注目のコンピューター・マジック、再来日決定!!!

『FIGARO japon』2013年3月号の《2013年の流行予報。》でご紹介していたコンピューター・マジックが、昨年の11月の初来日公演に続き、早くも5月に再来日することが決まった。

130308_music_01.jpgFIGAROでの取材のフォトセッション。カメラマンは寺澤太郎氏。

本名はダニエル・ジョンソン(愛称Danz:ダンジー)。フランツ・フェルディナンドのデビュー・アルバムに衝撃を受けて音楽にハマり、イギリスの音楽雑誌を読みながらビートルズやニュー・オーダーなど、UKものに惹かれて聴き入ったという。いきなりDJを始めたのは楽器演奏といった音楽教育を受けていなかったのと、曲をどうやって書けばいいのかわからなかったため。

「DJのやり方はインターネットから学べたから、17歳から自分のベッドルームで楽しむようになったのよ」


■ DJも楽器演奏もインターネットから学んだ

大学は、優秀な学生が集まると評判のNYのマンハッタンにあるニューヨーク市立大学ハンター校へ。しかし彼女は大学で何を学ぶかは考えておらず、インターネットで見ていたクラブDJの様子が楽しそうだったため、大都市でDJをやることしか考えていなかった。

しかし実際にネット上で既に知り合っていた友人DJの紹介でDJをやってみたものの、UKのマニアックな楽曲ばかりかけるDanzのプレイはウケず、「もっとみんなが知っている、ノレる曲をかけて!」と、客から言われる羽目に。当時18歳だった彼女は、アメリカでは21歳になるまでお酒が飲めないために、ひたすら真面目に盛り上がるDJプレイを研究していたという。

「熱中し過ぎて昼夜逆転した生活を送っていたから、大学は退学してしまったわ。でも、そのうちにパーティー・ピープルの喧噪に疲れて、レコードもDJ機材も全部家に置いて、母親が住んでいたマイアミのテンパへ休息に行ったのよね」

130308_music_02.jpgNYのオープニング・セレモニーで働いていたこともあるファッション好き。部屋のインテリアも凝っているそう。22歳。

とはいえ、これまで音楽漬けだったDanzが音楽のない生活に耐えられるはずがなく、「今度はインターネットで音楽ソフトの『エイブル10』をダウンロードして、曲を作り始めたのよ(笑)」と、6ヶ月の間に次々と曲を作って行く。

「プログラムしながらキーボードを弾いて、メロディを書いてはチェックし、またメロディを書いて、それを聴き直して曲にしていった。そうしたらママが部屋に入ってきて、"あなたが作ったの? 凄いじゃない!"って。"そうよ!私がやったの"って答えたわ。今まで曲を作ったこともなかったし、バンドをやったこともなかったけど、自然の流れで音楽を作れるようになったの。それからはサウンドクラウドでの反響もあったし、みんなに受け入れられるようになって、フェスにも呼ばれるようになった。驚いたし、本当に嬉しかった」

ホームページに多くの曲があがっているが、元々はカセットやアナログで作品を発表してきたというのもユニークだ。

「オーガニックな音が好きなのよ。カセットもヴァイナル(アナログ)も音が温かい感じがするから好き。私はコンピュータを通してオーガニックな音楽を作りたいと思っている。だから発表する形もこだわっているわ」

モーグ・ヴォイジャーを演奏の核にしながら、曲を構築。そのスタイルは"ベッドルーム・ポップ・エレクトロ"と呼ばれている。ライヴではギター、ベース、ドラムスが加わることもあるが、普段は愛用している楽器からギターの音なども作り出している。前回の初来日公演ではライヴでは、ドラムのクリスと2人で来日し演奏していた。

「DJの時は踊れる音楽ばかり意識していたけど、曲作りではいろんなタイプの曲を作るし、いろんな曲があって然るべきだわ。自分にとって大事なことを歌いたいけど、それと同時に聴いた人が歌詞に共感できることが大切。だからみんなが興味を持てる曲で、メロディや曲調にアップ&ダウンがあって、楽器の音色が少なくて、1つ1つの音色がはっきり聴こえる曲を作っていきたいと努めているの」


■ 原点にあるのはSF映画での音楽

彼女の楽曲で話題を最も集めたのは「the end of Time」のミュージック・ヴィデオだ。

「これはベッドルームで作った曲。この歌で"この世が終末を迎えたとしたら、自分にとって何が大事なのか、みんなにとって何が大事なのか"ということを問い掛けたかった。映像を作った時はタイムズスクエアとか走り回って、みんなにヘンな目で見られながら撮っていて楽しかった(笑)。この世が終わったら、当然家に帰りたいから、自分の帰るところを探しながら動き回っている感じ。宇宙服を着ることは最初から決めていたのよ」


YouTubeで話題になった「the end of Time」


彼女のルーツにあるのはSFという。ライヴ会場でもバックスクリーンに昔のSF映画の映像を流していたほど。

「もともと科学や天文学、歴史が好きで、大学時代は音楽の授業があったのに受講していなかったほどなのよ。SFは幼い頃からすごく好きで、映画だったら『スターウォーズ』シリーズはもちろん、『ブレードランナー』にも影響を受けたわ。あとは17歳の時に見た、ジェーン・フォンダ主演の『バーバレラ』ね。あの役はとってもファニーだけど、セクシーで、今の自分の原点になっているかもしれない(笑)。基本的に70年代のSFのB級映画がいちばん好きで、そこで使われているおかしなシンセの音遣いが気に入っている。自分としてはそこを目指している感じがあるわ」

楽曲として彼女が素晴らしいと思っているのは、ピンク・フロイドの「タイム」、そしてLCDサウンドシステムの曲はどれも好きという。

「私の音楽で"近未来的な世界へ行きたい"といったことは考えていないけど、どちらかというと浮遊感とか、星に囲まれているという音は意識している。でも未来の音楽になれたら最高ね」
 

日本滞在中の様子を収めた映像


初来日公演では、まるでその場で実験しているかのように、さまざまな音を紡ぎだし音楽へと形成していたコンピューター・マジック。その名の通り、再来日公演ではどのように進化した楽曲を聴かせてくれるのか楽しみだ。

130308_music_03.jpg日本企画で制作したデビュー・アルバム『サイエンティフィック・エクスペリエンス』。

【コンピューター・マジック来日公演】
5月27日(月)大阪 CONPASS
OPEN 18:00/START 18:30
ADV¥4,000/DOOR¥4,500(共にドリンク代別)
Act:Computer Magic、Homecomings、Sugar's Campaign
DJ:MAYUMIKILLER

5月29日(水)渋谷WWW
OPEN 18:00/START 18:30
ADV¥4,000/DOOR¥4,500(共にドリンク代別)
Act:Computer Magic、DJみそしるとMCごはん、Twee Grrrls Club

*To Be Continued

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
X:@natsumiitoh

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