最近友人とディナーに行った時のこと。全部食べきれなかったので、少し料理が残った。友人はウェイターに「持ち帰り」にして欲しいけど、レストランが使うプラスチックの容器は、環境に悪いし、自分でタッパーを持ってきたから、そこに入れてくれ、と伝えた。小さなことだけど、ご飯も、容器も無駄にならず、楽しかったディナーをさらに素敵なものにしてくれたと思う。
無駄な消費が多いニューヨークで、いかに使い捨てのプラスチックの利用を避けて、生活できるか? 最近話題になっているのが、「Plus」社の紙状のボディシャンプーだ。小さい袋に薄いペーパーのようなボディシャンプーが包装されていて、水をかけると、泡状になる。袋は木材パルプ製のため、水につけると30秒以内で溶けるので、そのままシャワーで流して大丈夫という優れもの。木材パルプは、「FSC認証」と呼ばれる森林(環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林。その森林資源から生まれた製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組みがある)から使用されたもの。パッケージに使用しているプラスチックは0%で、ギルトフリーで利用できる強い味方だ。アイテムが紙のように薄くて軽いので、液体のボディウォッシュに比べて、輸送時に排出される二酸化炭素の排出量は約80%、生産時に使用される水の量も約38%低いそう。
同ブランドは2021年に発足したフレッシュなブランドだが、早くも人気を呼び、大型チェーンのターゲットでも展開している。そしてチーフ・インパクト・オフィサーは、以前キム・カーダシアンの元で働いていたことでも有名な、ステファニー・スガナミ・シェパードが務める。
エシカルな消費への関心は、日々高まり、一昔前の「環境に優しい」程度の商品では、若い世代の消費者の多くは満足しない。今後も、気候変動に積極的に対応した製品の登場に期待したい。
プラスチックのボトルを使用していない紙状のパッケージ。
photography: courtesy of Plus
軽くて、かさ張らないので旅行に携帯するのにもぴったり。ロゴやグラフィックデザインもかわいい。
10個入りで、$6.99。アロエの葉やココナッツ、ジャスミン、アーモンドオイルなどが原料として使用されている。
photography: courtesy of Plus
text: Azumi Hasegawa
長谷川安曇
東京出身、2004年からニューヨーク在住。フリーのライターとして活動しながら、映像制作にも携わり、キャンペーンやミュージックビデオのプロデュースとフィルムメーカーとしても活動する。www.azumihasegawa.com