焼き鳥だけにとどまらない、より幅広い鶏料理の魅力を教えてくれるのが、鶏 しま谷だ。
「鶏肉は鮮度がいちばん。うちでは鮮度のいい状態で仕入れる比内地鶏や千葉の赤鶏、丹波地鶏などを、料理や部位に応じて使い分けています」とは主人の島谷司さん。鶏料理の人気店、はし田屋で10年間料理長を務めた後、独立。洋食店や創作料理店など経験豊かな主人だけに料理も多彩。
胸肉の昆布締めや親鶏のタタキが出たと思えば、せせり(首肉)のクリームコロッケがあつあつで登場と、変幻自在。鶏一羽を店でさばき、小さな店だからこそ出せる松葉(鎖骨)やふりそで(手羽の根元)といった鶏の希少部位を使った料理も見逃せない。
左から、「鶏モモ肉のタタキ」、「丹波地鶏の胸肉の昆布締め」。硬いが味の濃い親鶏はさっと炙って。胸肉は真空調理でしっとり仕上げる。日本酒は半合¥648〜用意。
手前から時計回りに、ふりそで、松葉、比内地鶏モモ肉の塩焼き。
サトイモ団子の椀は中に鶏肉やギンナンが。
カウンターがメインだが、隠し扉から入れる個室も人気。
-gourmande memo-
コースには22〜24品ほどの料理が登場。鶏肉料理の合間には卵焼きや野菜料理も出され、舌を飽きさせない。締めのオムライスは煉瓦亭出身という師匠譲りの、ごはんを卵に混ぜて焼く「元祖オムライス」を。鶏ガラで作るドミグラスソースがかかった、注目の逸品。
*『フィガロジャポン』2017年10月号より抜粋
texte : KEIKO MORIWAKI, photos : YU NAKANIWA
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