知られざる絶景 from ロンドン 丘の上からロンドンを一望。憩う市民の姿にも癒されて。

今では信じられないけれども、国の決まりにより1963年までロンドンでは高さ111メートルの聖ポール寺院を越す建物は造られなかった。その条例が撤廃されてから少しずつ高いビルが建設されるようになり、21世紀に入ってからは拍車がかかったように超高層建築が次々と建てられている。

そんな建物の上階にある展望台から街を見下ろす絶景スポットも良いけれども、緑豊かな小高い丘から街を望む風景もロンドンらしくて捨てたもんじゃない。

アリーパリーの愛称で親しまれている、北ロンドンにあるアレクサンドラパレス(www.alexandrapalace.com)からの眺めもその一つだ。

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アリーパリーからロンドン中心部を臨む。いまでは聖ポール寺院が隠れてしまってどこにあるのか分からないくらいに摩天楼が広がっているのが分かる。

時の皇太子妃の名が付いているものの「パレス」とはいえ宮殿ではなく、人々の娯楽施設として1873年にオープンした。19世紀中頃のロンドンは爆発的に人口が増え、住宅地は郊外まで広がっていた。そこに住む人々の憩いの場として、1862年に開かれたロンドン万国博覧会の建造物の解体資材を再利用し、演劇やコンサート用の大劇場を備える建物と周辺の公園が造られたのだ。2度に渡る大戦中にはイギリスに逃れてきた難民たちのシェルターとなり、1935年にはBBCがスタジオが設えて世界で初めての放送をここから発信した。

そうして長年に渡って地元のロンドンっ子たちの暮らしに溶け込んでいるアリーパリーだが、延々と続く坂道を登っていくのはちょっと大変。でもその疲れが吹き飛んでしまうほど、頂上からロンドンを見下ろす眺めは本当に素晴らしい。

暖かくお天気の良い日のピクニックをする人たちでいっぱいになる。

 

晴れた日には景観を楽しみながら寛げる。

秋から冬にかけての眺めも見逃せない。冬の到来を知らせる行事ともいえる11月5日のボンファイヤーナイトの花火は特に有名で、ロンドンのスカイラインを背景に大掛かりな花火の打ち上げとレーザーライトによるショーが行われる。

 

ロンドンのあちこちで上げられるボンファイヤーナイトの花火だが、アリーパリーのは特に有名。

先日初雪が降った際には、美しく雪化粧した風景がインスタグラムにアップされていた。

 

まるで絵に描かれたような情景が目の前に広がる。

賑やかな街中も楽しいけれども、喧騒を離れてのんびり丘の上から眺めるロンドン全景は、また違った味わい深さがある。

text: Miyuki Sakamoto

在イギリスライター。憂鬱な雨も、寒くて暗い冬も、短い夏も。パンクな音楽も、エッジィなファッションも、ダークなアートも。脂っこいフィッシュ&チップスも、エレガントなアフタヌーンティーも。ただただ、いろんなイギリスが好き。

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