パリ名物のオスマン・スタイルのキヨスク。
ゴミ箱に似た新デザイン、ちょっと待った!!

PARIS DECO 2016.08.17

犬を連れたパリジェンヌがいなくても、バゲットを抱えたパリジャンがいなくても、新聞や雑誌を売る緑色のキヨスクさえあれば、それでもう、ここは誰の目にもパリの街 。さらに、その脇に映画や舞台のポスターのための円柱の広告塔があれば、パリらしい景色は完璧になる。

そのキヨスクの将来を巡って、この2~3ヶ月、話題が尽きない。パリ市は2019年6月までに街中の360のキヨスクを機能的な新しいタイプのものに徐々に変えてゆく、という予定で、マタリ・クラッサがデザインを用意した。本体は現在同様にグリーンのままだが、屋根はグレーでしかも平らな箱形のキヨスク。シンプルと言えばシンプルだけど、これではまるで“巨大なゴミ箱”じゃないか !!と、パリを愛するパリ市民からブーイングが。

19世紀半ばにナポレオン3世の命を受け、オースマン男爵によってパリ改造が行われ、現在のパリ市がある。どことなくロマンティックな丸いドーム型の屋根を乗せた緑の鉄製のキヨスクは、改造時代の1857年に市の建築家ガブリエル・ダヴィウーによってデザインされ、以来これはパリの景色の一部となった。それが姿を消し、ゴミ箱のようなキヨスクになるなんて! パリならではの魅力を守ろう! と、嘆願書には5万近い署名が集まり、パリ市長もデザインを見直すことを決定した。新聞、雑誌、絵はがきなどを売るだけでなく、最近ではインターネットで購入した劇場のチケットがピックアップできたり、と19世紀にはなかったキヨスクの仕事も増えている。働く人の労働条件改善も含め、革新的なデザインを望むパリ市と、昔ながらのロマンティックなキヨスクの保存を望むパリジャンと……。結果はどうなるのだろうか。

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1857年から、丸屋根とレースのような装飾を掲げたオスマン・スタイルのキヨスクはパリの景色の一部。

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バス停をはさみキヨスクと円柱の広告塔が並ぶ、6区のサン・シュルピス広場。photo:MARIKO OMURA

大村真理子 Mariko Omura
madame FIGARO japon パリ支局長

東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏する。フリーエディターとして活動し、2006年より現職。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。
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