Scented Flowers 春の香りを小さく束ねて

花のある週末 2017.02.02

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思いがけず暖かな日が続くこのごろ、澄んだ空気にきらめく陽射しからは、草木が柔らかく芽吹くような春の気配を感じます。

2月の花店は、球根花をはじめとする春の花々がいっせいに出揃う、花好きにはたまらない季節!
甘く清々しい香りの花々を見るたびに思い出すのは、ロンドンやパリのフルーリストの軒先で売られる「Scented Flowers」と書かれた小さなブーケ。凍てつく石畳の街角でふとした瞬間に出会うサプライズギフトのようで、鼻孔をくすぐる春の香りのマリアージュに足を止めずにはいられないのです。

今回は、そんな香りの花々の中でも、今の季節ならではの「球根花」に注目してお届けしたいと思います。

まずはヒヤシンス。子どものころ、ヒヤシンスの球根を部屋の中で育てたことはありませんか? ぽてっと丸い球根から、白い根が水いっぱいに伸びてきて、にょきっと緑の艶々の葉が顔を出して。日に日に生長する姿が楽しい水栽培、おしゃれなヒヤシンスポットを探して、花が咲くのを心待ちに冬のインテリアとして飾ってもかわいいですね。

北欧フィンランドでは、ヒヤシンスはクリスマスに欠かせないクリスマスに飾る花だそうです。雪と氷に閉ざされ冬の北欧では、生命の息吹を感じるヒヤシンスのような花こそ生きる喜びの象徴なのでしょう。フィンランドにゆかりの深いフラワーデザイナーさんのアトリエで、お茶菓子に添えられていたぺーパーナプキンがなんとマリメッコのヒヤシンス柄! 日本では見たことがない柄でかなり興奮してしまいました(笑)

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カラーセンスも独特! マリメッコのヒヤシンス柄ペーパーナフキン

アレンジ画像の中央は、オランダの「デルフト焼き」というブルーの陶器になぞられた「デルフトブルー」という名のヒヤシンス。ブルー、ラベンダー、淡いピンク、白……どの色のヒヤシンスも陶器のような透明感のある質感が美しく、小さなベル状の愛らしい花はたった一輪でもしっかりと香ります。

そう、ヒヤシンス最大の魅力は、濃厚で甘いフローラルな香りに春を感じるグリーンノートが絶妙にブレンドされたフレッシュな香り。その香りには鎮静効果があることも知られ、まさに心身をそっと癒してくれる花なのです。

花店で切花のヒヤシンスを選ぶ際には、茎の根元が太いものがオススメです。茎の根元には球根と同じ栄養分が詰まっていて、最後の一輪まで咲かせる養分が含まれています(ヒヤシンスだけで活ける場合は切り花栄養剤は必要ありません)。また、オランダからの輸入品が多いので、なるべく葉が黄色くなっていない青々とした新鮮なものを選びましょう。

茎を切った際に出るぬめっとした樹液は、ティッシュなどで軽く拭き取ってから活けると良いでしょう。気温が高いと茎が伸びて花も早く咲いてしまうのでなるべく涼しいところに飾り、咲き終わって萎れた下の方の花は丁寧に摘み取ってあげると、先端の蕾まで咲いてくれゆっくりと楽しめます!

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Scented Flowers 春の香りを小さく束ねて

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【材料】
(画像左から)

  • 八重咲きのアネモネブルー      2本
  • キバナスイセン           3本
  • フリージア白            3本
  • ヒヤシンス「デルフトブルー」他   2本
  • ルピナス              2本
  • 器(紅茶の缶と中に入れるグラス) それぞれ1点
  • 切花栄養剤小袋1袋(最近は花屋さんで購入時につけてくれるところが増えています)

【作り方】

  1. 紅茶缶はそのままだと水漏れする可能性があるので、中に小さなグラスをセットします。切花栄養剤を適量希釈した水を入れます。
  2. ヒヤシンスは頭が重たいので、器の高さにカットして器の縁を利用して活けます。
  3. 短くカットしたフリージア、ルピナス、ルピナスの葉をヒヤシンスのまわりに挿します。
  4. 最後にアクセントとして、アネモネとキバナスイセンをあしらって、出来上がり!!

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ヒヤシンスに組み合わせたのは、同じく香りの球根花、白いフリージア。フリージアも馴染み深い春のフレグランスフラワーですが、映画『プラダを着た悪魔』で、メリル・ストリープ演じるミランダのセリフに、「フリージアの香り? もしフリージアの香りなら私はとても気が滅入るのよ」といった印象的なフレーズがありまして……映画を観て以来、フリージアの上品な香りに触れるたびに「何でだろう?!」といつも考えてしまいます。まあ、フリージアに罪があるわけでもなく、人の記憶に「香り」はとても重要な役割を果たしていて、ミランダにはフリージアの香りから思い出したくない記憶にスィッチが入るという彼女特有の事情がある、っていうことなのでしょうけど……真相はよくわかりません(笑)。

そのフリージアの香り、色によって少し違うのです。代表的な黄色はフルーティーでさわやかな香り、画像の白色はスパイシーでコクのある香りが特徴になります。フリージアの香りは、他の花の香りとの親和性がとても高く、春の花々との相性も抜群です。最近は品種改良も進み、花がひと回り大きく花弁が肉厚で日持ちが良いものや、八重咲きのものなどが人気になっています。

器にしたのは紅茶の缶。ときどきかわいくて捨てられないデザインの缶がありますよね。小さな花を活ける時に重宝しますので、ぜひ大事に取っておいてください(笑)。きっちりアレンジメントした感じより、庭で摘んできた花をさっくり束ねた無造作な感じの方がしゃれてます。ヒヤシンスにフリージア、パウダリーな甘い香りと明るい黄緑の葉が美しいルピナス、そして春を告げる色・黄色のスイセンと八重咲きの鮮やかなブルーのアネモネをアクセントにしてみました。パンチが効いたアネモネでちょっとワイルドな感じになりましたね。

球根花にスィートピーやパンジーを合わせると、さらに甘くかわいらしい雰囲気のフレグランスブーケになりますよ! ぜひ自分好みにブレンドした春のフレグランスをお部屋に飾ってみましょう。

ヒヤシンスの水栽培のお話をしましたが、球根つきの花ってなんとも愛らしいですよね。土に植わっている状態ですと家の中や食卓に飾るのは抵抗がある方も、花の咲いた花壇用の鉢植えから球根をそっと抜き取って、球根と根の部分の土を優しく落として水洗いすれば、球根つきのスイセンやムスカリのアレンジが楽しめます。ガラスの器に薄く水を張って、花の咲いた球根をごろごろと並べれば、簡単におしゃれな球根アレンジに! ときどき水を替えて、枯れた花はこまめに摘みとれば、蕾もどんどん咲いてきて長く楽しめますよ♪

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2月4日の土曜日は二十四節気の「立春」、まさに春が立つ日。立春とは冬と春を分ける節目の日。その節分けをする立春の前日が豆まきをする「節分」というわけです。

◆詳しくはバックナンバーをご参照ください。
「冬と春の間に。立春には春のトビラをあける黄色の花~芽吹き前の枝物とスイセン、チューリップ、そしてパンジー~」

そしてもうすぐバレンタインデー! 今年も「フラワーバレンタイン」を盛り上げていきますので、ぜひINFORMATION欄をご参照ください。花と笑顔があふれる2月14日になりますように。LOVE&PEACE……!

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

 

<INFORMATION>

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2月といえばバレンタインデー!  皆さま、「フラワーバレンタイン」ってご存知でしょうか?
日本におけるバレンタインデーは、「女性から男性へチョコレートで愛を伝える日」とされ久しいですが、世界におけるバレンタインデーは、男女がお互いに愛や感謝の気持ちを伝えあう日なのです。欧米では、メッセージカードを交換したりするそうですが、あわせて、男性から女性に花を贈ることが最もポピュラーです。実はバレンタインデーは。世界でいちばん花を贈る日でもあるのです。

女性から男性へとっておきのチョコレートを贈る気持ちと同じように、男性から女性へちょっと勇気をだして愛する人のために選んだ花を贈ってくれたら……そこから新しい物語がいくつも生まれ、LOVEにあふれた心温かな一日になるよう大切な人に花を贈る2月14日にしていきませんか?

そんなご提案に今年は人気FM局J-WAVEがご賛同くださり、「Flower Valentine with J-WAVE ~バレンタインデーには花と音楽を贈ろう」という素敵な企画がスタート! 1月30日から2月14日まで、14番組でフラワーバレンタインをご紹介、番組ナビゲーターが選んだラブソングとダズンフラワー(12本の花束)をプレゼントいたします。そして、首都圏の約500店舗で、J‐WAVEとのコラボブーケも展開、宮本笑里さんのPOPとハートタグが目印です!

さらに今年は、インスタグラムなどSNSで、花の画像と「#フラワーバレンタイン813」とハッシュタグをつけてご投稿いただくと、3月14日ホワイトデーの宮本笑里さん花いっぱいスペシャルコンサートに抽選で20組40名様をご招待いたします。

ぜひ、J-WAVE 81.3FMをチェックしてくださいね♪

◆J-WAVE特設サイト
http://www.j-wave.co.jp/special/flowervalentine2017/

◆フラワーバレンタイン公式サイト
www.flower-valentine.com/

 

photo,styling,text:NORIKO OGAWA

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