プロに訊く。起業にまつわる素朴なギモン。

Society & Business 2022.01.19

起業に興味があるけれど、何から着手したらいいかわからない――そんな人も多いはず。最低限、知っておきたい基本のキについて、自身の経験から女性の起業支援を数多く行ってきたプロ、小谷晴美に訊く。

starting-a-business-01-211227.jpgphoto: iStock

起業したいと思ったら、まずどんな準備をするべき?

たとえば、いまの会社に勤めながら副業としてトライしたいという場合は勤め先のルール確認を。家族の扶養に入っている主婦などの場合、健康保険の扶養の要件を確認し、収入については130万円の基準が売上か所得かなど、妻が個人事業主の場合の要件を確認しておく。ひとりで起業する場合、ケガや病気で自分が働けなくなった時のことも想定し、社会保険の保障内容がどう変わるかの確認と、保険に入るなど「身の安全」を確保して。そういった場合に備え、2年分くらいの最低生活費の貯蓄があればより安心です。業種や仕事内容によって、税務署への届出や営業許可、事業者登録がマストな場合もあるので事前確認を。また、何をやりたいのか明確にしたうえで、商工会議所や自治体の男女共同参画施設等の起業セミナーに参加し、情報収集をしておくのもおすすめです。このように、まず環境を見直し、整えることが大切です。

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お金の管理はどうすればいいの?

まず大事なのが、事業用の口座やクレジットカードをプライベートと分け、日々の取引(売上や必要経費等)を帳簿につけること。確定申告の要不要にかかわらず、事業を開始したら帳簿をつけて、領収書等の書類や取引データを保存しなければなりません。帳簿はフリー素材やアプリも多数ありますし、「これは経費になるの?」といった素朴な疑問は税務署が答えてくれます。一定の所得(売上から必要経費を引いたもの)を超えると確定申告をする必要がありますが、所得税の仕組みや計算方法については早いうちに学んでおくと安心。また、起業したての頃は損益分岐点をとにかく下げること。固定費を抑えることで、たとえ売り上げがいまいちでも、大ケガを避けられます。小さく小さく始め、植物のように少しずつ育てていくのがポイント。

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資金はどのように集めたらいいの?

銀行の融資を受ける、クラウドファンディングをするといった方法がありますが、実績がなければ融資を受けるのは難しい。商工会議所などで経営指導を受けた人が利用できる日本政策金融公庫による国の融資制度を活用することや、補助金が後払いでもらえる「小規模事業者持続化補助金」という制度を利用することもできます。ただ、必ずしも資金が必要というわけではありません。仕事によっては特別な設備が必要な場合もありますが、いきなり大きく展開するのではなく、個人事業主として小さくスタートするやり方も。デジタル化やSNSの普及で起業のハードルはかなり低くなっています。販売業にしても、実店舗を構えずにオンラインショップから始めてみる、などパソコンと携帯電話さえあればスタートできることが多々あります。

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starting-a-business-02-211227.jpgphoto: iStock

オフィスはどんな視点・基準で探せばいいの?

まずオフィスが必要かどうか、自宅でもできるかの吟味を。必要になった場合、おすすめなのが創業支援施設等のシェアオフィスやコワーキングスペース。条件は施設により異なりますが、必要な期間、必要な時間だけ使用、とコストを抑えることができます。金額面以外でも、同じ起業仲間と情報交換ができたり、横の繫がりが生まれるというメリットもあります。

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人材はどうやって確保するの?

少人数、もちろんひとりで起業することは可能ですし、そちらのほうがリスクも低いです。どうしても手伝ってもらう人が必要という場合は、同じビジョンを共有・共感できる人というのが重要です。そのため、広く公に募るのではなく、良く知っている人に協力をあおいだり、信頼できる人からの紹介がいちばんです。友だちとしてウマが合う相手でなくてOK。自分の不得意な分野をカバーしてくれる人なら、なお良しです。

監修/小谷晴美
しなやかライフ研究所代表
経営コンサルタント会社で中小企業診断士として勤務の後、ファイナンシャル・プランナー資格を取得。個人事業主の妻として子育てをしながら夫のサポートをした経験から、女性の起業支援を得意とする。近著は『小さく始めて夢をかなえる! 女性ひとり起業 スタートBOOK』(コスミック出版刊)。
www.shinayaka-life.com

*「フィガロジャポン」2022年1月号より抜粋

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