コーデリア・ドゥ・カステラーヌの世界をカフェ・ラペルーズで。

PARIS DECO 2021.07.27

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左: 美しきコーデリア・ドゥ・カステラーヌ。photo:François Coquerel  右: 彼女がテーブルセッテングしたある日のランチ会。photo:Mariko Omura

コンコルド広場に面し、18世紀の建築当初は王室の家具調度品の保管所で、18世紀終わり頃から2015年までは海軍省が使用していた建物「Hôtel de la Marine(オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ/海軍院)」が、6月半ばに4年の修復工事を終えて一般の人にも公開されるようになった。1階にはジャン・フランソワ・ピエージュのレストラン「ミモザ」も9月に営業が始まるそうだが、ひと足お先に「Café Lapérouse(カフェ・ラペルーズ)」がオープンした。毎日8時30分から営業開始なので、斜め向かいのジュ・ドゥ・ポームやオランジュリー美術館などの訪問前に、まずここのテラスで一日をスタートするのも悪くなさそうだ。

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朝食メニュー(11時まで)は26ユーロで、ボイルドエッグ、ミニグラノーラ、ヴィエノワズリーかトースト、ボルディエのバターとビオのジャム、フレッシュフルーツジュース、カフェ、またはホットチョコレートまたは紅茶。アラカルトでもオーダーできる。photos:Matthieu Salvaing

6区のセーヌ河岸にある創業1766年の伝説のレストラン、ラペルーズ。2年前に新たなオーナーMoma Groupを得て、過去の栄華を取り戻したのだが、その際に内装を手がけたのはローラ・ゴンザレスで、テーブルコーディネートを任されたのがベビー ディオールとディオール メゾンのアーティスティック・ディレクターを務めるコーデリア・ドゥ・カステラーヌだった。レストラン初の右岸店であるこのカフェ・ラペルーズではインテリアもテーブルもすべてをコーデリアが担当。レストランがその名をいただいた航海士で探検家だったLa Pérouse(ラ・ペルーズ)の旅が、彼女のインスピレーション源に。彼が残した多数の手紙からヒントを得て、彼女はテラスも含めて壮大な壮大な空間を作り上げた。18世紀風かと思えばアールデコ・タッチも感じられる、コーデリアならではのファンタジーあふれるミックス。女性室内装飾家として20世紀を代表するのはマドレーヌ・カスタンだが、感動を生む折衷様式で腕前を発揮するコーデリアはその後継者といっていいかもしれない。彼女はレストランのためにファブリックのモチーフやユニフォームなどもデザイン。さらにフランスのサヴォワールフェールを積極的に活用すべくアーティストたちとのコラボレーションも行なった。たとえばバーは貝を素材に用いたオブジェの製作で知られるデザイナーのThomas Boog(トマス・ブーグ)に依頼。壁のセラミックの照明はマレ地区に工房を構えるL’atelier Jean Roger(アトリエ・ジャン・ロジェ)、貝殻を模した椅子のデザインはFleur de Galard(フルール・ドゥ・ガラール)にと……。

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航海士の間。壁の陶のライトはアトリエ・ジャン・ロジェが制作した。Photo:François Coquerel

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暖色でまとめられたオリエンタルの間。photo:François Coquerel

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トマス・ブーグによるバーの貝細工。天井はストライプで覆われている。photo:Mariko Omura

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メインスペースは航海士の間と命名され、船内のイメージで作られている。ロープを思わせるディテールを生かした家具や籐の家具、海の色ブルーの濃淡のクッション、天井はまるで船の帆のような白と青のストライプで覆われて……。こちらが48席と広く明るい空間なのに対し、一段下のオリエントの間はインティメートでどことなくミステリアスな雰囲気に包まれている。18世紀のフュモワール(喫煙ルーム)的で、天井から下がるのはバカラのヴィンテージシャンデリア。夜はそれが放つ灯りが壁にかかる彫り模様のある大きな鏡に美しく映り込む。内装にはマホガニー、レザーといった素材が用いられ、クッションのコーラルや赤といった色に、どこか船室で食事をしているような気分をかき立てられる。両者の中間に位置する貝で覆われたバーカウンターが、2つの異なる世界を繋ぐ存在だ。

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左: コーデリアはシェルのモチーフのクッションとアニマル柄をミックス。 右: 海をテーマに壁の陶のライトはアトリエ・ジャン・ロジェが制作した。photos:Mariko Omura

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航海士ラ・ペルーズに導かれ、コーデリアがイマジネーションをフルに働かせて生み出した2つの空間。photos:François Coquerel

コンコルド広場に面したテラス、そしてオテル・ドゥ・ラ・マリーヌの中庭に面したテラス。カフェ・ラペルーズではテラスも2つのタイプがある。コンコルド広場に面したテラスは籐の椅子が軽やかでシックな雰囲気だ。パリにいることを実感させる眺めに、ひとり客も大喜びだろう。中庭側のテラスはアーモンドグリーンの椅子、トロピカルなプリントが陽気な食事時間を約束してくれそう。

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左: コンコルド広場側のテラスは74席。 右: 建物の中庭に面したテラスは52席。photos:(左)François Coquerel、(右)Mariko Omura

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その食事だが、メニューは上質素材のヘルシーな料理を中心にしている。6区の本店に比べると、こちらカフェ・ラペルーズでは軽いサラダやクロックが種類豊富な上、スマッシュバーガー、ロブスターロール、マカロニ・クラブ・チーズといったスナッキングの王者たちもメニューを賑わしている。さらにパテ・アン・クルートやスモークサーモンといった本店の人気の味も楽しめる。半端な時間の空腹にも応えてくれるのも魅力で、アサイーボール、フレッシュフルーツ、アボカドトースト、グラノーラなどは朝食時に限らず一日中いつでも。グラスワインのお供にシェアして味わうトリュフ・カマンベールやセヴィーチェなども営業時間内、いつでもオーダーできる。自由な気分で、誰もがおいしい時間を過ごせるモダンスタイルがうれしい。秋にはマドレーヌやジャムなどを扱うエピスリーやショコラティエもオープンするというから、食事やティータイムの後にお土産探しも。今後、カフェ・ラペルーズはニューヨークなどほかの都市での開店も予定されているという。このフレンチエレガンスあふれるモダンなカフェ・ラペルーズ、いつか東京にもオープンするといいのだけど……。

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左: べジタリアン、スモークサーモン、トリュフなど5種のクロック・ラペルーズは20〜27ユーロ。 右: サラダは4種あり、17〜25ユーロ。photos:Matthieu Salvaing

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左: グランド・クラシックより、フォアグラとピスタチオのパテ・アン・クルート(17ユーロ)。お土産に持ち帰りたくなるオリジナルのお皿! 右: メニューのLes Exploration(探検)のコーナーは、航海士ラ・ペルーズへオマージュを捧げる料理の数々。たとえば魚貝のカルパッチョ(写真/28ユーロ)や和牛のハンバーグ(39ユーロ)など。photos:Mariko Omura

Café Lapérouse
Hôtel de la Marine
2, place de la Concorde
75008 Paris
tel 01 53 93 65 53
営)8:30~24:00
無休
@cafelaperouse_paris

editing: Mariko Omura

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