韓国でいま起きている、アンチフェミニズム運動とは?

Society & Business 2021.07.26

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画像はイメージ。photo: Amy Mitchell_iStock

韓国のマスキュリニスト(男権主義者)たちによれば、「自国のフェミニズム運動は制御不能な状態に陥っていて、社会には男性に対する憎しみが溢れている」という。彼らはそれに対し抗議の声をあげている。

アンチフェミニズム運動に火をつけたのはひとつの絵文字だった。韓国では“男性の権利”を守ろうとする活動家たちが、数週間前から「男らしさに手を出すな」をスローガンに声を上げている。6月12日のロサンゼルス・タイムズによると、この運動はある絵文字に対する反発から生まれたとのこと。その絵文字は親指と人差し指の先を近づけた形で、小さなペニスを表すシンボルである。男たちにとっては肉体に対する侮辱に他ならない。

これらの男性グループは韓国の#MeToo運動への強力な対抗組織となっているとロサンゼルス・タイムズは報じている。活動家のほとんどはZ世代(1995年から2010年生まれ)に属する若者たちで、「韓国社会には男性蔑視の風潮が蔓延している」と抗議し、「極端なフェミニズム運動が制御不可能な状態に陥った」と訴えている。

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不和を表す絵文字

問題の絵文字はフランスにはないが、韓国ではスマホに組み込まれる以前の2015年から論争を引き起こしている。この絵文字は韓国のフェミニズム運動のコミュニティ・サイト、メガリア(2017年に閉鎖)のロゴだった。それ以来、男権主義者たちはこの絵文字が使用されていないか隈なく追跡し、主張を認めさせている。例えば昨年の5月に始まったキャンプ用品のプロモーション・キャンペーンでは、同じ形をした指が小さなソーセージを掴んでいるイメージが使われた。これは男性に対する悪意に満ちた広告であるとマスキュリニストたちはネットで炎上。これに対し会社側は陳謝し、イメージを修正し、その後ポスター自体を削除した。抗議のために本社の前に集まったデモ隊はこの広告を制作した責任者の解雇を求めた。会社側は責任者の懲戒処分を行い、企業体制の改善を図ったと発表した。

 

反フェミニズム

確かにMeToo運動は韓国にまで及んでいるが、韓国の女性たちの声はまだなかなか届かないようだ。それもそのはず。2018年に 韓国女性政策研究院(KWDI)が行った調査によると、20歳前後の男性の65%がフェミニズム運動は男性に対する憎しみを表すと考えている。そのうちの56.5%は自分の恋人がフェミニストだと言ったら別れるつもりだと答えているのだ。

text:Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr)

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