【篠原ともえ連載Vol.20】ゴルチエに愛を込めて"ビッグスカート"をつくる。

フランスで2018年に公演された、ファッションデザイナーのジャンポール・ゴルチエの半生を描く「ファッション・フリーク・ショー」。その舞台が5月にアジア初上陸ということで、日本公演の発表会見に出席させていただきました。

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この会見のためにトップスに合わせて、巨大なスカートを自身で縫製しました。アイコニックなボーダーをイメージしてデザインしています。ジャンポール・ゴルチエさんには2000年にお会いしたことがあり、当時も自分でデザインした衣装でお会いしたのです。

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衣装を制作する時は、まずデザイン画を描き、素材を選び、構造を考えます。今回はかなり制作期間が限られていたので完成まで、すべてひとりで制作しました。失敗のできないプレシャーでとにかく夢中になるしかありません。

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生地を広げ、縫い目を仮止めしてミシンで一気に縫い上げます。張り感を持たせるために厚めの生地を選んだので、縫うのも一苦労。

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約10メートルの生地をどのくらいの感覚で縫うか計算し、規則的に縫い合わせています。このシルエットに至るまで、限られた時間の中でシミュレーションをし、完成に導きました。

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ひとりでの制作時間は孤独でもあり、集中するとても贅沢な時間でもありました。ジャンポール・ゴルチエしかり、多くのデザイナーたちはこうして手を動かすことで、スキルを身につけてきたのでしょう。結局完成したのは当日の朝でした……。

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完成のスカートにはベレー帽でコーディネートしました。しのはらインスタグラムでは動画も公開していますので、興味のある方はご覧になってくださいね。5月の舞台「ファッション・フリークショー」は、ゴルチエ自身が演出と衣装デザインを手掛け、登場する衣装の数はなんと200点以上になるそうです。私も伺うのが楽しみです。刺激をもらいこれからの創作力につなげていきたいと思っています。

1995年歌手デビュー。文化女子大学(現・文化学園)短期大学部服装学科デザイン専攻卒。歌手・ナレーター・女優活動を通じ、映画やドラマ、舞台、CMなどさまざまな分野で活躍。現在はイラストレーター、テキスタイルデザイナーなど企業ブランドとコラボレーションするほか、衣装デザイナーとしても松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートやアーティストのステージ・ジャケット衣装を多数手がける。2020年、アートディレクター・池澤樹と共にクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。
篠原ともえ公式サイト:www.tomoeshinohara.net
公式インスタグラム:www.instagram.com/tomoe_shinohara/

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