ディプティックのアーカイブから生まれた壁紙をインテリアに。

PARIS DECO 2022.04.05

年に2回のインテリア界の大イベントである「Maison&Objets」期間に合わせ、パリ市内はデザインウィークとなる。3月末、あちこちでインテリア関係の催しが行われたが、「diptyque(ディプティック)」の素敵なポップアップは1週間にも満たない短期間の開催だったのがとても残念だ。ここで何が起きたのかと言うと……。

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左: パリのデザインウィーク中、3月24日〜29日まで開催されたディプティックのポップアップ。 右: 1962〜63年に創業者のひとりデスモンド・ノックス=リットが描いた「SARAYI」はアールヌーボー調で、日本の版画を思わせる。色は壁紙化に際して変更された。

ポンピドゥー・センターに近いReynie通りの細長い空間は、グラフィックな壁紙のオンパレード。これらはディプティックの60年代のアーカイブのモチーフから生まれた壁紙コレクションである。3名の創業者のうち、クリスチャンヌ・モンタドル=ゴトロも、おなじみのロゴをデザインしたデスモンド・ノックス=リットも描くことが大好きで、アーカイブにはテキスタイルや壁紙のプロジェクトのためのデッサンが多数保存されていたのだ。そこから選ばれた10種が壁紙となり、このポップアップでのお披露目である。50年以上も前にデッサンされたというのが信じられず、現代のアパルトマンを個性的に彩るにふさわしいモダニティ。当時いかに彼らの仕事がアヴァンギャルドだったのかと、改めて驚かされる。思えばサンジェルマン大通りに開いた彼らのブティックにしても、1961年にしてコンセプトストア。パリで一番のりだったのではないだろうか。

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会場内、ノックス=リットが墨で描いた風景画とモンタドル=ゴトロがインテリアファブリック用に描いたアールデコのモチーフを組み合わせて。photo:diptyque

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60年代のアーカイブからの壁紙。中央はノックス=リットが手がけた水彩とフェルトペンによる点描作品がオリジナルのパノラマ壁紙だ。このサイズは280×180cm。縦長ロールは168.92×60cm。photos:(左・中)diptyque、(右)Mariko Omura

ポップアップでは壁紙を貼ることを小さなサイズで試せるコーナーが用意されていた。刷毛で水溶きした糊を壁に塗り、そこに貼るだけ。糊が貼った壁紙についてしまっても、水でふきとればいい。また乾くまで4時間の間なら、ずれも簡単に直せるという扱いやすさだ。異なるモチーフを組み合わせて空間を作り上げるのもおもしろそう。

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会場では壁紙の展示だけでなく、小さいサイズで貼り方の実践アトリエも開催。photos:(左・右)diptyque、(中)Mariko Omura

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このポップアップでは壁紙だけでなく、6月の販売開始が待ち遠しくなる新シリーズの「La Droguerie(ラ・ドログリー)」の発見も。これは日用雑貨店を意味する言葉で、ラベルには羽ハタキが描かれている。木製品やレザー用品のお手入れに使える「レザー&ウッド ケアローション ビーワックス入り」、臭いの分子をとらえて爽やかな香りへと変える「リフレッシュ キャンドル バジル」、食器洗いや、調理前の野菜の土を落とすのにも活用できる「ディッシュ ブラシ」、衣類の虫除けとしてクローゼットに吊るしておく「ウール&デリケートテキスタイル用フレグランスセラミック シダーウッド」……。このシリーズを揃えれば、お掃除も楽しめそう。6月になったら、早速サンジェルマン大通り34番地のブティックを訪れてみよう。ここで紹介できなかった、そのほかたくさんの新作も待っている。

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ポルトガルの陶器、ムラノのグラス……壁紙とともに多数の新作が発表された。photos:(左)Mariko Omura、(右)diptyque

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左: メゾン関連の新しいコラボレーションもとても豊富。photo:diptyque

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ラベルの羽ハタキがチャーミング! ラ・ドログリーコーナー。日本でも6月3日より発売予定。photos:Mariko Omura

Diptyque
34, boulevard Saint-Germain
75005 Paris
営)10:00〜19:00
休)日
Instagram: @diptyque

editing: Mariko Omura

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