グリーン満喫スポット from ロサンゼルス 緑のトンネルをくぐって、本とレコード盤を探しに。

世界は愉快 2022.07.01

稲石千奈美

近年記録的高温や干ばつが続き、水不足が深刻化しているカリフォルニア。ロサンゼルスでは春の緊急事態宣言を受け、6月1日より庭の水撒きは週2回に限定するなど対策措置がスタートした。鮮やかな緑色の芝生を保てず、茶色に乾いた芝になるぐらいなら、芝生を撤廃して乾燥気候耐性の庭にリニューアルする動きも増えている。

干ばつが続くカリフォルニアだからこそ、青々とした植物はプレシャスな存在。緑化に貢献してくれる鮮やかなブーゲンビリアや壁いっぱいにあしらわれた多肉植物たちに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えたい。

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歩道にも緑があふれるショップの外観に誘われ、中を覗いてみたくなる。photo:@uma._kvart

昨夏、LAの隣り町モントローズに新たな緑の癒やし空間としてオープンした「ロストブックス」は、建物の外も中もグリーンいっぱいの書店。山際の小さなコミュニティのメインストリートを歩くと、緑で囲まれたショップの外観に興味を惹かれる人も多いはずだ。

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入り口は緑のトンネルになっていて、活きいきとしたグリーンに見守られてショップに入る。photo:@uma._kvart

入り口は小さな本棚をのぞく全面が緑の植物で覆われたトンネルになっていて、ぐるりとカーブしているからショップの中は見えない。「ここから先は特別の世界ですから」というマークなのだろう。そういえば、LAの新名所、アカデミーミュージアムのオープニング記念特別展示『宮崎駿展』でも、監督の世界を凝縮したギャラリーへの入り口はファンタジーあふれる緑のトンネルだった。

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緑のネオンで綴られたショップ名の看板も植物で囲んで。ソファーやクッションでくつろげる。photo:@uma._kvart

別世界に足を踏み入れるような期待とともにトンネルをくぐっていくと、植物園の温室?と見紛えるほど広い店内で、グリーンと書籍が迎えてくれる。天井も緑の苔玉絨毯を思わせるデザイン。ショップでは古本と新刊書籍を並行して扱い、新旧のレコードや雑貨、本棚や床、店のあちこちに配されている植物も商品として販売している。

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近年リバイバルトレンドが著しいレコード盤。中古のレコード探しは時間をかける掘り出し物も、一目惚れジャケ買いの楽しみもある。photo:@uma._kvart

絵本の挿絵のようにチャーミングなソファ、ベンチや椅子も置かれていて、緑を愛でつつ、ゆっくりと本やレコードを手に取れるのもうれしい。「本棚はあえて迷路のようにデザインされているので、店員の私でも時々迷ってしまうの」とスタッフが笑いながら教えてくれた。

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まるでグリーンハウスにいるように緑がある生活雑貨やコーヒー豆売り場の植物も売りもの。どの鉢のグリーンも個性があって迷うけれど、本と一緒にぜひひとつ購入しておうち緑化に貢献しては。photo:@uma._kvart

Lost Books
2233 Honolulu Ave, Montrose, CA 91020 USA
営業時間 11〜21時(無休)
https://www.instagram.com/lostbooksla/

text:Chinami Inaishi

稲石千奈美

在LAカルチャーコレスポンデント。多様性みなぎる都会とゆるりとした自然が当然のように日常で交差するシティ・オブ・エンジェルスがたまらなく好き。アーティストのアトリエからNASA研究室まで、ジャーナリストの特権ありきで見聞するストーリーをエディトリアルやドキュメンタリーで共有できることを幸せと思い続けている。

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