まっすぐに見つめること。三浦春馬の『東京公園』

いま片想いをしている人、おそらく相手は自分の気持ちを知っている、と感じている人におすすめしたい作品です。

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常々思っているのですが、人には「傍観者タイプ」と「表現者タイプ」がいるような気がします。もちろん両方の要素を誰もが持っているのですが、それぞれの濃度が違う。作品での佇まいは美しき表現者ですが、三浦春馬さんは、キャラクターとしては傍観者タイプ、と私は思っています。
『東京公園』は、カメラ、つまり写真を撮ることが趣味であり、将来の仕事も写真に関わりたいと思っている大学生の光司(三浦春馬)が、周囲の人々に愛され頼りにされながら暮らす日々のなかで、恋や執着について静かに学んでいく物語です。
彼のひとり暮らしの家には亡き友人ハル(染谷将太)が幽霊となって棲み、ハルの恋人だった富永(榮倉奈々)はしょっちゅう光司の家に訪れ、光司のバイト先のカフェバーに血の繋がりのない義理の姉美咲(小西真奈美)が頻繁にやってきます。みな、光司との時間を心の底で求めている。安らぎを、他者に与える存在が光司です。そんな彼の元に、妙な依頼が歯科医から持ち込まれます。毎日子連れで東京の公園を散歩する女性(井川遥)を盗み撮りして、状況報告してほしい――。歯科医は、その女性に執着を抱いています。

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2025年4月号 No.586

幸せになる服を着よう。

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