中国女性たちに人気! 日本発「バトラーカフェ」とは?
Society & Business 2021.10.05
中国の女性の間でバトラーカフェが流行している。女性向けのこのバーで、彼女たちは、美しくて気配りができ、話に耳を傾けてくれる若い男性と過ごすためにお金を払う。
この人気には、中国人女性が自国の男性のふるまいに不満を持っているという背景がある。photo:Getty Images
理想の男性を探すのに疲れて、レンタルの方が良くなってしまう。中国では、日本発のコンセプトであるバトラーカフェ(執事喫茶とも)が流行している。このような女性向けのバーで、客はお金を払って美しく気配りができ配慮のある若い男性と過ごすのだ。
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家父長制への反発
約400元(約6800円)で、若い男性がカクテルを持ってきてくれたり、話を聞いてくれたり、一緒に映画を見たりボードゲームをしたり......。中国で広まり始めている表現によれば、「平凡だけど自信に満ち溢れている」ほとんどの中国人男性ができないようなことをしてくれる。
中国のWebメディア「Sixh Tone」が明かしたように、バトラーカフェは家父長的な社会に対する中国人女性の不満や倦怠感を解消するためのものだ。「ときどき、男友達とゲームをしていると、みんなが私抜きで勝って楽しんでいることがあるんです」と、記事の中である女性は明かしている。「一方でバトラーはあなたに気遣ってくれるし、ゲームの中で役に立っていると実感させてくれます」
中国人女性の中には、バトラーカフェに行って自分に自信を持てるようになる人もいる。「彼らと一緒なら私は女王!」と、前出の女性とは別の人物がインタビューに答えている。しかし、ほかの人にとっては、バトラーはまさに恋人のような存在であり、客の大切な診療に付き添ったり、引っ越しの手伝いをしたりすることもある。
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セクシャルハラスメントの事例
女性3人がオープンしたバトラーカフェ「Promised Land」では、VIP会員になるとサービス料が2万5000元(約43万円)に跳ね上がるが、バトラーとの特別なパーティーに参加できるなどの特典がある。
こういった施設では、予想も許可もされていない性的関係は制限されている。しかし複数の情報源が「Sixth Tone」に語ったところによると、バトラーは定期的にセクシャルハラスメントの被害に遭っているという。バトラーたちを守るため、「Promised Land」のように、部屋に防犯カメラを設置しているバーもある。
共同創業者の1人によれば、客の多くは大学教育を受けており、ほかの中国人女性よりも「オープンマインド」だという。この特色は珍しいことではない。
このような成功を受けて、中国全土で数十店舗のバトラーカフェがオープンしている。
text:Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr)