったり。

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コースの始まりは季節感あふれる八寸から。ひな祭りの仕立てで、うるいと浜防風 さよりの昆布締め、菜種のお浸し、根芋の海苔和え、長芋の梅酢漬け、ビタミン大根とイクラ、菜種真丈、サーモンの手まり寿司、モロコの炊いたもの、一寸豆。器は祖父から受け継いだものが大半で、少しずつ自分でも買い足しているそう。

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天ぷらの最後に出てくるのが、祖父が考案したという豆腐の天ぷら。いわゆる揚げ出し豆腐で、豆腐は北野天満宮前のとようけ屋 山本のもの。薄い衣の食感と豆腐のなめらかさ、濃い目に仕上げた出汁でしみじみおいしい。

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日本酒は酸味のあるものから甘みのあるものまで幅広くラインナップ。ワインにも力を入れ、左から、グラスで白4種、赤2種を揃える。日本酒1合¥880〜、シャンパンハーフボトル¥6,600〜

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西岡は大学時代から学んでいる茶道のほか、1年前から中国茶を堀口一子の元で勉強中。食中や食後のドリンクに岩茶の温かいもの、冷たいものをオーダーできる。

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1991年生まれ30歳の西岡は、慶應義塾大学卒業後に料理の道へ。「日本料理には日本文化が集約されています。若い人たちが日本文化に触れるきっかけになれるとうれしいです」

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天若
京都府京都市上京区牡丹鉾町570
tel:非公開
営)18:00〜一斉スタート
休)水、ほか不定休あり
コース¥16,500(別途サービス料5%)
※要予約(新規予約はポケットコンシェルジュからのみ)
www.instagram.com/kyoto_tenjaku/

 

photography: Sadaho Naito, editing: Natsuko Kongayaya

小長谷奈都子

フィガロ編集部で約8年働いた後、結婚を機に京都へ移住。「フィガロジャポン」「ペン」の本誌やウェブサイトを中心に、フリーランスの編集・ライターとして活動中。夫の料理屋を手伝って、時々女将。1男2女の3児の母。出身は長崎県の壱岐の島。
連載「京都上ル下ル」は京都の楽しい、美味しいを大切な友人に紹介するような気持ちで制作。

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