エルメスのセーヴル店、プティ アッシュが大きくなった!

PARIS DECO 2021.10.01

9月13日、エルメスのセーヴル通り店に「petit h(プティ アッシュ)」の新しいスペースがオープンした。長い工事が終わって3月に再開したブティック。さらに、そこに食い込むようにあった子ども服店の代わりにできたプティ アッシュの新しい売り場は、通りに面していてドアもあるので、まるで独立したブティックのよう。スペースの奥は既存のブティックと繋がっている。プティ アッシュの新しい歴史の始まりだ。早速、中へ入ってみよう。

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1年半ぶりにセーヴル通りに大きくなって戻ってきたプティ アッシュ。©️Guillaume Grasset

約70㎡の空間で最も目に留まるのは、プティ アッシュのクリエイティブ・ディレクター、ゴデフロワ・ドゥ・ヴィリユーがエルメスと同じく1837年創業の「Poterie Ravel(ポットリー・ラヴェル)」と新たに手がけたコラボレーションだ。これまで扱ったことのない素材を彼が求めた結果である。ラヴェルでおなじみクレイの陶と、エルメスのバッグの革のハンドルという思いもかけない組み合わせ! 南仏風の壺、鉢、デキャンタ、ミノディエールバッグなど、とても豊富なバリエーションを目の前に、プティ アッシュとは発想の実験室なのだと、つくづく感心させられる。

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左: デキャンタは牛革、クリスタルと素焼きの組み合わせ。 中: トリヨンのハンドルをつけて。 右: ミノディエールにはブルーの牛革、トリオンのハンドルが。©️Eugénia Sierko-Rouchon

ご存知のようにプティ アッシュでは皮革、クリスタル、シルクなど“グラン アッシュ”のあらゆるメチエで使われなくなった素材が1カ所に集められ、そこから美しさと機能を備えたオブジェがデザイナーによってクリエイトされる。いまでこそアップサイクリングと呼ばれ、デザイン優先ではなく素材からの物作りが増えているけれど、このように「さかさま」のアプローチをプティ アッシュは20年以上前から行っているのだ。意表を突く素材の組み合わせ、驚きの職人仕事……遊び心あふれる自由で革新的なクリエイションは、エルメスならでは。この新しいスペースでひとつひとつじっくりと眺め、手に取って、それだけで心満たされる時間が過ぎてゆく。

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左: ティーカップがキャンドルスタンドに。 中: ブランコ 右: サン・ルイのクリスタルの器の模様が象られた革のボウル。photos:Mariko Omura

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そのアイデアについニッコリと顔がほころんでしまうオブジェも多数。限られた素材からクリエイトされるので、一点物がほとんどだ。photos:Mariko Omura

Hermès
17, rue de Sévres
75006 Paris
営)10:30~19:00
休)日
www.hermes.com

editing: Mariko Omura

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