「貧乏人のキャビア」という名のついたなすのペースト。なすの種の粒々をキャビアに見立てています。貧乏人の〜という名前のつく料理は結構あります。ポワローのヴィネグレットは貧乏人のアスパラガス、目玉焼きを乗せたパスタは貧乏人のパスタ。どれも毎日食べても飽きのこない素晴らしいレシピ。料理の大切なエッセンスが詰まっているものばかりです。贅沢もいいけれど、清貧であることも料理が上手くなるためには必要なことなのかもしれません。

なすのキャビアは、この季節になると何度となく作ってきました。トマトや調味料をあれこれ加えるレシピを作ったこともありましたが、ここ数年落ち着いているのがこのレシピです。レモンの酸味とクミンシードがワインを誘います。味の決め手は焼きなすの要領でなすをしっかり焦がして香ばしさをつけてあげること。フランスで作っていた時は米なすをオーブンで焼いて作っていましたが、日本のなすでこうして作る方が断然おいしい。なす、きゅうりのおいしさはは日本のものに叶いません。

このなすのキャビアは、パンに塗るのはもちろん、素麺に乗せたり、鰯や鯵などの青魚のソースとしても使えます。今年の夏もこのレシピにまだまだお世話になりそうです。

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なすのキャビア

<作りやすい分量>
なす 3個
玉ねぎ 1/4個
にんにく 1かけ
オリーブ油 大さじ2
レモン汁 小さじ1
クミンシード 小さじ1/2
塩、こしょう 

<作り方>
1.なすは竹串を数カ所さし魚焼きグリル、焼き網などで、焼きなすの要領で丸ごと皮が黒くなるまで焼く。水にとらずに、竹串で皮をむき、粗く刻む。
2.玉ねぎ、にんにくはみじん切りにする。
3.フライパンにオリーブ油大さじ1とにんにく、クミンシードを入れて弱火で熱し、よい香りがしてきたら、玉ねぎを入れて塩をふってしんなりするまで炒める。1のなすを加え、塩をふり、なすをつぶすようにして3〜4分炒める。
4.残りのオリーブ油、レモン汁、塩、こしょうを加え混ぜる。

フランス料理とワインを愛する料理家。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。2015年にフランス農事功労章を叙勲。著書に『ma cuisine おいしさの引き出し方』などがある。instagramは@8yukiko76hirano  料理教室cuisine et vin主宰。http://www.yukikohirano.com
愛猫クミンの様子は別のInstagramから@cumin_chatnoir

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