冬のはじまりに、香るバラときらめくダイヤモンドリリー

花のある週末 2016.11.18

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今年は秋が本当に短くて。「立冬」の翌日には木枯らしが舞い、シンとした冬の空気が天から降りてきたようです。巷では早くもインフルエンザが……なんていうニュースを聞きますが、かくいう私も先週の金曜から38度台後半の高熱が下がらない! という人生初の経験をしていまして、朦朧としながら本コラムを書いている次第です……とほほ。皆さまはどうぞ温かくして風邪をひかないようお気を付けください。

11月に入ると花屋さんにはいつにも増して美しいバラが並びます。一年中手に入るバラですが、旬は春と秋。中でも秋のバラ・オータムローズは、昼夜の気温差によって色彩が一層深く鮮やかに! そして花弁が柔らかく日持ちがしないとされる「香りのバラ」たちも、長く楽しめる季節です。

今回チョイスした香りのバラは、「イブピアッチェ」の姉妹品種「ピンク・イブピアッチェ」。濃いピンク色の「イブピアッチェ」が大人の女性のコケティッシュな美しさを備えているとしたら、ワントーン淡い「ピンク・イブピアッチェ」は少しあどけなさが残るスィートな美しさ。この「イブピアッチェ」は、バラの香りの中でも最もバラらしいと称される「ダマスク・モダン」という香りの代表品種。古典的なダマスクローズの香りを受け継ぎながら、よりモダンに洗練された麗しい香り。甘く深みのある香りはうっとり陶酔系、美しくなれそう! と気持ちが上がります(笑)

実際、バラの香りは、女性に「幸福感」をもたらすとされ、心身がリラックスし、美肌効果もあるというから嬉しいですよね♪ 時に癒やされ、時に華やぎ、その香りは心をバラ色にしてくれるのです。バラはまさに人の心に寄り添って咲いてくれる花だなぁと思います。

バラの香りの種類など、バラの詳細はバックナンバーをご参照ください。
https://madamefigaro.jp/interior/series/weekend-flower/post-1636.html

柔らかな晩秋の陽射しにきらめく透明感のあるピンクの花々と、冬を予感させるグレイッシュなシルバーグリーンのユーカリ、そのふたつの色合いをつなぐ美しすぎる秋色アジサイ。冬のはじまりの澄んだ空気感を切り取るように、花色が美しいグラデーションになるように意識して花あわせをしてみました。

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秋色アジサイは、色合いのバリエーションも多く(グリーンや純白のアジサイも出回ります)、価格もいろいろで、なかにはびっくりするぐらい高いものもありますが、ドライフラワーになっても美しいので、秋の間はフレッシュな状態で楽しんで、11月の終わりからはクリスマススワッグの材料などクリスマスアイテムの材料にすると素敵ですよ♪

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香りのバラとダイヤモンドリリー、秋色アジサイのグラデーションアレンジ

【材料】(画像左から)
*ユーカリ・ポポラス 1~2本
*秋色アジサイ  1本
*ダイヤモンドリリー(ネリネ)  2本
*バラ「ピンク・イブピアッチェ」3本

*横長のバスケット (画像は、横30㎝、奥行き12㎝、高さ15㎝)
*中に入れるグラス   適量 (写真は3点)
*切花栄養剤  小袋1~2個 ※最近は購入時に小袋を付けてくれる花店が増えています
*空の500mlのペットボトル (500mlのペットボトルに切花栄養剤の小袋1個を入れ希釈すると便利です)

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【作り方】

1. 切花栄養剤を正しく希釈した水をグラスの八分目ぐらいまで入れ、バスケットにセットします。
2. ユーカリ・ポポラスの枝を小分けにカットし、左右に広げるように活けます。
3. 秋色アジサイをバスケットの高さにカットします。ナイフかハサミでできるだけ鋭く斜めにカットし、茎の中にある白い綿のようなものを掻き出しましょう。水揚げがよくなり長く楽しめます。バスケットの縁に花の顎をのせるように活けます。

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4. バラもバスケットの高さにあわせてカットしていきます。水に浸かってしまう部分の葉は取り除きます。花をカットした残りの茎の葉も生き生きと美しいようでしたらぜひアレンジにも使いましょう。このとき、葉の部分だけを切り離してしまうとすぐに萎れてしまいますので、必ず茎をつけた状態で使用します。バラは、横並びに一列にならないよう気をつけて! 多少の高低差をつけて活けた方が凹凸感も出てナチュラルに仕上がります。
5. 最後にダイヤモンドリリーをあしらいます。ダイヤモンドリリーの花粉はもし粉がふいているようでしたら手でつまんで取り除いた方が見た目がきれいですが、まだ花色と同じものは残しておいても良いと思います。秋色アジサイとバラ、バラとユーカリ、の色合いをつなぐようにあしらっていきます。出来上がり!!

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アレンジを横から見ると、片側(正面)に花が全て寄っている状態で、アレンジの背景はスカスカな状態になります。花材は倍量必要ですが、こちら側にも同じように花を活けてあげれば、どこから見ても美しい「四方見」のアレンジメントになります。

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今回は秋のスペシャルフラワーのひとつ、「ダイヤモンドリリー」をご紹介しましょう。私の写真の技術ではこのキラキラ感が伝えられずに本当に残念でなりませんが、「ダイヤモンドリリー」の名のごとく、花弁の表面が妖しいまでに美しく輝く可憐な花なのです。

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ダイヤモンドリリー提供:横山園芸(東京都清瀬市)

キラキラと宝石のように輝く花、神秘的な美しさをたたえる「ダイヤモンドリリー」。「ネリネ」という属名が一般的ですが、その光輝く花姿が特別なことから欧米ではダイヤモンドリリーという別名で親しまれ、日本でも秋のブライダルシーズンにとても人気のある花です。純白や淡いピンクのダイヤモンドリリーは、輝きとともに透明感あふれるピュアな雰囲気が花嫁さんにぴったりですし、赤紫系の色合いは和装にもお似合いです。

南アフリカ原産の球根花で、淡いピンク、濃いピンク、純白、紫などに加え、ストライプ状にラインが入る複色タイプなど花色も豊富です。17世紀頃から欧米で盛んに品種改良が行われ、日本には大正時代に伝わったようですが、当初はヒガンバナに似ていることからあまり広まらなかったようです。近年では、日本でも情熱的に新品種の育種に取り組む育種家もいて注目を浴びています。開花期は10月~12月と長くはありませんので出回り時期も限られますが(今のところ!)、切花にした時の花持ちの良さが抜群で、3週間くらい楽しむことができます。まさにご自宅で楽しんでいただくのにぴったりの花ですね♪部屋に飾ると、不思議と部屋の中がキラキラと浄化された感じがしますよ(笑)お試しあれ~!

花屋さんはすっかりクリスマスモードです! このウィークエンドは、クリスマスの装飾はどうしようかなーと考えながら花屋さんをのぞいてみてはいかがでしょうか? そして来週11月22日は「いい夫婦の日」。ご主人から奥様に、今最も美しい香りのバラや、ダイヤモンドのかわりに(笑)きらめくダイヤモンドリリーを贈ってみてはいかがでしょうか。

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

<INFORMATION>

c04-waku-weekendflower151026.jpg花の国日本協議会では、昨秋より本格的に
「WEEKEND FLOWER」企画をスタート!

家族や友人が集う食卓に、1週間がんばったご褒美に。ウィークエンドに花があるだけで、会話がはずんだり、笑顔が増えたり、心がほっとしたり。"日常の素敵"――花のある暮らしを提案します。

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◆WEEKEND FLOWER 公式サイト
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