ロシア新興財閥のエリートの娘たち、SNSでウクライナ侵攻を批判。

Society & Business 2022.03.14

プーチン政権と密接な関係にある親を持ち、いわばロシアのエリート階級に属する女性たちがネット上でウクライナ侵攻に抗議する声を上げている。

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エリツィン元大統領の孫娘、マリア・ユマシェワ。Instagramのスクリーンショット

ロシアではウクライナ侵攻の抗議デモに多くの国民が参加している。ネット上でウクライナ支持を表明したソフィア・アブラモヴィッチ、マリア・ユマシェワ、エリザベータ・ペスコワ......彼女たちが注目されたのは、親がいずれもプーチン大統領と親しいロシアの新興財閥「オリガルヒ」であるからだ。

アメリカの「フォーチュン」誌が報じたように、ソフィア・アブラモヴィッチは、ゼレンスキー大統領率いるウクライナをいち早く擁護した。父親のローマン・アブラモヴィッチは、2003年にイングランドのプロサッカークラブ、チェルシーFCを買収したことで有名だ。現在27歳のソフィアは2月24日のロシアによるウクライナ侵攻を受けて、早くも2月25日にrussia.realityの反戦メッセージ画像をインスタグラムのストーリーでシェアしている。その画像では「ロシアはウクライナとの戦争を望んでいる」という文の「ロシア」の文字が斜線で消されて「プーチン」におき換えられていた。

 

 

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戦争反対!

SNSで戦争反対を表明したのはソフィア・アブラモヴィッチだけではない。現在ロンドン在住のマリア・ユマシェワはエリツィン元大統領の孫娘で、父親は現在、大統領顧問を務めるワレンチン・ユマシェフ、プーチン政権発足以来の大統領の盟友だ。インスタグラムのマリアのアカウントのフォロワーは約16,000。現在19歳のマリアは最近、ウクライナの国旗と共に「戦争反対!」のメッセージを潔く投稿し、さらにロンドンで行われた反戦デモにも参加したようだ。

 

 

ロシアの外交官で大統領報道官を務めるドミトリー・ペスコフ報道官の娘、エリザベータ・ペスコワも停戦派だ。上述の「フォーチュン」誌記事によると、現在24歳のエリザベータは「Foundation for the Development of Russian-French Historical Initiatives(仏露歴史イニシアチブ発展財団)」の副代表を務めている。最近、「#notothewar」(「戦争に反対」)のハッシュタグを表示させた短いメッセージをインスタグラムに投稿した。ただ、 ウェブサイト「ビジネス・インサイダー」によれば、このメッセージは数時間後に削除された。このハッシュタグはウクライナ侵攻以来、ロシアのデモ行進でのスローガンになっている。ウクライナ侵攻が始まってからプーチン大統領を「精力的に」擁護してきた「父親からの圧力」があったことをうかがわせる。

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元サンクトペテルブルク市長の故アナトリー・サプチャークとロシア連邦評議会のリュドミラ・ナルソヴァの娘、クセニア・サプチャークも3月2日にインスタグラムにメッセージを投稿した。現在40歳のクセニアはジャーナリストで数年前から政治に関心を持ち、プーチンに対する抗議デモに参加したこともある。2017年にはロシア大統領選に出馬している。SNSに投稿されたメッセージは「いま、いちばん重要なことは、対話によってこの悪夢に終止符を打つことです。世界は大惨事に直面しています」とあり、ハートが散りばめられたカードの写真が添えられていた。メッセージはさらに「世界の地政学的利益が、何百万人もの人々の平和な暮らしより重要であるはずがありません! ウラジミール! どうか譲歩して! お願い! 子どもたちのために! そして、私たちのために」と続いた。

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2月23日の夜にロシアがウクライナに侵攻して以来、多くのロシア国民が大統領の行動を批判し、和平を求めている。反戦デモも増え続け、デモ参加者の逮捕もすでに1700人近くに上っている。また「フォーチュン」誌が報じたようにロシア連邦議会の国家院正面入口に「戦争反対」のスローガンがスプレーで書かれた事件も起きた。

 

 

 

text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr)

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