こんにちは、吉田パンダです。最近だいぶ髪が伸びてしまい後ろで結んでいるんですが、そのせいか「マダム」と声をかけられることが多くなりました。いやいないだろ、こんな肩幅がごつくて髭の生えたマダム。いやいるかな、あれ、そういう意味かな? 魂が乙女のせいかしら。
さて、国立劇場前でアルゼンチンタンゴが響くパリ。今回も1区、パレ・ロワイヤル公園からお届けします。
「鴨川等間隔」とよく言いますが、パリも結構等間隔です。
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公園のベンチで、春の日差しを楽しんでいたのはキャバリア・キングチャールズ・スパニエルのラファイエットくん、5歳。
キャバリアも個性がいろいろですが、ラファイエットくん、賢さと穏やかさが顔に出ています。賢人! じゃなかった、賢犬!
途中でもう一匹キャバリアが現れたり。
ハーネスはCharlie’s Backyard。これ猫にも使えるかな、、、。
保険会社に勤める飼い主のファブリスさん。明るく優しい性格のキャバリアが昔から好きで、ブリーダーを探しました。ちなみにラファイエットはアイスが大好きです←いや、あげちゃダメでしょ。
芸術香るパレロワイヤル公園。ファブリスさんが座るベンチには、20世期初頭にパリで活躍したロシア人の詩人、マリーナ・ツヴェターエワの言葉が刻まれています。
「私は自分のモットーをふたつの助動詞から見つけた。“ETRE(存在、なること)はAVOIR(所有)よりも価値がある“」
この言葉、いろいろなことにあてはめてみると深いです。愛を得ることよりも、愛することに価値を見出す、芸術品を所有するよりも芸術家でありたい、写真を撮るより写真そのものになる、、つまり世界と一つになる、、うーむ、、、。
「あ、すいません。ボクはアイスになるよりアイスがほしいです。存在より所有でお願いします」
だよね。迷いのない哲学犬、キャバリアの賢犬ラファイエットでした。次回もどうぞお楽しみに。
写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida