カップル・セラピストが見た、関係修復に失敗する夫婦とは?

Society & Business 2021.10.07

文/スーザン・ピアーズ・ガドア(心理カウンセラー)

25年にわたってカップルを見つめ続けた私が見つけた、関係修復がうまくいかない3つの理由とその対処法とは?

私はカリフォルニア州在住のカップル・セラピスト。同性・異性を問わず夫婦や恋人関係のもつれをほぐすのが仕事だ。いろんな人が相談に来る。さあ問題を解決しようと腕まくりして来るカップルもいれば、けんか腰で腕まくりのカップルもいる。

 

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ゴールはそれぞれ。終わらせるべき関係とそうでない関係があるとガドアは語る。COURTESY SUSAN PEASE GADOUA

問題はさまざまだが、よくあるのは浮気や不倫の発覚、薬物やアルコールへの依存、そして一方が別れたがっているケース。こうした問題の底に何らかのトラウマが潜む場合も、こうした問題が新たなトラウマになる場合もある。

いい例が昨年来の新型コロナウイルスの感染爆発(に伴う生活の変化)だ。自宅で一緒に過ごす時間が増えて、いままでくすぶっていた問題に火が付き、関係の継続に赤信号が点滅し始める。
この仕事を始めて25年、つくづく思い知らされたのは、セラピーが効かないケースも多々あるということ。その理由は主として3つ。

相談者の双方または一方がセラピーに期待していない場合、双方または一方の気持ちが既に離れている場合、そして双方が問題の核心に気付いていない場合だ(これには双方または一方にトラウマが残っているのに、それに気付いていないケースが含まれる)。
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関係改善に積極的なのは女性。

異性カップルの場合、セラピーを通じた関係改善に積極的なのは、たいてい女性の側だ。夫はセラピー中こそ協力的な姿勢を見せるが、家庭に戻ると今までどおり。これでは改善は見込めない。

気持ちが既に離れている場合とは、一方の薬物依存やショッピング依存が強過ぎる場合や、不倫相手への思いが強過ぎる場合を指す。

問題は3つ目、問題の核心に気付いていないケースだ。トラウマは心の奥深くに潜むので、対話型のセラピーだけでは解決しにくい。

ローズマリーとジムの夫婦の場合は、昨年のロックダウン(都市封鎖)がきっかけで関係が完全に行き詰まった。子供たちも含めた巣籠もり生活に耐え切れず、ローズマリーはパニックに陥った。しかし、その背景には過干渉の母親の下で育った時期のトラウマがあった。

カリフォルニア州が外出禁止令を出してすぐ、ローズマリーはジムに離婚したいと伝えた。すると今度は、幼い頃父親に虐待されていたジムのトラウマがよみがえった。
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トラウマの解消に取り組むのが先。

妻は家で支配されることを恐れて逃げ出そうとし、夫は見捨てられることを恐れて結婚にしがみついた。

結局、この2人は離婚を選んだ。それでも相手の振る舞いの底にあるトラウマを理解できた結果、ロックダウンが解除されて別居が可能になるまでの日々を、少しは平穏に過ごすことができた。トラウマの存在に気付くことは重要だ。遠い過去に受けた心の傷が、大人になってからの人間関係に影響を及ぼすことは珍しくない。

いくらセラピーに通っても効果がないと感じたら、以上3つの理由が当てはまらないか考えてみてほしい。そしてトラウマを抱えていることに気付いたら、夫婦間の問題より、そのトラウマの解消に取り組むほうが先かもしれない。

あらゆる夫婦関係が長続きするわけではないし、終わらせたほうがいい関係もある。いずれにせよ、不安があったらセラピストに相談してほしい。それで人生が好転するチャンスはある。

text: Susan Pease Gadoua

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