16区のホテル、サン・ジェームスに泊まってパリのお屋敷体験。
PARIS DECO 2021.08.10

1892年に建築された個人邸宅。1870年代にフランス大統領を務めたアドルフ・ティエールの未亡人が建てたものだ。

見事なエントランスとロビー。パブリックスペースを歩くだけで、お屋敷気分がたっぷりと味わえる。photos:Matthieu Salvaing
ブローニュの森の近くにある伝説のホテル、サン・ジェームスがローラ・ゴンザレスによる内装で初夏に営業を再開した。9月にレストラン「Bellefeuille(ベルフォイユ)」、その後ゲランのスパがオープンの予定で、いまのところは客室と有名なライブラリー・バーだけの営業だが、改装前からの常連客たちを喜ばせている。
1986年にかつての個人邸宅を買い取った初代オーナーの英国人がホテル・サン・ジェームスを開いたのだが、彼がインテリアデザインを託したのはアンドレ・プットマンだった。彼女がニューヨークでブティックホテルの先駆けとなったモーガンズを手がけた後だったことも手伝って、サン・ジェームスの名前はあっという間に世界的に有名に。パリの中心部から離れた場所にある高級ホテルなので、特別感の高いお忍びホテルとして、セレブリティたちにも愛されていた。その後、フランス人にオーナーが代わり、バンビ・スローンが改装を手がけ、そして今回は……と、ここのホテルは持ち主が変わっても、その時代を代表する女性室内建築家を起用し続けている。今回ローラ・ゴンザレスはスイートを含む50室それぞれを、かつてそこに暮らした収集家のアパルトマンというイメージで作り上げた。収集家があちこちで見つけたオブジェ、アート作品、書籍がそこに残されて……といったように。
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左: リュクスな世界からの仕事依頼が多いローラ・ゴンザレス。 右: 客室。photos:Matthieu Salvaing

ルレ・エ・シャトーのメンバー。9月9日までプロモーションを行っていて、3泊以上の予約については20%オフとなる。photo:Matthieu Salvaing

上質な素材が用いられた客室、バスルームはその空間に身を置くだけで快適だ。お籠りホテルとして活用すれば、サン・ジェームスを100%満喫できる。photo:Matthieu Salvaing
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シャトーと英国のクラブの雰囲気を併せ持つホテルとして知られるサン・ジェームス。ここでは英国スタイルのライブラリー・バーも、とても評判がよい。開館当時、話題のTV番組がここで毎週土曜に生中継されていた……というのは、いまや昔の話だけれど、この場の魅力は褪せることなくいまもゲストを迎え入れている。たとえ宿泊が叶わなくても、このバー、あるいは9月に庭に面してオープンするというレストラン・ベルフォイユは一度は試してみたいものだ。もちろん、ゲランのスパも!!

英国のクラブ風のライブラリー・バー。軽食もとれる。photo:Matthieu Salvaing

養蜂もしている緑あふれる庭に面したガストロノミー・レストラン、ベル・フォイユ。photo:Matthieu Salvaging
5, place du Chancelier Adenauer
75116 Paris
Tel. 01 44 05 81 81
https://www.saint-james-paris.com
editing: Mariko Omura