和っていいな、日本らしきアールドゥヴィーヴル。
フィガロジャポン最新号紹介 2025.05.21
今回の表紙は2バージョンあります。ひとつは安藤サクラさんがシャネルのメティエダールコレクションを纏ったSearching for Beauty版、もうひとつは藍の染付のうつわが並ぶThe Art of Japanese Life版。
中国は杭州で2024年12月に発表されたシャネルのメティエダールコレクションを着た安藤さん。杭州に是枝監督も来場していて、おふたりの会話も愉しかった。杭州の水の美しさに着想して「水と影」のイメージで作られたファッションストーリー。安藤さんの匂い立つような色香にインスパイアされます。
うつわ集めが好きな方にとって必読! 染付、ガラス、木工、鉄など、物語のある素敵なものがここ日本にはたくさんあります。
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アールドゥヴィーヴルはフィガロジャポンにとって最重要キーワード。「暮らしの美学」と訳されるそれは、フランス語であっても和の世界でも大切にされる丁寧で端正な暮らし方とリンクしています。古きよきものをもちろん大切にするけれど、現代的に進化した日本のアールドゥヴィーヴルは、ヨーロッパの影響や日本を訪れる異邦人の目線を通してよりミニマルにいまの生活にしっくりくる「おしゃれ感」を宿していると感じます。
コスメブランドDAMDAMを運営するテリアンさんとジゼルさんの三浦半島のお宅。
お家拝見のページでは古民家を改装して自分好みに変えて暮らしている方々を紹介し、うつわのページでは日本人作家だけではなく日本の文化に影響された他国の作家ものも紹介しています。そこに明確なボーダーはなく「和ごころ」が息づく端正なスタイルやデザインをピックアップしました。
ジャパンメイドの花器にわかりやすい洋花を生けるミックスマッチを楽しんで。
いまや世界的に空前の緑茶ブーム! 茶にこだわるプロが選ぶ茶葉と茶器とは?
古くからあった香道だけれど、現代は新解釈の和精油やアロマが見直されています。何がトレンドなのか知っておきたい。
この季節、ゆかたを仕立てたい人も多いはず。俳優の古川琴音さんが江戸の老舗・竺仙に粋なゆかたとは何か、発見の訪問を。
東京にはたくさんの「和」がテーマのブティックも誕生。日本がDNAに持っている美に、少しずつですが世界の関心が高まっていると思い、決行した特集です。
今号は安藤サクラさんを筆頭に、ファッションページでもビューティページでもたくさんの著名人が登場。木村カエラさんはマルニをと~~~ってもいい脱力感で素敵に着こなしてくれました。この重ね方、布のゆるやかに落ちる感じなど、リラクシングに纏うには着る人のリズムみたいなものも深く関わる気がします。
京本大我さんは連載HOMMEに登場、SNSにアップした写真が赤いハット+ネイビーのトップだったことからファンの方々が「パディントン」と表現してくれて、なんだかすごくキャッチー。かつ、京本さんの影響力の大きさを体感しました。
フレグランスのテーマではBE:FIRSTのJUNON&RYUHEIが香りのコンサルティングを受けて新しい自分を発見。
そして間もなく公開される映画『国宝』で歌舞伎役者を演じ、先日カンヌの監督週間で舞台挨拶したばかりの吉沢亮さんと横浜流星さん。おふたりの対談も4月に実現しました。作中で美しい女形を演じられたふたりの記事は、今号の「和のアールドゥヴィーヴル」巻頭特集のサブライン、カルチャー部門に華を添える存在となりました。
食を忘れてはなりませぬ! 和食はユネスコ無形文化遺産に登録されるほど、全世界から注目されている日本の主たる魅力の源。今号では、目に麗しく舌で堪能する和の食処19軒を掲載。こういう取材は現場が羨ましいです(笑)
ファッションカルチャーの読み物では、2025-26秋冬のトレンド分析、そして、クリエイターがデザインするうえで欠かせないインスピレーションソースであるフィッティングモデルにフォーカスした記事もあります。こちらはイヴ・サンローランやマドモアゼル シャネル、マーク・ジェイコブスまで、重要な役割を果たしたモデルたちとデザイナーの言葉などを軸に、ファッションのクリエイティブがいかに人と人との信頼と丁寧な時間の紡ぎの上に成り立っているかを解説した記事です。
フィガロジャポン編集長 森田聖美