コーデリア・ドゥ・カステラーヌ、田舎で過ごす美しい四季。

PARIS DECO 2021.09.28

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『Ma Maison de Campagne』(Rizzoli International Publications, Inc. 刊/42.50ユーロ)は英語版(写真)も出版された。

ベビー ディオールだけではなく、ディオール メゾンのクリエイティブ ディレクターも務めるコーデリア・ドゥ・カステラーヌ。メゾンの新作として、クリスチャン・ディオールが愛したパリのアパルトマンにオマージュを捧げ、クレマチス、ピオニーといった花々や鳥が描かれたアパルトマンの壁紙にインスパイアされた食器類を彼女はデザインした。クリスチャン・ディオール同様、アールドゥヴィーヴル(暮らしの美学)に情熱を傾けるコーデリアは、すずらんをモチーフにしたコレクション「リリー オブ ザ バレー」の新作発表に際しては、自身のカントリーハウスを舞台にした映像で彼女によるテーブルセッティングを披露している。数分ながら、彼女のカントリーハウスにおける素敵な暮らしぶりをもっと見たいという気にさせるビデオである。

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『Ma Maison de Campagne』内にも、リリー オブ ザ バレーのコレクションを用いたテーブルセッティングが紹介されている。©️Matthieu Salvaing

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テーブルセッティングのみならず、インテリアデザインで発揮するセンスのよさはオテル・ドゥ・ラ・マリーヌ内にオープンしたレストラン「Café Lapérouse(カフェ・ラペルーズ)」で披露された。この空間を実際に目にする機会がすぐに訪れそうもない人たちへの朗報は、9月15日にコーデリアの田舎の別荘でのアールドゥヴィーヴルを紹介する一冊が発売されたことだ。『Ma Maison de Campagne(Life in a French Country House)』と題され、「春の微笑み」「夏のシャンソン」「秋の伝説」「冬の美しい宵」と季節ごとの4章で構成されている。彼女による文章とイラスト、庭の風景、季節の花、テーブルセッティング、家族の時間……ページをめくるごとに次々と目に飛び込んでくるのは、美しい色彩あふれる、気取りのない、それでいて優雅な暮らしぶりだ。ヴィクトワール・ド・カステラーヌの従姉妹である彼女。フランスの貴族の家庭に生まれているがスペイン系でもあり、また母はギリシャ人、叔母はロシア人というように国際性豊かな環境に生まれ育っているだけあって、この著書の中で紹介しているレシピにもそれが反映されている。テーブルセッティングに使われているのはディオール メゾンの品だけでなく、ブロカントで掘り出したお皿、母から譲られた祖母のグラスなど、時代も国も超えてのミックス。コーデリアの美意識を写真を介して、たっぷりと堪能できる。さらにカントリーハウスのインテリアも惜しげなく、彼女はこの本の中で公開。英国のヴィンテージ生地で壁を覆った長女の部屋、父親が所有していた巨大なパニエを配した長男の寝室、インドのブロックプリントのベッドリネンが爽やかなコーデリアの寝室など、どの部屋もミニマリズムとは程遠く、1枚の写真の中に素敵な品々があふれている。彼女の4人の子どもたちの写真もおさめられ……最後のページを閉じた時には、コーデリアのカントリーハウスに招かれて1年を過ごしたような気分に!

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花に囲まれた暮らし。毎週、コーデリアは庭の花をカットしてブーケを作る。©️Matthieu Salvaing

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左: ピンクとグリーンの食卓。ディオール メゾンのミリー ラ フォレの食器をインドのクロスとともに。
中: ディオールのピンクのクロスの上に、カプリ・レモン・バター・ディッシュ、ライム・バジル・タルト、1970年代のヴィンテージのお皿。
右: アイボリーの麻のクロス、ディオールのヴィンテージのプレートを配して秋の食卓。©️Matthieu Salvaing

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こぢんまりとしたサロンに、濃色のテーブルクロスを用いてクリスマスのテーブルセッティング。©️Matthieu Salvaing

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左: 古いファブリックと母方の祖母の椅子。 中:バスルームにはトワル・ドゥ・ジューイ。 右:ゲストルームにはインドのブロックプリントのベッドリネンが。©️Matthieu Salvaing

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本の巻頭には、コーデリアのアルバムからのプライベート写真が多数紹介されている。サン・モリッツでの7歳のバースデーパーティ、ムスティーク島での最初の結婚式など彼女の子ども時代からのハイライフ、素晴らしいファミリーたちの暮らしぶりなどを垣間見ることができる。彼女がそのファッションセンスを讃えるギリシャ人のママの写真も。本の巻末では、掲載されている写真一点ずつについて食器や家具の由来や、部屋づくりの意図などを彼女が解説。コーデリアの名前を知らなくても、この本を手に取る誰もをうっとりさせる一冊だ。

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200点近い写真はインテリア撮影で定評のある写真家Matthieu Salvaingがすべて撮影。コーデリアとも息が合い、1年がかりの撮影が敢行された。

editing: Mariko Omura

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