「世界で最も影響力がある女性」に大坂なおみやクロエ・ジャオ!

Society & Business 2021.12.10

英フィナンシャル・タイムズ紙が、12月2日、「世界で最も影響力がある女性25人」を発表した。テニスチャンピオン、女優、社長、映画監督などが挙げられている。

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スカーレット・ヨハンソンが第35回アメリカン・シネマテーク・アワードに出席した。(ビバリーヒルズ、2021年11月18日) photo: Getty Images

12月2日、フィナンシャル・タイムズ紙が、「2021年、世界で最も影響力がある25人の女性」を発表した。テニスチャンピオン、女優、社長、映画監督など、さまざまな分野の女性が「リーダー」「ヒーロー」「クリエイター」の3つのカテゴリーに分けて選出されている。選出は、経済紙・金融紙のジャーナリスト、「ウーマン・オブ・ザイヤー」の元受賞者、フィナンシャル・タイムズ紙の読者によって行われた。

名門メディアのトップに女性として初めて就任した編集長のルーラ・カラフは、「大陸、業界、そしてグローバルな問題への対応を超え、これらの素晴らしい女性たちが激動の年を形作ってきました。彼女たち一人ひとりが、これからの時代をより良くしてくれるでしょう」と語った。

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「スキル、誠実さ、ユーモア」

フィナンシャル・タイムズ紙が選んだリーダーの中には、世界貿易機関(WTO)の事務局長であるンゴジ・オコンジョ・イウェアラも含まれている。「2008〜09年にかけての食糧・金融危機への対応を含め、世界銀行での25年間の経験は、彼女の決意を示していました(中略)。彼女は、そのスキル、絶対的な誠実さ、そしてそのユーモアでガラスの天井を破り、ナイジェリア初の女性財務大臣と外務大臣になりました(中略)彼女はまた、女性初、アフリカ人初のWTOのトップでもあります」とクリスティーヌ・ラガルドは紹介文で述べている。

米国で「女性初、カリフォルニア人初、イタリア系アメリカ人初の下院議長」となったナンシー・ペロシもリーダーとして選出された。

また、ゼネラル・モーターズの会長、メアリー・バーラの名前も挙がり、シティグループのディレクターであるジェーン・フレイザーは、「自動車産業に対する野心的なビジョン、環境に配慮したビジネスポリシー、女性の権利に対するコミットメント」でインスピレーションを与えてくれる、と評価している。

さらに台湾のリーダーである蔡英文総統は、「レジリエンスの象徴」と表現され、中国の利益を尊重しながらも、自国を裏切ることはないと評されている。

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内部告発者とテニスプレーヤー

「ヒーロー」のカテゴリーでは、(フェイスブックの)内部告発者であるフランシス・ホーゲンの勇気に、社会学者のショシャナ・ズボフが敬意を表している。ホーゲンは、かつて勤務していたフェイスブックの内部文書を公開し、ヘイトや偽情報といったアルゴリズムの悪影響を、SNSが十分にコントロールできていないとあえて組織を非難した。

テニスチャンピオンの大坂なおみは、「あらゆる職業の人々が日常的に直面しているメンタルヘルスの問題」を強調したことが評価された。彼女は、「多大な不安」をもたらす記者会見を避けるために、5月の全仏オープンへの参加を途中棄権した。元テニス選手のビリー・ジーン・キングは、「そうすることで、彼女は世界中の人々にインスピレーションを与え、アスリートだけでなく、すべての人間に当てはまるメンタルヘルスに関する議論をスタートさせた」と評価している。

また同紙は、活動家たちが「洗脳」として非難する香港政府の「道徳・国民教育」プロジェクトに抗議するデモを行った、当時「わずか15歳」だった民主化活動家、周庭(しゅうてい)をたたえた。彼女は7カ月間、刑務所に収監されていた。

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天才クリエイター

「クリエイター」部門では、映画『ノマドランド』(2020年)でアカデミー賞監督賞を受賞した映画監督クロエ・ジャオが栄誉を受けた。彼女は「史上初のアジア人女性、初の有色人種女性」として、アカデミー賞を受賞した。

また、この部門では、プロデューサーのションダ・ライムズの名前も挙げられている。脚本家のアンマ・アサンテは、「Netflixオリジナルドラマの『ブリジャートン家』が始まった際、彼女は再び世の中の雰囲気を理解する能力を発揮し、有色人種が登場する時代劇でテレビ界に存在していた穴を埋めてくれた」と書いている。

世界で最も稼いだ女優であるスカーレット・ヨハンソンは、自身が出演した映画『ブラック・ウィドウ』のチケット販売による収入が減るとして、同作を映画館と同時にストリーミング配信で公開したディズニーを訴え、「映画界の常識を覆した」と称賛されている。

text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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