ソムリエナイフ、結局どれを買えばいい? ワイン担当編集者がラギオール アン オブラックを選んだ理由。
編集部員の、最近のお買い物。 2024.12.23
今年の頭にもおんなじようなタイトルでワインセラーを紹介していたフィガロワインクラブ担当のカナイです。渾身のワイン特集「ワインがあれば、人生は楽しい。」も発売となり、ほっとひと息。年末ということもあり、取材に出かけるとついでにワインショップを覗いては、肩が外れそうになるほどボトルを買って帰り......という毎日です。
さて、みなさまはワインを開ける時、何を使ってますか? これまでは取材でいただいたワイナリーのロゴが入っている、ダブルアクションのプルタップスを使っていた私。2段階式に力をかけられるのでコルクが折れることも少なく、大好きなワイナリーや生産者協会のロゴを眺めるたびに思い出が去来して、飲む前から胸がいっぱいになります。
とはいえ、飲食店で働いていた時からずっと欲しいと思っていたソムリエナイフがありました。それが「ラギオール」。フランス南部のラギオール村で鍛造されていたナイフに端を発する、プロも愛用するオープナーです。さまざまなメーカーがラギオールを名乗っており、シャトー・ラギオールや本誌でも紹介したフォルジュ・ド・ライヨールなど、機能美あふれる逸品が多々ある中、個人的に恋焦がれていたのが「ラギオール アン オブラック」。緩やかなS字を描くハンドルのカーブに、バッファローの角やポプラの木、天然石を嵌め込んだ美しさに心奪われてきました。
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とはいえオールハンドメイド、天然素材の高騰ということもあり、ちょっとお高いのです......。これまでは「ラギオールを我慢すればいいシャンパーニュ2本は買える」とか「代わりにお店でいいワイン頼もう」と抑えに抑えてきたのですが、とうとう思いは止められず。フィガロワインクラブも発足から1年、ワイン特集の発売もあり、個人的な記念としてついに購入してしまいました。
手の中にズシリと重く、持っているだけで幸せな気分に。さて、何を開けようかとワインセラーを眺めます。近所のビストロでグラスで飲んで感銘を受け、虎ノ門ヒルズの地下で入手した小布施ワイナリー「ソガ・ペール・エ・フィス ちゃぶ台ワイン2023」をセレクト。
ナイフも内側にカーブしており、ボトルネックを包むように刃を当て、キャップシールを切るのもスムーズに。スクリューを差していくとコルクをガッチリ捕まえてくれる感触があり、回転させているとどこか厳かな雰囲気に......。コルクを手で抑え、オープナーとともに引き抜く瞬間、もはや儀式を行っているような気分さえしてきました。
刃物のネジやスクリューの出し入れにちょっとまだ硬さもあり、使い込めば使い込むほど馴染んでいくんだろうな、というのがいまの正直な感想。年末年始もワインを開けまくる予定、毎日の「儀式」が楽しみな今日この頃です。
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フィガロJPカルチャー/グルメ担当、フィガロワインクラブ担当編集者。大学時代、元週刊プレイボーイ編集長で現在はエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏の「書生」としてカバン持ちを経験、文化とグルメの洗礼を浴びる。ホテルの配膳のバイト→和牛を扱う飲食店に就職した後、いろいろあって編集部バイトから編集者に。2023年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。
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