1月に入ると、スイセン、チューリップ、ヒヤシンス、ムスカリ、といった球根花や、スイートピ―やラナンキュラス、アネモネ、パンジーといった、ふんわりひらひらした花たちがいっせいに出回ります。もうその中に身を置くだけで、香りのハーモニーにときめきが止まりません! 甘く清々しい香りの花々が、しんと冷たい冬の空気をくすぐるみたいで♪ 心浮き立つ大好きな季節です!
さて、近年日本でも1月になると、街のケーキ屋さんやパン屋さんで王冠をかぶったパイのようなお菓子「ガレット・デ・ロワ」を随分と見かけるようになりました。「ガレット・デ・ロワ」は、フランスでは新年のお祝いに欠かせない伝統菓子。ベツレヘムを訪れた東方の三賢人によって、イエス・キリストが神の子として見い出されたという公現祭(エピファニー)の日に食べる風習で、この季節フランスのケーキ屋さんやパン屋さんでは「ガレット・デ・ロワ」が山積みになるそう。フランスではこれを食べないと1年がはじまらない! と言われるほどで、いわばフランスのお正月の伝統です。
この「ガレット・デ・ロワ」、日本でもじわじわきている理由のひとつはその楽しみ方にあります。フランス語でそら豆を意味する「フェーブ」という陶器製の小さな人形があらかじめ中に仕込まれていて、切り分けて食べた時にこのフェーブが誰に当たるか! で盛り上がるのです。ラッキーにもフェーブが出てきた人はその日1日王様(女王様)になり、王冠をかぶって皆から祝福されます。
フレンチブルドックのかわいいフェーブが!
「ガレット・デ・ロワ」は1月いっぱい楽しめるそうですので、ウィークエンドに家族や友人が集まったら、皆で「ガレット・デ・ロワ」を囲んで楽しいスィーツタイムも良いですね! そして、そんな楽しいテーブルにはぜひ春を告げる花々を飾りましょう♪ 何かテーマフラワーを決めてご紹介する予定だったのですが、花屋さんに行ってみるとあれもこれも連れて帰りたい花ばかり! 結局絞り切れず……今回は春の花いろいろ、がテーマです(笑)。
今回は、花屋さんで「キャ」っとときめいた花をチョイス! 時には自分のために、気分がおもむくまま自由に選んでみるのも素敵な花選びの方法だと思います。あまり深く考えなくても、「今の私」というフィルターで選ぶ花々は、飾ってみれば不思議とナイスな組み合わせに。ひとつの器に活ける場合は、旬の花から主役になりそうな花を選んで、あとは何かグリーンとアクセントになる花を1、2種類プラスすれば、小さなテーブルアレンジには十分です。
ピュアな白に爽やかなライムグリーンの斑が入ったポンポン咲きのラナンキュラス、「シレンテ」。昨春から出回るようになった新しい品種なのですが、私のどストライク(笑)! 一目惚れでした。甘いテイストになりがちな春の花々ですが、白グリーンやパープルの色合いなら甘くなりすぎず、大人っぽい印象になります。今回は紫色のアカシアをあわせてさらにシックな雰囲気に。
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春を告げる花々をテーブルに~ランキュラスとパンジー、スイートピーのあしらい
【材料】
(画像左から)
- スイートピー白 3本
- ラナンキュラス「シレンテ」 2本
- パンジー紫系、黄色系 2本
- アカシア「プルプレア」の枝 1本を小分けに
- 器1点(写真は直径12㎝、深さ9㎝、高さ12㎝)
- 切花栄養剤 小袋1袋(最近は花屋さんで購入時につけてくれるところが増えています)
【作り方】
1. 器の7分目くらいまで、切花栄養剤を適量希釈した水を入れます。
2. アカシアの枝を小分けにカットし、葉の先端の美しい部分を左右手前に、残りの枝を後ろ側の背景に活けます。
3. ラナンキュラスを正面に活けます。この際、2本が横並びにならないよう、高低差をつけます。また、ラナンキュラスは花の頭が重たいので、器の縁にうまくひっかけるように活けて、転がらないようにしましょう。
4. アカシアやランキュラスの茎が器の中で交差しているところにうまく引っ掛けながら、スィートピーを背景にふんわり と活けます。花が水に浸ると水が傷む原因になりますので、場合によっては下の方の花はカットします。
5. 最後にパンジーをアクセントにあしらえば出来上がり!
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今女性たちの間で大人気の春の花、ラナンキュラス! ふんわりまあるい花姿、美しい花色の数々、最近は咲き方のバラエティ豊富で、花屋さんでも目移りしてしまうほどです。
ラナンキュラスを選ぶ際のポイントは、固い蕾の状態のものより、開花しているものを選ぶと良いでしょう。花が咲いているものの方が茎がしっかりしているのです。また、栄養と水が不足すると茎が折れやすくなりますので、飾る際にはぜひ切花栄養剤を活用してください。
最後にもうひとつ、テーブルアレンジをご紹介しましょう。
こちらでは、「ガレット・デ・ロワ」のような焼き菓子の色合いにぴったりな(これはちょっと焦げすぎですが。笑)、鮮やかなオレンジ色のラナンキュラスと、八重咲きの中がオレンジ色のスイセンをチョイス。シュッとした細長いグラスなどを利用すると、スイセンのように葉も生かして長いまま飾った方が魅力的な花も手軽にモダンに飾れます!
スイセンも素敵な季節ですね~。画像の八重咲きのスイセン「レプリート」は甘いバニラのような香りがします♪
次号は、1月の「香りの花々」にスポットをあててお届けしたいと思います。
ではでは皆さま、花と素敵な週末を。
<INFORMATION>
花の国日本協議会では、昨秋より本格的に
「WEEKEND FLOWER」企画をスタート!
家族や友人が集う食卓に、1週間がんばったご褒美に。ウィークエンドに花があるだけで、会話がはずんだり、笑顔が増えたり、心がほっとしたり。"日常の素敵"――花のある暮らしを提案します。
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photo,styling,text:NORIKO OGAWA