編集者たちが見つけたお気に入りの逸品を熱く語る連載。今回は、メシカの「ムーヴ」について。
マーキスカットのダイヤモンドを中心に、2重のトリミングが輝きをより効果的に放ち、ふんわりとした羽根の印象を生み出す。「ミッドナイト サン」ネックレス(WG×ダイヤモンド)¥35,310,000/メシカ(メシカジャパン)
一体どうなっているのだろう、ダイヤモンドが動く? 浮いている! メシカの代名詞であるコレクション「ムーヴ」を初めて見た時に抱いた感想だ。最も高額な貴石、ダイヤモンドを自由に大胆に、身に着ける人の動きに合わせてリンクの中で左右にたゆたうように動くデザインは強く印象に残った。
メシカは、ダイヤモンド商を営む父アンドレ・メシカの元に生まれたヴァレリー・メシカが2005年に創業したジュエラー。幼い頃から父の仕事に連れられ、ダイヤモンドに触れていた彼女は、究極の英才教育を受けていたと言える。だからこそ高級素材でのダイナミックなデザインが可能なのだろう。インタビューした際には、ダイヤモンドへの愛と父との思い出を慈しみながら語ってくれた。彼女の情熱はそのままデザインに反映される。インタビュー中、スキンジュエリーやダイヤモンドタトゥーという言葉が出てきた。それは、ダイヤモンドを纏うように楽しんでほしいという気持ちの表れ。ダイヤモンドがセットされたジュエリーを着用するのではなく、ダイヤモンドそのものを肌に乗せる感覚なのだ。
リング(WG×ダイヤモンド)¥4,180,000/メシカ(メシカジャパン)
イヤカフ(WG×ダイヤモンド)¥12,210,000(予定価格)/メシカ(メシカジャパン)
昨年発表されたハイジュエリーコレクション「ミッドナイトサン」もまた、素肌にドレスを纏うようにデザインされた。1970年代ニューヨークの、スタジオ54に代表されるエネルギッシュなパーティシーンが着想源。ドレスにあしらわれた羽根をイメージした作品を観ていると、華やかなディスコへの妄想が膨らむ。エッジの効いたジュエリーとともに煌びやかなフロアで踊ってみたい。いつもの自分と違う、新たな欲望を呼び起こしてくれるのだ。(編集D)
パリに自社アトリエを持つメシカ。サヴォワールフェールが光る「ムーヴ」のダイヤモンドをセッティング。© Pierre Vérez
磨きをかけてソリッドに仕上げる。© Pierre Vérez
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セレブも夢中、次世代のダイヤモンドジュエラー。
偶然、店頭でメシカのジュエリーに出合ったビヨンセは、以来プライベートで愛用し、その後セレブリティの間で瞬く間に人気に。©️Tiziano
リアーナもファンのひとり。©️Tiziano
セレーナ・ゴメスもさまざまなシーンで着用。©️Tiziano
*「フィガロジャポン」2024年7月号より抜粋