待ちきれないロットワイラー、いぬとピアノに出会う日帰り旅。

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こんにちは、吉田パンダです。コロナ禍に限ったことではありませんが、連日「重症者が」「死者が」という報道に接していると、人間いつ天に召されるかわからんぜよと強く思います←急に土佐弁。

年齢的にもとっくに人生折り返しちゃったし。なので日々を大切に生きるだけ、会いたい人には会って、欲しいものはすぐ買うと(それは違うだろ)。そんな言い訳をポケットに詰めて、ノルマンディー地方から南に3時間、ブールジュ近くの小さな町に古いピアノを探しにきました。

ちなみに犬の話は後半にならないと出てきませんので、あしからずご了承ください←タイトル詐欺か。今回はいぬパリならぬ、「いぬピアノ」です。

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子供達はすでに巣立ち、現在はお爺ちゃんがひとり暮らしをしている広大な一軒家。リビングの大きな暖炉(現在はもちろん使っていない)の横に待っていたのはいまから99年前、1922年に製作されたフランス、ガヴォー社のアップライトピアノ(モデルC)。

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音楽に憧れがあり、ピアノは高校生当時に3年間だけ習っていました。ノルマンディー地方に引っ越してから、アップライトピアノがあったらいいなとぼんやり考えていましたが、それが「よし探そう、明日にでも引き取ろう!」というモードになったのは、以前プレスツアーでウィーンの旅にご一緒した、クラシック音楽ファシリテーター、飯田有抄さんの演奏動画を見たのがきっかけです。

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だって、シャンデリア付きだし!←そこかよ。いやいや、シャンデリア効果も大きいんですが(やっぱりね)、何とも言えずノスタルジックで優しい音に、すっかり恋に落ちたわけです。

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同時代のプレイエルでもエラールでもなく、もうガヴォーだろ。それも動画と同じ寄木細工にシャンデリアつきのが欲しい!(←小学生か)となり、すぐに飯田さんに「あのー、ガヴォーのアップライトが欲しいんですけど、、」とメッセージを送りました(←ご迷惑)。

それから1カ月間、ピアノ店や個人売買に関わらずフランス中のガヴォーを探して回る中、飯田さんにはお世話になりっぱなし。また日本でアトリエ・ガヴォーを主宰し、ピアニストとしても活躍されている松原聡さんにも多くのアドバイスをいただきました。いくらメルシーを重ねても足りませんが、今度シャンパン奢ります!←軽い。

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さて、デジタルひと目惚れから始まったガヴォーピアノ、正面突板を外した姿にもこだわりがあるんです←もうこれ、何のブログなの?

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アール・ヌーヴォースタイルと紹介されるこのピアノ、鉄骨部分にはガヴォーの赤字ロゴと優美な細工が施されています。萌える!←いや音でしょ。 こういう細工が見えないところにあるのが、フランスっぽいですね。

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というわけで、「いい加減にしろ!遊べ!!」と伏せて脚を広げているのは、このピアノの元オーナー、ジャンお爺ちゃんと暮らすロットワイラー、メルキオール5歳。東方三賢者のひとりの名前から名付けたそうです。聖なるロットワイラーだね。

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「ちなみに黄金と王権の象徴だからね、オレの名前」

ははー。撫でてあやかっておきます。

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ジャンお爺ちゃんとツーショット。大きな体をしていますが、まだまだやんちゃなメルキオール。何足かジャンお爺ちゃんの靴を食べちゃってます。

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今年で80歳になるジャンお爺ちゃん。そもそもメルキオールは娘がバカロレアに合格した際、プレゼントにロットワイヤーがほしいとねだられて迎えた犬。それがいまや、自分が世話する係になってしまったと嘆きます。

「80でこんな大きな犬、無理だよ。メルキオールはあと10年生きるかも。オレが犬より先に天国行っちゃうよ、、」と肩を落とすジャン。

でもピアノ価格の交渉となるや「あー、あかんあかん。ビタ一文まけられへんで!」と急に人が変わったように元気になります。ジャン、その分ならあと10年大丈夫。

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ガレージが6つも7つもある、とにかく広い庭。以前は馬を6頭飼っていたそうです。

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リビングの一角には鞍が置かれていました。うむ、この角っぽい装飾が騎士っぽいぞ、、。やあやあ我こそは!←静かにしてください。

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車で片道3時間の日帰り旅、ピアノを探していぬに出会う「いぬピアノ」をお届けしました。ジャンお爺ちゃん曰く、ひとり暮らしには広すぎるので、150平米あるこの家も売りに出すつもりだと。ご興味のある方はパンダ不動産までご連絡ください。

次回はギターを探しに行きます!、、じゃなくて、たぶん普通のいぬパリです。どうぞお楽しみに。

写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida

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