編集者が見つけたお気に入りの逸品について熱く語る連載。今回はカルティエの新作時計について。
先日発表されたカルティエの新作時計の中に、ジュエリーのように身に着けられるとっても愛らしい1本を見つけました。楕円のフェイスでお馴染みの「ベニュワール」がバングルタイプになった新作です。
「ベニュワール」(YG、ケースサイズ 25.3mm×18.8mm)¥1,716,000/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)
みなさんは、何本ぐらい腕時計を持っていますか?
服装や気分に合わせて、いくつかの腕時計を着け替えている方も多いと思います。ヘルスログを取るためにスマートウォッチを愛用されている方もたくさんいらっしゃいますね。私はといえば、きちんとした時計を身に着けようと思い立った20代の頃にさまざまなモデルをリサーチし、1本を心に決め、数年後に迎えたのが「タンク ルイ カルティエ」でした。以来、家を出る時は必ず身に着けています。購入した当時もいまも、生涯この1本と思うほど、惚れ込んでいる時計なのですが、心のどこかで「ブレスやバングルなどタイプの違うものが1本あってもいいな」とはずっと思っていたんです。折々に湧いては流れてしまうことが多かった私の時計欲ですが、今回かなり心をくすぐられています。
なんといっても、バングルタイプという点に、特に惹かれます。ウォッチとジュエリーのいいとこどりで、これひとつで手元のスタイルは完璧。ジュエラーであり、ウォッチメイカーでもあるカルティエだからこそ成せるとびきりの存在感です。日頃から、時計のみで、ブレスレットやチャームの重ね着けをあまりしないので、ひとつ二役をシンプルなデザインで叶えてくれる時計に俄然気持ちは動きます。
ファッション性の高い佇まいだけに、着け方もひと味違うところもユニーク。バングル同様に、手首から滑らせるようにしてはめます。フェイスを内側にセットする着け方を好まれる方も、繊細な輝きのゴールドバングルを表にスタイリングを楽しめると思います。洋服と違い、ジュエリーの選択肢が極々最小限の私には、センシュアル且つモダンな佇まいで、スタイリングを引き締めてくれるありがたい1本として長く重宝しそうです。
時計は、Tシャツのようにさらりとは買えないものですが、だからこそ、これぞというものに出合ったときは思い切りたいもの。予算をあれこれ組み替えて、運命の2本目をお迎えするのは、いまかもしれない! そんな気持ちにさせてくれた魅惑のジュエルウォッチです。
スケールを変えることで、フレッシュな魅力が加わった「ベニュワール」。これまでの「ベニュワール」のフェイスより小ぶりになり、都会的で快活、さらにドレッシーな魅力もぐんと上がった。イエローゴールドのバングルタイプほか、肌馴染みのいいローズゴールド、フルパヴェダイヤ、カーフスキンベルト×イエローゴールドフェイス、カーフスキンベルト×フルパヴェダイヤとラインナップも複数。
text: Aya Sasaki