BWAピッチコンテスト ファイナリスト発表会 月経についての正しい知識を、女子学生アスリートのために。

Society & Business 2022.05.23

Dream Award ファイナリスト#3
1252プロジェクト

発表者:一般社団法人スポーツを止めるな

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一般社団法人スポーツを止めるな 1252プロジェクト
1年間(52週)のうち約12週は訪れる月経やそれに伴う体調の変化などで、多くの女子学生アスリートが抱える「生理×スポーツ」の課題に対し、トップアスリートの経験や医療・教育分野の専門的知見をもって向き合う教育/情報発信プロジェクト。
instagram : @1252project

facebook : スポーツを止めるな

 

1252プロジェクトのピッチ。

スポーツを愛し、スポーツに打ち込み、スポーツと生きるすべての学生を支援する「一般社団法人スポーツを止めるな」。コロナ禍で活躍の場を奪われた学生をはじめ、大きな目標を抱きながらも、思うようにチャレンジができない学生アスリートをサポートしてきた。

同社団は昨年、女子学生アスリート向けの生理×スポーツの教育/情報発信プロジェクト「1252プロジェクト」を始動。元競泳日本代表の伊藤華英さんが中心となり、生理×スポーツという、女性アスリート特有の課題に向き合っている。

伊藤華英さん近影(1252用).jpeg伊藤華英さん(1252project提供)

「私にとって、オリンピックは競技人生最大の舞台でした。しかし、(競技日程と)月経期間が重なり、月経をずらす低用量ピルを服用して臨んで、体重が3〜4kg増えてしまった。当時の私は月経に関しての知識が乏しく、結果としてコンディションを崩してしまいました。こうした私たちの経験と、スポーツと月経に関する科学的な知見をふまえながら、正しい情報を発信していくのが“1252プロジェクト”の目的です」(伊藤華英さん)

月経周期によるコンディション不良は、多くの女性アスリートの課題だ。日本スポーツ医学会がトップアスリート630名に行った意識調査では、91%が「月経周期とコンディションが関連している」と感じている。

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多くのアスリートは、自分のパフォーマンスに月経が影響していると感じているという。(1252プロジェクトの発表資料より)

「私たちが運動部に所属する女子学生に対して行った調査でも、67.5%が月経周期における身体のコンディションはパフォーマンスに『関連がある』と回答しています。また、学年が上がるにつれて関連性が高くなっていく傾向があります。しかし、多くの人が影響を感じていながら、63.4%の人は『特別な対策は何もしていない』と回答しているんです。これは、(月経周期と身体についての)知識が足りていないことも一因ではないかと推測しています」(伊藤さん)

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女性の悩みや課題を可視化する、双方向型のプラットフォームへ

現在、1252プロジェクトでは、学校や部活、スポーツチームに向けた授業やセミナー、運動部所属女子学生の実態調査など、さまざまな取り組みを行なっている。なかでも伊藤さんが重要だと考えているのは、学生とのコミュニケーションだ。

「学校や部活動を訪問し、学生さんの生の声を聞くことを大事にしています。コロナ禍で対面が難しい時期にはオンラインの講義も行いました。月経の話って、どこか『話していいのかな?』と考える学生も多いように感じますが、そこは私たち第三者がうまく介入していくことで、明るく話せる雰囲気をつくっていくことが大事だと考えています」(クリエイティブディレクターの佐々木亜悠さん)

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学校に訪問し、出張授業を行う1252projectのメンバー。(1252project提供)

他にも、YouTubeでさまざまなトップアスリートの経験談を配信したり、専門医(東京大学医学部附属病院・産科女性診療科・女性アスリート外来)プロデュースによる教材「1252プレイブック」を作成し、SNSを使って発信したりと幅広い活動を行なっている。

また、今後はオンラインのプラットフォームを開発し、さらに多くのコンテンツやソリューションを提供していく。例えば、身体に不調を感じたとき、悩みがあるときに専門家と直接つながれる仕組み作り。女子学生にとって婦人科に通うのはハードルが高いため、自身の悩みにいつでも答えてくれる場所があるのは心強いだろう。また、競技データと身体のコンディションのログを取って有効活用することや、学びのコンテンツをさらに増やし、プラットフォーム上に集約していくことも考えているという。

「(月経周期のコンディション変化については)SNSを中心に、多くの学生が悩みの声を上げています。今後は私たちのサービス自体が、そうした悩みや課題を洗い出せるような、双方向型のプラットフォームになっていけたらと思っています。また、将来的にはこの知見をアスリートだけでなく、スポーツを楽しむすべての女性に活用してもらいたいと考えています」(佐々木さん)

<審査員のコメント>

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ジャーナリスト 浜田敬子さん
聞き応えのある内容でした。当事者でもあるみなさまが立ち上がり、自分たちの経験を通じて次世代の女性アスリートの悩みを解決していく。その思いは本当に素晴らしいことだと感じました。

課題を解決する第一歩は、正しい知識を得ることです。私も仕事で働く女性を取材してきましたが、20代で生理が止まってしまうことに対してあまり深く考えていなかったり、重い生理痛が病気の兆候かもしれないことを知らないなど、自分の身体について知識が足りていないケースは多いように感じます。結果的に、婦人科を受診するのが遅れ、病気が進行してしまう可能性も考えられます

こうした状況を考えても、このプロジェクトは大きな意義がある活動だと思います。ゆくゆくはアスリートだけでなくすべての女性、そして、そのパートナーが身体のことを正しく知り、大切にしていくきっかけを生むプロジェクトになるよう、今後の展開に期待しています。

 

text : Noriyuki Enami (Yajirobe.Co.Ltd)

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